誇らしげだった。

まぁちゃんの文章がおもしろくなったように感じたので、本人に「おもしろくなったね」と伝えたら、みほちゃんにもらったひとつのアドバイスを忠実に実行している結果なのだと教えてくれた。そのように語る彼女の顔は少し誇らしげで、その印象がこころに留まっている。

そういえば、文章表現の話題の中で彼女がこんな顔を見せたのは初めてかもしれない。理学療法士である彼女は身体や筋肉、スポーツの話になるとマイクを突然掴んで離さないみたいなところがある。わかる人にしかわからない比喩だけど、こち亀に出てくる本田を彷彿とさせる(普段はなよなよしている本田はバイクのハンドルを握った瞬間に人格が変わる)。先日も不用意に彼女の前でスクワットらしい動きをしてしまったが最後、正しいスクワットのやり方についてみっちりとご指導をいただいた。彼女の前で筋肉や腱、関節の名前などを出すと彼女の身体がピクリと動く。これは冗談でも誇大表現でもない。それだけ彼女は肉体というものに魅せられている。

そんな彼女だが、文章を書くということに関しては、突如として及び腰になる。「あぁ、、えっと、、感じていることを言葉にするのが苦手で。。。」まぁちゃんよ、先ほどまで筋肉トークにぶっ放していたマシンガンはどこにしまったのだ。

だからだろうか。あの時の彼女の表情や声色はなんだかこころに残っている。あれは良いアドバイスをくれた友を讃える嬉しさであったような気もするし、糸口を見つけた喜びかもしれないし、成長に対する喜びかもしれない。はたまた「おもしろくなったね」という賞賛の言葉への素直な反応だったかもしれない。自分が何かを変えてみて、それがしっかりと良い変化として他者に伝わることには喜びがある。

その感じについて詳しく尋ねた訳ではないから、推察に過ぎないのだけど。まぁでもいい感じであった。

愚直にやり、変化を作り出す彼女は素晴らしい(素直さは人生を通して有用な資質だと思う)。彼女に適切なアドバイスをおくったみほちゃんも素晴らしい。二人が出会えてよかったと思う。



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