コインランドリーショートトリップ

この週末は諸処の予定もあり、東京で過ごした。滞在の間、これまた友人宅にお世話になっていた。友人宅とゆっても、その友人も、二拠点居住の片側としての東京拠点を借りているような感じで、家の中にある家具は布団のみのすっきりした場所。場所は中目黒。

中目黒駅から徒歩5分というすごい素敵な立地にありながら、こんなにがらんとしていいのだろうか?というぐらいに部屋の中はフラットだ。土地柄、マンションの周りはこ洒落た店が多く、歩いているだけで自分もおしゃれになったような気分がしてくる。

2泊させてもらったけれど、友人とは入れ違い生活だった。2泊目の深夜に手短にお互いの近況を報告しあうなどした。

泊めてもらったせめてものお礼に「洗濯をするよ」と言った。前述のような状態であるから、部屋の中に洗濯機はなく、歩いて5分ほどのところにあるコインランドリーで洗濯と乾燥をしているそうなので、洗濯ひとつもけっこう手間なはずだ。それを肩代わりできるのであれば、少しは貢献になるような気がした。


日曜日の午前中、まだ起き上がりきっていない中目黒の商店街を、極彩色のTシャツ(友人の服)と、ピンクの迷彩のハーフパンツ、黒い帽子にサングラス、洗濯物がたっぷり入った白いゴム製のランドリーボックスをお腹の前で抱えている不審極まりない人が僕である。誰かに写真を撮ってもらいたかった。写真を撮ってもらいたいと思う時はたいてい一人で妙な格好をしている。


コインラインドリーに着くと、300円の洗濯機(サイズ中)と、500円の洗濯機(サイズ大)があって選択を迫られる(洗濯だけにね)。いったん、300円のほうに洗濯物を全て入れてみる。入りきらないことはないが、けっこうなぎゅうぎゅう具合だったので、500円のほうに移し替えて100円玉を5枚投入。洗剤を入れて、ボタンを押した。デジタルの赤い数字で35という表示が出て、機械が駆動しはじめた。35分か。。それくらいなら、その場で待とうと思ったけれど、コインランドリーが思いのほか暑い。入口は開けっ放しだし、空調設備もなく、まぁ外の日陰と同じようなものだった。ここに35分滞在するのはちょっと危険だなと思いとどまり、また家までの道のりを戻る。


家に戻るとひんやりとした空気が迎えてくれる。残り30分、また向かうのに5分かかるから25分間ここに居て、またコインランドリーに行けばよい計算になる。25分というのは何をするにも中途半端だ。。特にしたいこともなかったので、お香を焚いて、横になった。東京香堂のロータスの香りが鼻に届くと気持ちが水平にひろがる。いつの間にか意識を失って、携帯のアラームの音で覚醒した。


都合3往復目、乾燥機から取り出したふかふかな洗濯物を丁寧にたたむ。タオルはタオルの、TシャツはTシャツの決まったたたみ方で揃えていく。家に帰ってからたたむのではなく、この場でたたんで帰ることが大事である。整った状態のそれを家に持ち帰り、タオルやTシャツを所定の位置にしまう。空になったランドリーボックスを元の場所に置く頃には昼になっていた。

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