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3/2マレーシア マラッカ 夕方のスコール

写真でのメニューが無くてもおおよそこんなものだろうと見当がつくようになってきているので、カレー屋へと避難して雨が止むのを待つ。
牛肉が入ったカレーがあった。店員の彼らは食べないまでも多国籍国家ならではのメニューなのだろう。
柔らかい牛肉を頬張りいつものようにコーラも飲み終え煙をくゆらして空を眺める。東の空は既に所々青くなってきていた。


2/28

宿の洗濯機が1回150円ということで手洗いの難しいシャツとジーパン、日本から着てきたヒートテックも洗濯した。
ドミトリーのエアコンはいつでも付けていていいよとは言われたものの、アットホームなこの宿でスタッフの彼らがエアコンの無いロビーにいる中で自分一人だけエアコンを回しっぱなしにするのも気が引けて、暑いのを我慢しながら、煙草を吸いながら、ペルシャ語のテキストを読みながら、時間を潰した。

15時を過ぎた頃、まだまだ日差しは衰える様子を見せないが自転車を借りて海へせり出しているという有名なモスクまで行った。
大きな通りでも歩道が無かったり、歩道があっても自転車をいちいち持ち上げなければならない場合がほとんどであった。
しかしマレーシアの運転手たちは歩行者や自転車に優しい。わざわざ止まってくれたり渡るのを待ってくれることが多い。

モスクまで到着したがもちろん半袖半ズボンという恰好なので中へは入らなかったが写真だけは撮った。特に感想もないまま。

あれだけ強い日差しを延々と垂らし続けていた空が、少しずつ鼠色へと変わってきていたので早々に引き上げることにした。
モスクを出ると腕や足に冷たいものが当たり始めた。段々とその間隔が狭くなってきたところで、近くにカレー屋があったので避難をすることにした。

メニューはないがいつも通りロティでカレーを食べよう。
よく諸所の映像で見るような、バケツをひっくり返したような、とまではいかない洗面器をひっくり返したレベルの強い雨が地面、車、屋根を叩く。
カレーはチキンもあったがビーフも用意されていた。ヒンドゥー教徒であろう店員達はどんな思いで扱っているのだろうか。

ナンやロティを頼むと無料のベジタリアンカレーも付いてくる。
ジョホールバルで食べたそれとは味が違っていて、草っぽい風味が強くあまりおいしくなかった。
会計が終わってもまだスコールの尻尾を引きずるように名残雨がパラパラと降っていたがいつまで待てばいいのかも検討がつかないので自転車を漕ぎ始めて宿へと帰った。


3/1

昼前、宿から歩いて15分のところで海を見た。
ここから見えるのはマラッカ海峡。勉強不足で名前しか知らない。
バルチック艦隊が云々。

夜までほとんど何もせず時間だけが過ぎていく。自分だけが取り残されているという考えは全く浮かばない。ここに花があってもそれは咲かないし枯れないだろう。そう思うほど時間はひとりでに進んだ。

金土日にメインストリートで開かれる週末のナイトマーケットがある。
各所で夜市には行ったが、正直どこもそんなに変わり映えのするものでもないし腹が減ってるわけでもお土産を買うわけでもない。
だが暑さも和らいだし写真も撮れればいいかなという気持ちで足を向けてみた。

結果的には大いに楽しめた。カメラがあるとだいぶ違うことに気付いた。
別に写真好きというわけでもないが最近のカメラは非常に高性能で撮る人間の技量はある程度ごまかせる。
撮った写真を見返すとまた楽しかった。今後カメラの出る機会は今までよりも多くなることだろう。


3/2

果てしなく思えるほどの真っ直ぐな道を、自転車を漕いでいる。
首筋は日に焼けて痛む。
潮風が左の頬を打つのが心地いい。
対向車線の原付は、こんなところを自転車で通る外国人が珍しいのかクラクションを鳴らして手を振ってくれた。

着いたのは潜水艦博物館。潜水艦の中へ入れるという。
目の前にすると大きさに驚いた。そして中も思ったより狭くなかった。
海がどれだけ大きいかがより分からなくなった。

帰りにだるま食堂「濃厚豚骨ラーメン」の文字が見え、期待せずに入店し食べてみると思ったよりも美味しくてつい笑ってしまった。
近くに住んでいたら週に一回は日本を求めてやってきてしまいそうなほどであった。


絶え間ない日の目を受けて焼けた肌
サンダルの中入る砂粒

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