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ひとりごと#67 電子の波間に浮かぶものは永遠ではない

電子書籍で食い繋いでいる身でこれを言うのはなんなのですが、現実問題として電子の海に揺蕩う創作物は永遠にそこにあるわけじゃないので……

旧ツイッター(現X)で見かけた話です。多分ネットで小説なり漫画なり絵なりを見ている人は結構経験率高いと思うのですが、ブクマしていた好きな作家さんのアカウントが消えていた……って話。
とってもよくある話ですね。
あるあるすぎて、それに多くの共感の返信が付いてました。

さて。
私、消えたものを嘆く気持ちもわかりますが、消える気持ちと事情もわかります。
以前、チラッと書いたこともあるのですが。

理由は様々ですが、負担の解消のために消さざるを得ないこともあるんですよね。
そして、どうしても自分の痕跡を消したいこともある。
私は、何度か過去のペンネームを捨ててきたことがあります。
黒歴史を捨てる……だけでなく、トラブルだったり、人間関係だったり、自分の気持ちだったり、一緒に捨ててきたものは色々です。

あと、自分の意思に関係なく「サービスの終了」という強制消除もあります。
以前二次創作SSの公開に使っていたブログがサ終したことがあります。引っ越しできるならしようと思っていたのですが、私の拙い技術ではどうしても希望通りにできず、諦めたことがありました。
そのブログに載せていた話は、そういう時もあるだろうと、WEB再録同人誌として発行し、希望者には頒布していたので、最初からどうしても欲しいと思ってくれた人の手には残っていると思います。
(超マイナージャンルだったため、紙の同人誌で出すってことがそもそも……って中で、格安オンデマ印刷で頑張ったのよ……)

ただ、ブログのサ終が明らかになった時に、通販の申し込みが殺到し、忙しい中お問い合わせに先着で在庫あった人には「通販のお知らせ」を、ない人には「再版しないと数が足らないので時間がかかる等」と返信したのち、「可能であればブログの引っ越しをする」と公表したところ、通販問い合わせをしてきた誰からも返信が来なかった……という経験を、最後の最後にしました。
そのわずかなモヤモヤが、「上手くいかないブログの引っ越しにこれ以上時間を割けない」「欲しい人は紙の本で持ってるし」となった際に、手を止めるきっかけにはなった気がします。

割りと些細なことで人は姿を消すんですよ……
という話ですね。
消えたことを嘆く人の責任ではないかもしれませんが。

頑張る(消えない)理由も、頑張れない(消える)理由も、案外些細なことなのです。

商業作品も、電子書店の興亡と共に消えることありますしね。
ましてや無料公開されている作品は、電子の波間に揺蕩う小舟のようなもの。
いつ見失ってもおかしくはないのです。
どうしてもって人は、ローカル保存しておきましょう……
それはそれで、容量と戦うことになるかもしれませんが。


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