Katsuya Shiratori

University of Illinois Urbana-Champaign Phy…

Katsuya Shiratori

University of Illinois Urbana-Champaign Physics大学院生.専攻はナノプラズモニクス. 「これ,研究に活かせそう!」という視点でビジネス書等の書評を投稿します!

最近の記事

Apple Vision Pro返品前に自問したこと7

はじめにAppleがSpatial Computing第一世代として2024年2月2日に世に送り出した「Vision Pro」をMacBookの屋根でお馴染みApple Store Chicagoでの無料デモをきっかけに3月9日に衝動買いしてしまった. 費やした額は$3928 (59万円)である(日本円にすることでさらなるダメージ). ーー購入金額内訳ーー Apple Vision Pro 256GB $3499 + Tax $358.66 = 3857.66 ZEIS

    • ブルーロックから学ぶ海外院留学スピリット

      青い監獄(ブルーロック)とは?絵心甚八は,「サッカーは相手より多くの点を取るスポーツだ.」「革命的なストライカーたちは皆,稀代のエゴイスト.」「世界一のエゴイストでなければ,世界一のストライカーになれない.」「日本サッカーに足りないものはエゴ」だと喝破する. 青い監獄(以下,ブルーロック)とは,日本サッカーがW杯優勝するために革命的なストライカー(エゴイスト)を誕生させるための実験施設である. 全国から集められた高校生FW300人がU-20日本代表FWの座をめぐり,様々

      • 「世界で一番,留学の熱い場所」XPLANEを白鳥なりに応援したい

        XPLANEとは?留学生は「孤独」である. そんな「孤独」を物理的な距離を越えて解消しつつ,日本を飛び出し世界中で留学をしている面白い人たちとお近づきになれるプラットフォーム. その名も,海外大学院留学支援コミュニティXPLANE.  白鳥は,この「世界で一番,留学の熱い場所」を応援したい. なぜ応援したいと思うのか?恩送りの社会実験 白鳥が応援したいと思う一番の理由は,支援された学生が翌年に支援者にまわり,それが繰り返されるような恩送り(Pay Forward)の

        • プロフェッショナリズムの精神と研究の技法

          ビジネス上の「問題解決」を担うプロフェッショナルがコンサルタントで,サイエンス上の「問題解決」を担うプロフェッショナルがサイエンティストだと考える. クライアントとコンサルタントとの関係は,問題解決という点で,PI(Principle Investigator)とRA(Research Assistant)との関係に似ているところがあると思う. とすれば,整理された方法論が豊富なコンサルタントの現場からきっと学ぶことがあるだろうと本書を聞いた(Audible). そして

        Apple Vision Pro返品前に自問したこと7

          天地自然とつながる呼吸

          言われてみれば,生まれてから毎日欠かさず続けている唯一の行動が呼吸である. 「緊張したときは深呼吸」というのが母の知恵であるが,それ以上の具体的な解決策を本書は提案する.それが「気の呼吸法」だ. 「気」というとマンガの世界のものに聞こえるが,私たちの気は天地自然の気の一部であり,気はぐるぐると循環している(気が通う)と著者は言う. 昔の日本人がそうした考えを持っていたからこそ,我々の身の回りに「気」を使った概念や言葉(気になる,やる気,天気,電気など)がかなり多いことに

          天地自然とつながる呼吸

          「真実」へのとどめの一撃:統計学

          研究背景や測定方法は違えど,実験結果や結論を考察する(仮説検証・再現性確認)ためには統計学が必須であることは,どの分野であれ,共通である. 統計学を学ぶことは,そうした世の中の重要な研究結果を解釈する術を与えてくれるばかりか,真実により一歩近づくための最速で最善の手段となる. データから何らかの違いを生み出す原因を導出でき,説得力を飛躍的に高める統計学は,サイエンスのみならず,ビジネスでも強力であり,もはや最強の学問であると著者は説く. 良く言えば長年の勘や経験,悪く言

          「真実」へのとどめの一撃:統計学

          「まぁ,とりあえず頑張るか」の前に!

          空き瓶に小さな石から入れると,大きな石を入れるスペースがなくなってしまう.しかし,大きな石から入れれば,小さな石まで入れることができる. この有名な話は大きな石理論として知られ,「優先順位が高いものからやらないと後でできない」ということを言っている. では,大きな石がたくさんあった場合,どうすればいいのか? 努力をせずにスマートに結果を出す「エフォートレス思考」が著者の答えだ. 努力は美徳だが,努力しなくても良いようにする方法があるなら,それに越したことはない.本書は

          「まぁ,とりあえず頑張るか」の前に!

          回復の呼吸をマスターせよ

          誰しも学校で休み方なんて学ばない.休日になれば,みんな自然と休みになるし,仕事から離れることこそを休むことと考える. しかし,ストレスの多い忙しい日常から少し休日を得ることで本当に「休む」ことができるのだろうか? 本書では,どのくらい休むかではなく,どう休むかが重要と解き,具体的な7つの脳の休息法を提示する. 脳の休息法1:マインドフルネス呼吸法過去の失敗や将来の締め切りなど,過去や未来の出来事のことを常に意識してしまうと脳は疲れる. 「今,ここ」に意識を向ける方法こ

          回復の呼吸をマスターせよ

          イシュードリブンな方法を高速で回せ!

          本書がすすめる問題解決技法の流れ「本当に解く価値のある問題」を「イシュー(Issue)」と定義し,それらを実際に解く前に見極めるイシュードリブンな方法(第1章)から始める.そのイシューを分解したサブイシューを解決しうる仮説(Hypothesis)を考える仮説ドリブンな方法を通して,ストーリーライン(第2章),より視覚的な絵コンテを作る(第3章).ここまで考えて,ようやく実際の分析を始める(第5章).最後にストーリーライン,絵コンテ,それらの分析結果をまとめて,人に伝える(第6

          イシュードリブンな方法を高速で回せ!