7月14日夜から15日までのこと。

友人の家に着く。まだ家主は帰宅しておらず、主不在の空間に勝手にあがりこむ。へとへとだったので、ひとまず着ているものを全て脱ぎ、シャワーを拝借する。少しさっぱりするが、家の中の空気はけっこう熱を持っていて爽快とはいかない。時間はたしか20時前。暑さにいたたまれなくなって、近くのファミリーマートにアイスを買いにいく。ガツンとみかんと、なんとなく飲みたくなったカフェオレを買う。結局カフェオレのほうから飲みたくなっちゃって、アイスの前にカフェオレを飲む。程なくしてお腹が痛くなる。アイスは封を開けないまま友人宅の冷凍庫につっこんでおいた。

夜の海沿いの街の空気。海から吹き抜ける風が日中の空気を流してくれるみたいで、適度にけだるく、適度にぬるい。

友人がまだ帰って来ないので勝手に掃除をはじめる。あれこれ中途半端に散乱しているものを仲間毎にまとめながら、不要な物は捨てていく。必要なものと不要なものを分けては、適正だと思われる位置に戻す。最後に床に掃除機をかける。かなり年季の入ったこげ茶のフローリングには無数に傷がついていて、アトリエにはぴったりだと思う(実際に友人は一室をアトリエにしている)。気の済むところまで掃除して、ソファに寝転ぶ。開いてる窓から、前の通りを通過する人たちの会話が聞えてくる。少し揚々としている。


鎌倉からの帰りは終電だった。JR鎌倉駅からJR勝川駅への終電は21時20分。夜21時まで遊んだって名古屋の自宅に帰れてしまう。鎌倉から品川を経由して東海道新幹線に乗り込めという乗換案内指示。神奈川県にいるというのに、いったん品川まで行かないとならないなんて不服だ。しかし諦めて電車に身を揺られるしかない。品川駅に着いて、名古屋への最終のひかりに乗り込むも、満席。車両と車両の間のスペースをむしろとする。これまた不本意だけどこれが三連休中日の終電のかくあるべき姿だという気もする。エグザイルのコンサートタオルを巻いている中学生くらいの女の子の二人組が隣にいて、彼女らは静岡駅で下車した。


帰りの電車の時間で復習をする。あの人のあの言葉、あの人のあの時の顔、自分の振る舞い。真直ぐこちらを見ながら「先のことは考えていません!(笑顔)」と言った彼女はたくましかった。

「次にどこに住もうか悩んでいる」という話をしたら、5日前に北鎌倉に引っ越した彼女は「隣の部屋空いてますよ。家賃5万円。」と言っていた。聞けば、アパートは山の中で圏外。ホステルで朝食を作る仕事をしているから、朝早く起きて街に下りてくる。すっごい健康です。笑顔。とのこと。住む場所としての鎌倉。海も山もある。そういえば鎌倉に幕府があった理由も地形的に要塞みたいだったからなんだっけ。山の中に作られている切通しの道を歩いたいつかの修学旅行を思い出す。カルチャーもある、東京にだって出れなくはない。お寺も沢山あるので座禅だってできる(するのか?)。海の街の良さを味わいながら、夜の山の闇の中で眠れるなんて。イヤホンを外す。新幹線はもうじき名古屋駅に着くところだった。


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