見出し画像

『生命の暗号』/村上 和雄

1983年夏、世界に先駆けてヒト・レニン遺伝子の解読に成功した筑波大学の村上和雄教授(現在は名誉教授)のご本なので、さぞかし難しくてチンプンカンプンだろうと気合いを入れて臨んだのですが、とっってもわかりやすく面白かったです!!!

遺伝子には人間が生まれてから死ぬまでの間のすべての情報が前もって書き込まれているのです。こんなに大量の情報がどこからどうして集まってきて、どのような仕組みでいったい誰が書き込んだのか? それを思うと震えるような感動が私の体を貫きました。

超ウルトラミクロの世界を科学的に研究していて、結果、生命の神秘と謎の世界のとりこになってしまう、というのは確かにそうだろうなあと思います。だって、本当に世界のすべては不思議でしかないもの!!

人間の生命についてはまだ判らないことだらけです。それでも私たちはこうして生きているわけです。これは『生きている』というようなものではなくて『生かされている』というしかないことだとおもうのです。

自分で生きている、という気になりがちだけれど、朝目覚めて、自分が指令を出した訳でもないのに心臓が動き、その他の臓器も筋肉も全てが調和して体が動く。それは遺伝子が規則正しく指令を出しているから…。
一体誰がその遺伝子に指令を与えているのか!!??不思議すぎて呆然としてしまいます。

これは、ただごとではありませんよ。人間にはまだわからない『未知の何者か』が遺伝子をコントロールしているとしか思えません。例えて言えば神や仏と呼ぶ存在かもしれないし、大自然の摂理といったものかも知れません。

村上先生はその『未知の何者か』を『サムシンググレート』と名づけていますが、本当にそういった存在を感じながら生きていくというのが、人間には最も必要なことだと私は思います。

良い遺伝子悪い遺伝子どちらもその働きをon/offにするスイッチがあるのだそう。
良い遺伝子のスイッチをonにして暮らしていきたいものです。

こちらの記事がお役に立てたら幸いです!