コンビニと百均とホームセンターが駆逐したもの

 ダイソー、キャン★ドゥ、セリアが定着し始めたちょっと前くらいから、また、ホームセンターがしっかりと定着しはじめてから、個人経営の文房具屋とか金物屋とか、電器屋、荒物屋がどんどん店じまいとか廃業しはじめた。20年以上前くらいか。もう若い彼ら彼女らには荒物屋が通じない。もしかすると、札幌近郊だと、小樽にはまだあるかもしれない。ぎりぎり。そろそろ店主がこの世からいなくなるような世代なので、見たい人は急ぐといい。

 コンビニや百均やホームセンターに売ってるようなものの個人経営商店はもう成り立たなくなってしもうた。私は寂しがる気分を全くもたない。便利になってしかも廉価になってよかった、としか思わない。商店街がさびれるのもしょうがない。スーパーの方が新鮮でしかも安いもの。ギリギリ最後まで残るのはこだわりの豆腐屋くらいだと思うけど、あの重労働は引き継ぐひとらもいないだろう。

 今の生活になるずっと前から「それほどの値段を出して特別なそれをわざわざ買って食らう気にもならんわ使う気にもならんわ、あたしゃ、ふだんの使用に十分たえうるそこそこのもんでいいんだわ」と思っていたので、無形文化財ナントカ翁の手作りのザル、とか、まあほしい人は買えばいい、あたしにゃ不要なもんなのじゃ。タニマチやれるほどの金があるなら応援しときゃいい、私にゃそんな余分な金はないわい。

 話を戻すと、その手のコンビニやホームセンターがのしてきて、個人経営店舗が廃業する瞬間の骨董商古道具屋界隈をながめてきた。店じまい片付けで、そこらからデッドストックの真空管、販促用に配られたナショナルキッド手帳、もうパッケージも変わってしまったペン先その他、一気に在庫に並ぶことが多かった。面白そうなものを結構買い集めた。楽しかった。

 そこらがもうほぼ全滅してからは、廃業個人店舗のものは出なくなった。もうその手のものを十数年みかけてない。もうだいたい全滅したんだろうなと思う。

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