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2/18マレーシア クアラルンプール 極寒の亜熱帯

「もう寝るの?」
「いや、まだ寝ないよ。けど俺はパーティーピープルじゃないから。」
「西洋人はみんなそうだよね、面白い。」

「みんなじゃないわよ。私がここにいるから。」
「年齢によるわよね。」


2/15

昨夜、ペナン島の宿で少し話したサウジアラビア人のムハンマドがちょうど国立公園に行くつもりだと言うので一緒に行くことにした。
公園へ向かうバスのなかでは宗教観の違いを垣間見た。
人は食べ物の消化や、まばたきを自分でしようと思ってやってるんじゃない。これはどう考えても自然に出来るようになったものじゃない。
そう彼は言った。

神の存在を信じないでどうやって生きていくのかも分からないという。

ムスリムは一日に五回の礼拝をするよね?君もするの?
するよ。宿を出る前に5分だけ待ってもらったでしょ?その時にしたんだ。

サウジアラビア人の旅人はやはり珍しいようで、宿に帰ってからも他の西洋人達と彼の国について色々と話をした。

公園についてはそこまで印象深くない。
ただ森の中の海沿いの道を歩いて綺麗でもないビーチに猿がいくらかのさばっていただけだった。


2/16

10人部屋のベッドに一人、日本人が入ってきた。
60近いおじさんだ。
彼はおしゃべりで少々おせっかい焼きというか、ちいさな親切おおきなお世話というか。

そんな彼は今日、海外で知り合った日本人の仲の良いおじさんとお酒を飲むらしく、誘われた。
特に断る理由もないので承諾し、一緒に集合場所へ向かった。

陸路でヨーロッパまで行くと伝えると、今はアジアの航空券は安いから飛行機のほうがいいよだとか
お金が無くなれば旅は終わりですと伝えると、そういう貧弱な考えはやめて旅先で稼ぐとかしないの?だとか
俺は色んな国の色んな女を買っただとか
若いころに2億を3年で遊びに使っただとか

そんなしょーーーもない話を聞いて時間を無駄にした。
これからは日本人のおじさんとはつるまないようにしようと思う。


2/17

昼にペナンのバスターミナルに行き、クアラルンプールへ向けて高速バスは動き出した。
出発は30分ほど遅れただろうか。値段はおよそ1000円ほどだ。

事前情報として東南アジアのバスはエアコンが効きすぎていると把握していたので長袖のシャツを着ていたのだが、それでも寒すぎた。
ちょうど風が左肩に当たり、熱帯の国で凍えるとは思わなかった。
高速道路は綺麗に整備されておりバスの旅は快適であった。

雨のなか夕方にクアラルンプールへと到着し、Grabで宿へと向かった。
しかしこの宿が少しパーティー気があって失敗した。
そうなると自分自身の気分も反比例して下がってしまってなかなか楽しめなくなってしまう。
しかし宿は実際に入ってみないと分からないものなのでそのあたりは難しいところだ。

同室に中国人のチャンさんという27歳の男がいて、彼と少し会話をした。
中国と日本について、我々の世代が今までのお互いの関係を変えていけばより良い世界になると彼は語った。
チベットの件について、俺はダライ・ラマ自伝で読んだ通りの話をすると
「それは半分正しくて、半分間違っている。」
と、中国側の常套句を並べた。
何が本当かは分からないが、何を信じるかは生きてきた国によって大いに変わるのだろう。


2/18

朝早くチャンさんはダイビングの地へと向かった。
またクアラルンプールに泊まるから会えたら会おうと言って。

昼まで寝た後、近くの大きなショッピングモールを散策した。
クアラルンプールは多様な民族性を感じることが出来る都市だ。
インド、中国、アラブ。観光客は世界中から来ている。
よってお店なんかは基本的に英語が通じる。
今のところバンコクもペナンも英語が通じたが、これから行く場所は通じなくなってくるのだろう。不便だが少し楽しみでもある。

明日はクアラルンプールの無料市内巡回バスに乗って市内を廻ってみようと思う。


暑いなか凍える肩で見る窓に
大きな雨粒異なる気候

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