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シティーハンター 矜持という名の物語

シティーハンターは80年代後半に週刊少年ジャンプにて連載が開始され90年代初頭まで人気を博した。
いわゆるジャンプ黄金期の立役者であり、団塊ジュニア世代を中心に幅広い年代にいまも親しまれている。
しかも当時の少年ジャンプ連載作品としては珍しく、「女子受け」するコンテンツであったというのも見逃せない。
いまや老若男女に愛される作品になったのではないか。
本日はこの新宿歌舞伎町を舞台に繰り広げられるスナイパー漫画の金字塔たるシティーハンターについて語っていこう。


Get Wildという最強の相方

シティーハンターが一躍脚光を浴びたのは87年にアニメ化された時だ。
このアニメはいまだに語り草。
物語が大詰めをむかえエンディングソングに入る、と思った時、、先回りして物語の中でエンディングソングが流れ始めるのだ。


「・・・遼・・・これでよかったの?」

「・・・・・・さあな・・・・・・・」


遼と香が依頼者と空港でわかれ追憶にふけりはじめるタイミングで、
「Get Wild」のピアノイントロが静かに流れ出す。
「Get Wild」はTM NETWORKの12thシングルであり「RESISTANCE」(1988年1月1日発売)のカップリング曲。
いま考えると「Get Wild」と「RESISTANCE」のカップリングって超弩級の豪華シングルだ。
筆者の大好きな2曲が35年も前にすでに揃い踏みしていた。


心がふるえた時に・・・

主人公・冴羽獠はボディーガードから殺しまで手広く請け負う凄腕のスナイパー。
「美女絡みでなければ依頼は受けない」と表向きは言い張るが「心がふるえた時」には必ず依頼を受けるという内在的論理の持ち主だ。
金銭的な合理性やリスクなどは度外視し、心がふるえた時に仕事をする。
そんな冴羽獠の姿に共鳴した者は多いはずだ。


令和でも積読されるマンガ

これを見よっ。

シティーハンター全32巻積読

シティハンター全32巻、32年来の積読だっっ!!

最終巻が発刊されたのが1992年だからかれこれ32年以上の付き合いとなる。
もはや3万周ぐらい読んだマンガであり、筆者にとって最強の相方カノンだ。


新宿駅前伝言板という聖地

作中において依頼者が依頼するのに用いるのが新宿駅前伝言板だ。
ここに「xyz」と書き込むことで、
「後がない」ことを冴羽獠ことシティーハンターに依頼者は知らせるのだ。
この新宿駅前伝言板はいまも残されていると聞いたことがある。
いつかシティーハンター好きが新宿駅に行ったならば必ず訪れたいメッカであろう。


カクテルxyzブームの立役者


シティーハンターは「Get Wild」「新宿駅前伝言板」「水色のジャケット」「ベージュのロングコート」などなど様々なアイテムを流行させた。
それ以外にもシティハンター効果で密かに人気になったものは後を経たない。

その一つが「カクテル・xyz」だ。
xyzはラムをベースとするカクテルであり、筆者は下戸なのでよくわからないが、酒がいける口の読者は是非とも試して感想を聞かせてほしい。

作中で冴羽獠が、
「・・・カクテルxyz・・・後がないってことか・・・」
と陰影を帯びながらつぶやく描写は大人の色気が芳醇に立ち込めており、大好きなシーンの一つだ。


ミニクーパーブームの立役者


そうだ。

これを忘れてはいけなかった。
あまりに根源的なことだから忘れていた。

シティーハンターこと冴羽獠の愛車はミニクーパー。
MINIになる前のローバーミニであり、すこぶるブリテン風情のある名小型車だ。

排気量たかだか1300㏄のミニクーパーを駆って、好敵手達ライバルに対し時にヘリからの暴虐的な狙撃に対しても、シティーハンターこと冴羽獠は敗れることはない。

筆者も大学時代になんとかしてミニクーパーを入手しようと画策したが、
あまりに小さく、しかもマニュアルしかなく、夏場にはエアコンが効かなく、
断腸の思いで断念した。

だが、
現行の大きくて便利になったMINIは、、、「何かが違いすぎる」、、、と思うのは筆者だけではないはずだ。



サンルーフ・ムーンルーフ流行の立役者

そういえばシティーハンターこと冴羽獠が駆るミニクーパーにはサンルーフ(ムーンルーフ)があいている。
車内の天井から星空を一望できるのだ。


12月の星座が一番素敵だと僕をドライブへと誘った🎵
車のサンルーフから星をよく眺めたね🎵
君はよく歌っていたね🎵

これもシティーハンターEDテーマ曲である「失われた風景」の一節。


この「失われた風景」もまがうことなき名曲であり、聴けば自ずと新宿の夜景が脳裏に浮かび上がること請け合いだ。


空港で依頼者が飛び立つのを見やり、
ミニクーパーの車内でムーンルーフを解放し、
「失われた風景」を流して星空を見上げ、、、、



「・・・遼・・・これでよかったの?」


「・・・・・・さあな・・・・・・・」



とやってみたかった。
もしあの時が古いレンガの街並みに染まることが出来ていたら、
絶対に香みたいな女性と是が非でもやってみたかった。


連休に読みたいマンガ

全32巻が32年も積読されていることだし、
筆者もこの連休に3万と2周目のシティーハンターを嗜んでみようかと想う。

心がふるえた時にね。

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