チャーンレート1%未満を実現するための4つのTips

こんにちは!
株式会社カンリーで、カスタマーサクセス(以下、CS)チームの統括を務めている執行役員の石井(@katsunori35)です。

ずっと何らかの発信をしていこうと思いつつ、がっつり記事を書く時間も取れないなーとサボっていましたが、CS HACK Advent Calendarの企画に乗っかり初noteを書くことにしました!
よろしければ最後までお付き合いください。

カンリーについて

本題に入る前に、カンリーについて簡単にご紹介させてください!
カンリーは創業5期目のスタートアップで、メイン事業である「Canly」はコロナ禍で誕生(2020年7月リリース)しました。

緊急事態宣言が続いた期間があったにも関わらず、おかげさまで順調に導入店舗数は増えており数十〜数百店舗単位で展開しているエンタープライズ企業を中心に2年強で国内外40,000店舗にご導入いただいております!
この成長を支えているのは信頼できるセールスチームはもちろん、徹底してお客様に向き合い続けているCSチームの存在が大きいと感じています。
今回は顧客がツールを導入する動機となった目標の達成を実現するために、CSチームが実施してきたことのエッセンスをご紹介できればと思っています。

導入企業の一部抜粋

低チャーンレートを実現するためのTips

カンリーのCSチームはサクセス担当とサポート担当の合計10名ほどで構成されており、原則ハイタッチでサクセスを行う体制となっています。

プロダクト立ち上げ当時はSaaSビジネスの経験があるメンバーはほとんどおらず、前提知識がない状態から「如何にプロダクトを通じた提供価値を最大化するか」にフォーカスして取り組んでいた結果、タイトルにある1%を”大幅に下回る”チャーンレートを実現しています。

その取り組みの中で意識していたポイントは以下です。

1.導入企業のオペレーションに対する理解を深める

一般的にエンタープライズがSaaSを導入する際は複数部署、複数担当者の方が関わることが多いと思います。カンリーも例外ではなく、機能によってマーケティング部門の方が使用することもあれば、情シス部門の方が使用することもあるなど、導入企業側の社内ルールにより「どの部署の」「どんな役職の方が」「どういう役割で」使用するのかは様々なケースが想定されます。

他方、ツールベンダーとしては提案内容を平準化する方がオペレーションコストが抑えられるため業種や企業規模などでグルーピングし一般化したくなるのではないかと思います。

しかし、同業種・同規模の企業であっても組織構造やオペレーションの実態は大きく異なります。これを理解した上でお客様に合わせた最適な提案ができなければ思うように活用できずにチャーンを迎えてしまうため、企業に合わせて個別化した提案を行えるかはエンタープライズにおけるSaaS導入の成否を決めると考えています。

ただオペレーションの把握は難易度が高く、ヒアリングをするだけでは体系的な理解が及ばないこともあるため、カンリーでは顧客理解のために様々な取り組みを行い、顧客の解像度を高めています。以下はその一例です。
・CSHarmony社との取り組み

・顧客理解を促す「テン活」という福利厚生サービス
実際に顧客のお店のオペレーションやサービスを肌で感じてもらうため、顧客の店舗を利用したときの料金の一部〜全部を補助する「テン活」という福利厚生制度も今年から導入しました。

2.ステークホルダーの理解を深める

上記と関連する部分もありますが、ツール導入のプロジェクトに関わるステークホルダーの相関図やそれぞれのインセンティブを把握することは、ツール導入の成否を決める重要な要素になります。
特にエンタープライズ企業であれば関与する担当者の人数も多く、場合によっては複数部署にまたがることもあるため、日常業務のどんな場面でツールが利用されるのかはもちろん、それぞれが抱えているペインや描いているゴールを把握することが容易ではありません。

Sansan株式会社の山田ひさのりさんにより、CS界隈ではライトサクセスとディープサクセスという考え方が広まっていると思いますが、まさに以下の記事にあるように「現場担当者の叶えたい状態」と「経営陣が叶えたい状態」は完全に一致しないことも多く、この構造を把握しそれぞれが達成したいゴールを正確に把握し実現できるか、がCSチームの腕の見せ所になると思います。

ターゲットの企業規模が大きくなればトップ商談により導入が決まることも少なくないため、必ず導入の意思決定が行われた背景や現場のペインをそれぞれ理解する必要があります。

3.「ドン引き」されるほどのサポート体制を構築する

次のポイントとなるのがサクセスではなく、サポート体制です。
カンリーでは「ドン引きされるサポート体制を構築する」という合言葉の下、サポート専任チームが問い合わせ対応など受動的なアクションのクオリティにもこだわり、徹底してツール利用のハードルを下げる取り組みをしています。

カンリーの利用者には店舗で働く方々も含まれます。普段業務の中で様々なツールに触れている本社のマーケティング部の方々とは違い、現場の方々にとっては新たなツール導入は大きなストレスになります。ツールを使おうとして不明点が生じてしまうと、苦手意識が芽生えてしまうというのはあるあるではないでしょうか。

一度苦手だと認識された後にツール利用を浸透させるのは、まっさらな状態で促進するより遥かに難易度が高くなってしまいます。初めてツールに触れた際、スムーズに疑問点を解消できる問い合わせ窓口やヘルプページなど活用ハードルを下げるサポートの取り組みは、サクセスに直結する非常に重要なアクションとなります。

顧客アンケートでは「サポート体制が優れている」という声を多数いただけるようになり、実際に「カンリーさんのサポート体制は(良い意味で)異常だと思う」という嬉しいお言葉をいただけるまでになりました!

4.お客様の真の理想に向き合う

最後のポイントはお客様から出てくる要望に合わせるのではなく、時にはお客様の意見とぶつかってでも真の理想状態を実現するための提案ができているか、という点です。

具体的に記載するのは難しいですが、例えばお客様から「いつもInternet Explorer(以下、IE)を使っているからIEでも使えるように対応して欲しい」といわれたとき、どう対応するのが良さそうでしょうか。(2年前に実際にあった話ですが、現在はサポート終了してるからこんな問い合わせ来ないよね、というツッコミは無しでお願いしますm(_ _)m)
もちろん、変な解釈をしてお客様に迷惑を掛けるよりは、お客様の言葉を額面通りに受け取り、対応することも大事ですが、我々は「お客様も気付いていない真の理想を実現するのがCSの役割である」という考え方に基づき「IEは既にサポート終了が決まっているため、カンリーも対応している別のブラウザを使用して欲しい。慣れているツールの方が使いやすいのはわかるが、中長期を見据えて変更すべきだ」というような提案を行いました。
一見するとお客様のご要望に対して異を唱えているようにも見えますが、短期最適に甘んじるのではなく、真にあるべき姿をお客様に伝え納得していただくことはサクセスの実現には必須です。

上記以外でも、カンリーの場合には「店舗の現場担当者は接客など目の前の業務で忙しいので新たなツールは使わせたくない」という声をいただくこともありますが、現場の方も巻き込み組織全体として活用することでツールを通じたアウトカムが最大化すると信じているため、引き下がるのではなく何とかツール活用を実現する余地がないか最後まで可能性を探りに行きます。

上記はCSチーム独自の考え方ではなく、カンリーのバリュー(行動指針)の1つである「お客様の理想から入れ」の精神に基づいています。お客様の目の前のご意見に迎合するのではなく、お客様自身も想像できていない「本当の理想的な状態とは何か」を考え抜くことは組織のDNAになっています。

おまけ

最後までお読みいただきありがとうございました!
当然ながら現在の体制にも改善点はたくさんあり日々取り組んでいる途中ではありますが、これまでの取り組みが少しでも参考になれば嬉しいです。

またカンリーでは全方位でメンバーを募集しています!
一緒に店舗ビジネスに変革をもたらしたい方はいつでもご連絡ください。
まずはカジュアルに話を聞いてみたい、という方も大歓迎です!


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