見出し画像

2/8 まとわりつく熱気は不快で。バンコク

初めは聞き取れず、話もうまく出来なかった英語は4日も経つと慣れてきた。
周りのヨーロッパ人の堪能さには驚かされる。しかし俺に足りないのは英語力というより自信だと思う。

2/6
空港で捨ててしまったアウターのポケットには割と新しいイヤホンが入ったままだった。
日本から持ってきたG-shockも電池切れか表示されない。
電脳街で知られるMBKセンターというモールへ赴く。
約3.5kmの道のりをせっかくなのでバイクタクシーを使ってみる。

一人目は路地で休んでいた運転手。
地図のスクショを見せると525円と言う。そんなに高いわけないだろ。
こっちも少ない金でやりくりしなければならない。
彼に失望した俺は照りつける日差しのなか流しのバイタクを探し歩く。

二人目を見つけたのは10分後。
乗りたい時に現れず乗りたくないときにばかり現れるバイタク。
彼は最初430円と提示してきた。意外とそんなものなのか?
350円で手を打ってくれた。

後ろに乗るとヘルメットを渡される。しかし被る前から彼は自信たっぷりに運転を始めた。
彼の外観からは想像できない荒さの運転で閉口する。
時には逆走も交えMBKセンターへ到着した。

モールの前ではちょうど春節ということもあってか中国人たちが我が物顔でブースをたくさん出していた。
彼らの生きる力の強さは魂に響く。
4階建てのモールの中に入ると想像以上の広さと店の多さであった。
ひとつひとつの店が小さく、ひしめきあっているのでより広く感じた。

そこではイヤホンを買い、次に時計の修理(電池交換だけで済んだ)をお願いした。
イヤホン、修理ともに2000円だった。
修理を待つ間にフードコートでバーガーキングに寄った。
早くも日本食が恋しい。タイ料理も不味くはない。むしろ美味しいのだが日本食には劣る。
余談だが年末に韓国で知り合ったインドネシア人の女の子がいま日本を訪れているらしく何を食べたらいいか聞いてきた。
間違いなくラーメンだと答えると東京で一番のラーメンはどこ?と、アインシュタインも佐野実も頭を抱える難題をふっかけれられた。
彼女の滞在先付近のラーメン屋を検索し食べログでトップの店を紹介しておいた。

アメリカンな食事を済ませ修理も無事終わったあとブラブラしているとSimカードゾーンへ着いた。
1週間で1000円ならバイタクを使ったりするより路線バスを外出先で調べらるこちらのほうが明らかに安上がりだと思い購入。
そして早速路線バスで宿へ帰る。

夜にムエタイを見に宿から徒歩十分のスタジアムへ。
ラジャナムダーンスタジアムというタイで有名な2つのスタジアムのうちのひとつらしい。
ネットの事前情報では2000、1500、1000バーツの席があるらしく外国人はとりあえずリングサイドの2000を勧められるらしい。
入口で係の女性にチケットもう買ったのかと尋ねられまだだと答えると写真で2000(7000円)の席だろ?と聞かれ、いや二階の安いやつ(1500のつもり)と答えると
1800バーツの席もあったらしく6300円と言われた。まあ値上がりしたのかと思いそちらの席にする。

試合は全部で9試合行われる。メインは第7試合のようだ。
第1試合開始の20分前ほどに席について空席の目立つスタジアムを見渡す。
左隣にはフランス語を話す家族。
右隣に案内されてきたのは一人で来た白人男性だった。

挨拶をするタイミングを逃がしてしまった。
せっかくお互い一人だし話せればいいのになあと思っていたところ、彼がGoproを取り出し会場の撮影をした。そこでそれいいねと話しかけることができ、自己紹介から始めた。
フランス出身のアドリアンは自国で4年前からムエタイを始めたらしく今回タイの各地で試合を観戦するらしい。20歳までパリに家族と住んでいたがそれからはフランス西部で一人暮らしをしてカーエンジニアの仕事をしているとのこと。

ムエタイは激しいKOの連続、といった競技ではない。
1R3分の5R制で大体3Rまではお互い牽制しあっている。
4Rから多少激しくなってきたところで抱き合ってポイントを稼ぎやすい膝蹴りの応酬だ。
しかし観客のボルテージは高まる。膝蹴りが入るたびに賭けをしている地元の人間たちは声を合わせて低いトーンで「イー」だの「ニー」だの叫ぶ。
観客たちの興奮を見ているのが面白かった。

メインの第7試合が終わると観客たちはゾロゾロと帰路につき始める。
競馬のメイン11レースが終わった時のような雰囲気だ。

アドリアンと最後まで試合を見て時刻は23時前。
一杯だけ飲みに行かないかと彼を誘うと快く承諾してくれた。
近くのバーへ入りビール(彼はオレンジジュースだった)を一杯だけ飲む。
パリに来たら連絡してくれと言ってくれた。


2/7
今日は珍しく朝から行動を始めた。なぜかというとタイの国立博物館が水・木曜日の朝9時半から無料の日本語ガイドをしてくれるのだ。
まだ寺院を訪れていないのは先に多少なりともここで知識をつけてから行こうと考えていたからだ。
無事に時間に間に合いツアーに混ざる。ガイドは4人ほどの日本人女性。
参加していた人々は俺を合わせて7人ほど。ボランティアでやってるらしい彼女たちの説明は非常に丁寧でガイドとして素晴らしいものだった。

しかし何故か思っていたより楽しめなかった。
これは理由が分からない。加えて正直いまの段階の旅もそこまで楽しんでいない。つまらないとは思わないがまだ本格的に始まっていないからそう感じるのだろう。
今は予防接種があるので仕方なくここに留まっている感覚だ。
他の旅人たちと話すのは面白いが。


2/8

アラームをセットせず寝ていたがやはりドミトリーでは同室の生活音で目が覚める。
しかし周りも大抵が怠惰な旅人であるので昼までベッドにいて、マレーシア行の夜行列車チケットを買いにバンコク駅(フアランポーン駅)へ路線バスに乗って向かった。
今回乗ったのはエアコン付きだから40円だったのか路線が違うからそうだったのか定かではない。
駅で無事にチケット購入後チャイナタウンへ寄って散策をした。
どこの国にもあるだろうチャイナタウン。彼らの歴史は長い。
涼しいロビーで宿のBGMのJohn Mayerを聴きながら本日の投稿をする。


盲目の少年乞食の目の前で
動くものとは金か心か

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?