伝えたいこと

この頃、うちの娘が「私は病気かもしれない」と言うから「なぜ?」と、聞いてみると、「(胸に手を当てて)ここで感じていることと、お口から出てくる言葉が違ったり、(同じく胸に手を当てたまま)ここで思っていることがうまく言えなかったりするの。」と、言うんです。

これは、とある国語のワークショップの最中に、とある母親から聞いた話だ。

なんだか大事なことを聞いた気がして、よく覚えている。


ここ(ハート)で感じていることと、頭で考えていることの分離をその子はまさしく今経験していて、それを「病気かもしれない」と言う風に語っているのだ。

そっと彼女に近づいて「いいぞっ」と言ってあげたい。その分離をちゃんと覚えておくんだ。

大人になるにつれて、ほとんどの人がこの事実を忘れてしまうような気がする。ここ(ハート)で感じていることは”そのもの”であり、それの情報量を圧倒的に落として、過去として語るのがお口です。頭です。

”ここ”で感じてることは伝えるというよりも伝わってしまうと思う。それは相互に言語的な情報処理が行われない場合でも、距離が離れている場合でも。

だからといって伝える努力はしなくていい。なんて言うつもりはさらさらなく、感じていることをしっかりとすくい上げた言葉は、きっと受け取りやすいボールのようなものだ。

わかっていたって、キャッチボールはしたい。

ボールを投げてもらえるのは嬉しい。

でも、
投げたのは、あなたがグローブを構えてくれたから。

せす。


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