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『シェーン』/本・西部劇

ある夏の夕暮れ、一人の流れ者が開拓農民のスターレット家をふらりと訪れた。彼の名はシェーン。危険な雰囲気を持った男だったが、当主ジョーは彼を雇い入れた。やがてシェーンはジョーの息子ボブに慕われ、妻マリアンとの間にもほのかな愛情が通うようになった。だが折しも土地の所有をめぐって牧場主とジョーたち開拓農民との間に争いが起こり、シェーンもその渦中に巻きこまれていく。そして農民の一人が牧場主側のガンマンに撃ち殺されたとき、ついにシェーンは立ち上がった!一匹狼のガンマンの宿命を哀感をこめて描く感動の西部小説。

 これまた『文学効能事典』で紹介されていた本。項目は「パニック障害のとき」……完全に病んでるラインナップ!
 それにしてもあらすじがもうほとんどストーリーを語っているなあ。最近あらすじというか作品紹介文を読まないことが多いんだけど、あとから見て驚くぐらい説明されている。粗くない筋に。まあ完全にこんな感じの話です。そんでもって短い話なのでサクッと読めます。感想もサクッと書きましょう!

・もういつも言ってるような気がするけど、自分はいろんなものごとを知らない。中でも西部劇は、これまたサッパリなジャンルかも。
 ぼんやりしたイメージだと……まず最初に「大いなるマンション、セザール」かなあ……。

 自分の西部劇のイメージ、だいたいこれかも!
 他にはええと、漫画で『ピースメーカー』とか。結構皆川亮二ファンなので。
 あとは……ゲームの『デスペラードス3』は2時間くらい遊んだかな。医師のバッグが強かった(放り投げると、「何か金目の物が入ってるのかな?」と悪党がフラフラ寄ってくるので楽チンなステルス・キルが可能)
 あ、デスペラードスといえば、映画『デスペラード』は見たか。と思ったけど、あれは西部劇じゃないか。じゃないよね? 西部劇ってなんだろう? 
 それとNetflixオリジナルでなにかオムニバス映画を見たような……調べてみたら『バスターのバラード』でした。
 あとは……途中までしか見てないけど『ウエストワールド』も部分的にはそうかな。めちゃくちゃ面白い! と思ってたのに止まっちゃってるんだよなあ。
 ゲーム『レッドデッドリデンプション2』はずっと積んでます! もしやるときが来たら、たぶん自分の中の西部劇イメージの大半はこのゲーム由来になりそう。

・どうでもいいジャンル遍歴で長くなってしまった。
 ストーリーはほとんどあらすじでわかる感じなんだけど、牧場の中に古くて大きな固い木株があって、それをシェーンと主人公の父が掘り起こすシーンがあるんです。

「ジョー」と母は叫んだ、「少し頭を働かせたらどうなの。馬を二頭連れてらっしゃい。馬ならわけなく曳き出しちゃうわ」
 父は木株が動かないように、しっかりと身体を構えて、顔だけを母に向けた。「馬だと!」と、父は叫んだ。長い午後中二人の男がせき止めていた沈黙は、素晴らしいその一声で破れた。
「馬だと? 何をいうんだ! だめだ! おれ達はこの仕事を人間の力で始めたんだぞ、人間の力で仕上げるんだ!」

p.41

「古くて固い大きな木株を掘り起こす」ことのヒロイックさ! おお、フロンティア精神!(ってことだよね?) この感覚はなかったので新鮮でした。
 お嫁に、「この本は、シェーンがやってきてまず……カッチカチに固い木株に斧を振るって、力で掘り起こして、すげえ! ってなる」って言ったら、たぶん『ヴィンランド・サガ』のイメージで「馬で引っ張ればよくない?」と、まんま作中の母と同じことを言ったので笑ってしまった。だよねえ、と思うけど、これも見せ場なんだろうなあ。いやー、「文化がちが〜〜〜う!」

・あと、大いなるマンション、セザールのCMもそうだったんだけど、妻と微妙にいい雰囲気になるんだよね。読んでて「あれ、これってそういうことだよね……?」と思ってたんだけど、あらすじでふつうに「ほのかな愛情が通うようになった」って書かれてますね。それについてジョーはわかってるんだけど、それで怒るとか嫉妬するとかギクシャクするとかないのよね。これもフロンティア精神……なのか? そういうものなのかな?

・繰り返しになるが、ぜんっぜんジャンルを知らないので、完全なるイメージなんだけど、西部劇でも多そうな「旅人がやってきて去っていく話」ってのは物語論的にはひとつの型としてあるのかしら。日本の民話に多そうな雰囲気あるけど……。今後読むときに気にしておこう。

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