曖昧なガールフレンドがいた話
魔法にかけられたような7ヶ月が呆気なく通り過ぎて行く。
とても長く短い、そして険しかった道程を歩き切って気付くのはそれが恋だったということ。
閉鎖的な高齢者と馬鹿な大学生しかいないあの町から出て名古屋へとやってきた。
思いのほか寒さが厳しかった冬に僕らは出会い、その溢れる爛漫な笑顔から見える矯正器具は繊細に輝く。
透明な笑い声は僕の体を突き抜けて、珍しく降った雪のなかへと消えてしまった。
初めて二人で行った居酒屋。その日から彼女の分のお水を頼む時は氷無し。今でもそのようにお