7月14日のこと

クレマチスの丘は三島駅からバスで20分ほど。名前の通り、小高い丘の上にある美術施設で、緑豊かな園内には、ショップやレストラン、いくつかの展示会場やホールが点在する。三島駅に着いて、前々から再訪したいと思っていた蕎麦屋へ行く。道中、町の中を流れる小さい川で子供たちが夏休みらしい恰好で、夏休みらしい水遊びをしている。そういえば、以前に三島に来た時は春先で、夏にこのあたりを歩くのはきっと気持ちがいいだろうなと思っていたのを思い出す。三島は街の中にいくつのも綺麗な小川が流れている。


駅からクレマチスの丘行きのシャトルバスに乗り込む。運転手さんが、幾度となく繰り返したであろう滑らかな語り口のアナウンスをしてくれて、それがひとしきり終わるとちょっと軽快なBGMが車内に流れる。バスでBGMとは珍しい。同じところにきっと同じ目的で行く見知らぬ他人たちとの車内の時間。


着いたらまずはミュージアムショップに。帰りはきっと時間がなくなってしまうからしっかり選べるうちに買っておきたい。写真集や画集がずらりと並んでいて、あれもこれもと思いながら、なんとか本日泊めてもらう友人へのお土産を選び、自分用にポストカードを数枚買う。このポストカードはいつか誰かへの手紙として使うだろうか。

外に出る。とても暑い。頭の上がじりじりとする。こんなんだったら帽子を持ってきたらよかった。後悔の念を抱きながら園内を移動して写真館に向かう。


帰りのバス。外部の連絡やらの雑踏に巻き込まれる前に、展示から受けた感じをもうしばらくは留めておけるといいのだけど。バスはあっという間に三島駅に着く。JRの在来線に乗り換えて、湘南方面へ。

伊豆の海沿いをゆく東海道線の車窓から見える水平線が綺麗で、窓にへばりついて何枚も写真を撮った。



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