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私の推しはコレ! 若者がおすすめするエコグッズ紹介

プラスチック製買い物袋の有料化をきっかけに、マイバッグを始め、エコグッズに注目する人が増えてきました。そこで、環境負荷を考えるポイントのひとつとなるおすすめのエコグッズを、Z世代の皆さんに紹介していただきました。お話を聞いたのは、シェアリングエコノミーについても伺った、川崎まりあさん(宮前区/慶應義塾大学大学院)、内山恵太さん(多摩区/専修大学)、小林ひろなさん(川崎区/玉川大学)の3名です。

便利で使っていたモノが結果としてエコに繋がっているのが理想

——2000年から施行された「グリーン購入法」や、プラスチック製買い物袋の有料化をきっかけに、環境に配慮した製品を購入する意識が高まりつつあります。皆さんは買い物をする時、どんなことを意識していますか?

川崎さん:ファストファッションではない洋服を買うようにしています。ファストファッションって安くて気軽に買えるので、学生にとってはありがたいのですが、1回着て終わりということが結構あったんですよ。なので、価格が高くても長く着られる、しっかりした素材の洋服を選ぶようにしていますね。

小林さん:それ、すごく分かります! 安い洋服ってすぐに駄目になっちゃうこともあるし、気に入ったものを長く着続けたいなと思うので、私も素材を意識した洋服を買うようになりました。

内山さん:自分はファストファッションは買う派なんですけど(笑)、モノを買うこと自体が減ってきて、最近はサブスクをよく利用しています。例えば、欲しいカメラがあったとしても、買うのではなくサブスクでレンタルすることが増えましたね。

川崎さん:確かに、今って何でもサブスクですよね。

小林さん:洋服のサブスクもありますしね。“エコだからこの商品を買う”というよりは、金額も含めて“自分に本当に必要かどうか”を考えて買うようになりましたよね。あとは、購入する時でなく、手放す時にフリマアプリで売ったり、お店に設置されている回収ボックスを利用したり、ただ単に捨てないことも最近は心掛けています。

左から 川崎まりあさん、内山恵太さん、小林ひろなさん

——“この要素があれば欲しくなる”というエコグッズ購入の決め手は?

内山さん:自分の場合は“ストーリー”ですね。店員さんと話をして、商品がお店に並ぶまでのストーリーに共感できると買ってみようという気持ちになります。グッズとは違うのですが、自分が住んでいる多摩区にめっちゃ美味しいベーグル屋さんがあって、そこのベーグルは決して安くないのに大人気なんですよ。地元産のこだわりの食材を使っていたり、店員さんが毎日ブログで商品の紹介をしていることもあって、ストーリーがしっかり伝わるんです。そういったところも人気の理由のひとつなのかなと思いますね。

小林さん:心に何かが響き渡ったから買うということを考えると、消費者の心に語りかけるような発信って大事ですよね。その商品が欲しいと思えるようなストーリーがあれば、たとえ値段が高くても、買ったあとに充足感が得られますし。

川崎さん:私の場合もグッズとは違うのですが、実家の近くのスーパーに地産地消の野菜コーナーがあって、実家に帰った時は、なるべくそこに並んでいる野菜を買うようにしています。新鮮で美味しいという理由もありますが、地域貢献という意識が強いですね。

内山さん:めっちゃエコだからこれを買おう! というのではなく、その商品に対して自分の経験や体験が重なったり、生産者や売る人のストーリーが見えるものに惹かれるという感じですよね。

エコグッズで大事な要素はデザイン性と機能性、そしてコスパ

——では、皆さんが愛用しているエコグッズを教えてください。

内山さん:3年前に自分で作ったUSBケースです。気に入ってよく着ていたGジャンをリメイクしました。こういうケースってどこにでも売っていますが、自分が愛用していたものをリメイクしたので、使えば使うほどお気に入りになります。

「愛用していたGジャンをリメイクしたUSBケースは、使えば使うほどお気に入りに」(内山さん)

小林さん:私はマチ付きのエコバッグです。マチが付いているので、お弁当を入れても安定するんですよ。お弁当用と、それ以外のものを入れる用に2つ持ち歩いています。購入のきっかけは、好きなキャラクターがオフィシャルグッズとして販売していたから。自分が好きなキャラクターやブランドの製品だとグッズとして単純に欲しくなるし、好きなものを持ち歩きつつ環境への配慮もできるところが良いなと思います。

「自分が好きなキャラクターのエコグッズは、単純にグッズとして欲しくなる」(小林さん)

川崎さん:私はタンブラーなのですが、大学のカフェでコーヒーを頼む時にタンブラーを持って行くと割引されることがきっかけで使うようになりました。デザインが良いだけでなく、保温保冷もできるので愛用しています。

「カフェにタンブラーを持って行くと割引されることがきっかけで使用。デザイン性や機能性の高さもポイント」(川崎さん)

——デザイン性や機能性も大事ということですね。

川崎さん:そのふたつのバランスが上手くとれていると“おぉ〜!”と思います(笑)。あと、価格も大事ですね。エコグッズって値段が張るイメージがあるので、コスパの良さも気になります。

小林さん:洋服は特にそうですよね。デザイン性や機能性が高ければ余計に愛着がわくし、愛着がわけば次のシーズンも着たくなるじゃないですか。企業側の責任として“大事にしたいと思わせるような製品を作る”ことが必要なのかなって。

内山さん:自分は特にそうなのですが、あからさまなプロモーションが苦手なんですよ。それこそシェアリングエコノミーだったら、「シェアするとエコだからこれを使ってみて!」とはっきり言われると逆に使いたくなくなる(笑)。デザイン性や機能性に加えて、プロモーションの仕方も案外大事だったりするのかなって思いますね。

小林さん:「便利だよ」と言われて使ったモノが、結果としてエコに繋がっていたというのが理想ですよね。

エコやサステナブルといった言葉が根付いた環境のなか育った彼らは、自分のお気に入りのグッズが、結果として環境負担の軽減に繋がっていたことを心地良く感じているようでした。モノも情報も溢れ、自分に合った製品が見つけやすい今の時代。“つくる責任”を意識した生産者が、今後、より注目されるのではないでしょうか。

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書いた人・佐藤季子
編集プロダクションを経て、音楽誌や演劇誌などエンタメ系の雑誌でライターとして活動。地元・川崎市では、麻生区の地域情報サイト「ロコっち新百合ヶ丘」、小中学生で結成された「麻生区SDGs推進隊(一般社団法人サステナブルマップ )」の運営メンバーとして活動中。