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気がつけばお寺の住職①

伊豆から茨城の大子町に戻って、バタバタしていました。

草刈り、掃除、郵便物の処理•••等々、一人で住んでいますので、寺を空けると、いろいろとやることが溜まってしまい、一日、一日があっという間に過ぎていきます。

一日の終わりに布団の中で、ふと思うことがあります。

「なんで自分はこんなところで住職をしてるんだろう?」

思えば、ある時期まで仏教に興味も、縁も無かった自分が、今、こうして住職として、お寺に一人で住んでいるのが不思議です。

20年くらい前、たまたまあるお坊さんの話を聴く機会がありました。


お釈迦様は一切皆苦とおっしゃられた。
ここでいう「苦」というのは、私たちが普段使っている「苦しい」というより、「思い通りにならない」という方がニュアンス的には近い。
だから、お釈迦様が、私たちにほんとうに伝えたかったのは•••

世の中は思い通りにはならないんだ

っていうことなんです。
なのに、人間は、どうしても思い通りにしたがるから、「苦しい」と感じるんです。


だいたいそんな感じのお話でした。
仏教に対して全く知識もありませんでしたが、このお話には衝撃を受けました。

なぜかというと非常に合理的だからです。
仕事をしていて、何か問題が発生すると、その原因を特定し、解決策を見出そうとします。
そんな慣れ親しんだ問題解決のプロセスと同じ思考が感じられたからです。

今から思えば、これが、自分と仏教の出会いだったように思います。

宗慧

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