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日本旅〜2018夏の長野編その1〜

日本アルプス、燕岳(つばくろだけ)に行ってきた。
行ってきた、というより登ってきた。

燕岳の玄関口、長野県安曇野市までは名古屋から高速で4時間程度。安いレンタカーやさんで借りたパカパカな車で、まだあたりが明るくなりきらないうちに家を出る。友人の藤咲と二人旅。彼とは去年も同じ時期に長野を旅したので半ば恒例行事化しつつある。

(中略)

登山口の駐車場に車を止めて荷物を整えていると、ちょうどふたつ隣の駐車スペースに車を入れていたいかにも山慣れしています!という風貌の男に藤咲が声をかけた。なんの気ないコミュニケーションのつもりだったんだろう。

「けっこう登られているんですか?」

「はい!今は仕事を辞めて日本中の山を登りまくってるんですよ」

(仕事を辞めて、日本中の山を!?・・・”けっこう”っていうか山の魅力に憑りつかれてるレベルでは)

「ここの山ってどうですかね?登りやすいですか?初心者向けなのかなと思ったんですが…」

「そうですね。ここは比較的登りやすいほうかもしれません。ただ、登山口から1300mくらいは登るんで、それなりに大変さもあります。気を付けて下さいね。」

そう言い終えると同時くらい。我々の姿を二度見した彼はこう言った。
「え!?まさかその恰好で登りませんよね?」

・・・。

「えっとー。着替えます。今から着替えるんですよ!」

(嘘ではない。今から着替える。着替えるが、、、たいした装備は持っていない。ユニクロのスウェットしかない。)

「綿の素材はだめですよ!汗吸って重くなるので。」

「これ、、、あの、、大丈夫です!」
(本当は、綿100です。)

それから5分間ほど、日本の山登りまくり男からのレクチャーは続いた。
「あっはっはっ!そんなことじゃ途中で動けなくなって、ヘリでレスキューですよぉ~^^」

(あっはっはっでは済まない)

「バックパックとかちゃんとしたの持ってきてますか?」

「あ!!あの、それは大丈夫ですよー!」

(私はシティ向けのリュック(ただし防水ですよ!)、藤咲に至っては、自作のフルレザーのリュックだった。(藤咲は革作家))

長い長いレクチャーを終えて、山登りまくり男が去ると藤咲が「まさか自分で作ったレザーのリュック持ってきました!とは言えなかったわ。」とささやいた。

この登山、、、本当に大丈夫なのだろうか。。
俺たち山をなめていた説が流れ出したところで、つづく。



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