その時代のババをつかんでいる

 子どもの頃か、三田明の不自然な目元に気が付いて「なんだあれは」と大人である父か母に訊ねた記憶があり、「ああ、あれは二重瞼の整形だ」と教えられ、そうかそういうことかと他を見渡すとこまどり姉妹もそうだ、全部同じだ目元の造作がほぼ同じだ、ついでに「あの当時の二重の美容整形の芸能人御用達のところは一か所くらいだったので、全員が同じ目元の二重になっているのだわ」とこれは伯母あたりから聞いたような記憶があり、なんでこんなことを思い出したのかというと、ある種の界隈の若い彼ら彼女ら(彼女らの数の方が圧倒的に多い)のいう「盛れた自撮り」の目の大きさ加工のされ方が、前述の、「あの当時は芸能人がお忍びでやる美容整形の場所なんて一か所だけだったので全員同じ目元になるんだわwww」が、数十年経過して、若い彼女らの自撮りのそれが「あの当時は盛れる自撮りのアプリと加工技術がどれも同じだったので、全員同じ目元になるんだわwww」であることに気が付くと、その時代からは抜け出ることができなかったそれらを「その時代のババをつかんでいる」と表現すれば、彼女らは見事に時代のババをがっちりつかんで手放さない。
 そういう若い彼女らの所謂自称盛れた自撮りの並ぶ中で無加工の画像が出てくると「おーい、ここにまだ人間がいたぞー」という気分になる。

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