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愛情不足の成人男性


女子高生時分、私は前の自分の声の話の記事でも触れた通り、大人達に囲まれて過ごす時間が多かった。

私が若いから軽く受け止めてくれるのではないかと思って相談しやすかったのか、大人のようにフラットに感じていて相談をしたのか分からないが、

否、どちらもあると思う。

よく相談を受けた。今思えば、女性はあまり私に相談をしてくることがなかった。

成人した今なら、10代の女の子に同性としての悩みを話そうとは思わない。深刻な悩みを打ち明けたら、この先の未来に対して構えてしまうかもしれない。歳を重ねて変形していく考え方と悩みがあるのにそれを闇雲に話して多感な''女の子''としての無邪気な時間を邪魔してしまうかもしれないなどと考えてしまう。

勿論、同性だからこそしっかりとした大人の姿を見せてカッコよく見られなくてはというプライドもあると思う。

いかんせ、私はそういったプライドは持ち合わせていないので、年下の女の子前で「ごめんね、ごめんねぇ、、」と嘆きながら号泣してしまったりする。

さて、本題にいきます。

既婚者の男性が「いや、俺は奥さんから嫌われている」と暗い顔して告げられたことがある。

それで、居場所が無くてこの年齢や性別を問わない楽しいだけの場所と言ったら音楽を取り組むものに失礼かもしれない。当時はライブを飲み会やパーティのように捉えてブッキングしていた人が多かったからそう見受けられた。まあ、そんなわけで家庭にいるよりここに逃げてきたのだろうと繊細そうな面持ちから察した。

繊細そうといえば言葉は良いけれど、彼は向き合うことが苦手そうな人だった。

分かりつつも、「何でそう思ったんですか?」と聞いてみた

すると、これを聞いてからもう何年も経つのに忘れられない解答が返ってきた

「奥さんが子供が寝た後に『おまえを斬る』って、あの何か流行りのアニメのバルーンの剣を子供に買ったんだけど…そのテーマソング流しながら、俺を斬る真似をずっとして来るんだ…」


心の声「(ん???????女心わかっていないな???)」

それっきり、俯いてしまったので彼の中ではかなり深刻なのであろう。出先でもそれを考えると心が曇るってことは、彼の中で奥さんとの関係性の悩みも深刻であり、なぜその行動に至るのか話し合うべきではないのか。

どこから、突っ込めば良いのか分からず、

「それは、嫌ってないんじゃないですか….」

「いや、これは嫌われているんだ…」

「何で、奥さんはそういったことをするんですか?」

「分からない。(俺のことを)嫌いだから..」

と、念押しされてしまった。

話を聞いているとお子様は小さいそう。育児は基本、奥様がやられていて、彼は今ここにいる場合ではない。

フラストレーションが溜まっても、お皿投げたり、ヒステリックにならないなんてなんて優しい奥さんなんだ!

それに、「おまえを斬る」なんて言ってわざわざ曲を流しながらバルーンの剣で斬る真似をしてくるなんてお茶目で可愛い。

本当に嫌いだったら、バルーンの剣で済むものですか。
真剣でめった斬りしますよ。

育児で疲れた夜に、わざわざ嫌いな人を前に3-5分くらい対面するなんて無いだろう

そっぽ向いて、最低限の会話で、顔も見ずに寝る。

きっと、奥様からすればこっちを見て欲しいと思う気持ちもあるのではないかな

詳しいことは聞かなかったけれど
女性として見て欲しい、育児は一緒にして欲しい、家事は一緒にして欲しい、かまって欲しい

など

気づいて欲しいけれど、それを話すのも憚れる。

コミュニケーション不足が、その夜な夜な開かれる刀斬りタイムに現れている。

もしかしたら、彼もお子様が小さくて余裕が無くて、嫌われているというマイナス思考になってしまったのかもしれない。

兎に角、ここにいるべきではない。一刻も早く帰って、手紙を添えて花を渡してみたり、新聞を開いてテレビ欄に目を通すフリでもしながら「俺のこと嫌い?」と一言聞いてみるとか、、

何でも方法はあるし、この夫婦はまだまだ未来があるように感じた。

ここに書いたこと以外の話を聞いていても、『俺なんか、、嫌われている、、居場所がない、、終わった、、』なんて思う必要はないと思える。

嫌われたと思い込んでいるから、その刀斬りタイムも苦痛に感じるのだろうし、家から出たくなる。

逃げずに、家にいる時間を増やすべきだ。多少の躊躇いがあっても、気がかりなことは聞いて見たほうがいい。
夫婦になる前は恋人であったのだから、恋人の前は友達であったのだから。土台を思い出して、バイアスをかけずに会話をしてみると少し靄が晴れるかもしれない。

むしろ、刀斬りタイムを設けてくれる奥様に対抗して自分はおもちゃの盾を買って「今日は斬られないぞ!」
とノってあげるとお互いのストレスも晴れるかもしれない。

対人関係で、好かれているかも、嫌われているかもの思い込みは事故に発展する。

自分が好きだからという気持ちを大切にしたほうがいい。自分が好きだからこうしてあげたい。こんな会話をしたい。とか、好意から生まれる相手への思いやりは事故に発展することがない。したとしたら、見返りを求めているから。


これを書いているともう一件思い出した。独身で若い子と遊ぶのが好きな男性がいた。
私はその方と顔を合わせれば、レコードやアナログ音源時代の音楽の話をするだけ。か、一方的に好きなアイドルの話を聞いてもらっていた。
河合奈保子さんの話をたくさん聞いていただけて感謝してはいる。

が、しかし

彼には最近デートしているお気に入りの女の子がいるらしい。付き合っているわけではないので、よくお茶をしたり、いっても足湯を行くくらい。(ホントのことは分からないけど)

それなのにその女の子がそっけないと、デート中でも彼氏と電話しに行ってしまうと。

その愚痴を3時間近く聞かされた時はお腹が痛くなって、気が遠くなってしまった。

先ず、自分が好意的な対応をされて当然だと思うのをやめた方が苦しくないのではないか。自分がデートしたいから、楽しくなってほしいから色んなところに連れて行きたい。それだけ。

でも、そこで明らかに脈ナシ、そっけなかったらやはり寂しくなるであろう。

それなのに、何度もめげずにデートするからフラストレーションが溜まるのではないか。

そんなこと続けていたら自己肯定感が下がるのに、何故かキープしておく。

そして、やはり諦めずに何度もデートに行く。

寂しくてどうしてもデートに誘うのをやめられないのなら、自分が一人で遊ぶのは寂しいから同行してくれるコがいたらそれでいいかな〜と割り切るしかない。向こうもそっけないのなら自分もシニカルに方向転換。

そもそも、彼氏がいて乗り気じゃないデートに何度も行く女の子も自ら破滅の道に進んでいるからよすべきだけれど、、、

自分がどう扱われても好きで好きで仕方がないコとデートするか、見返りを求めるのなら自分に好意的なコが見つかるまで一人で過ごした方が二人でいるより寂しくないし自己否定にも繋がらないと思った。

そして、あの頃よりインターネットが発達した今、出会い目的の人間がたくさんいる。

人間皆んな寂しいのだ。

特にアナログ時代を長く生きたインターネットリテラシーが低い高齢者の男性が出会い目的で使っている人が多いと感じる。

きっと、寂しさは女性で埋めるものだと考えている人が多いのではないかな。

それは逆も然りだけれど、女の子は一緒にいて苦しくなる男の子だと分かったらスパッと関係を断つ子が多い。
その反面、少数だけれどズルズルと関係を続けて、会えばいつも彼の愚痴と悲しみを漏らす子もいる。

女の子社会で生きているから女の子のことはよく分かる。しかし、男性のことは本当に女性からの視点といった少し距離感のある位置でしか語ることができない。

どうして、1人で寂しさを噛み締めることより2人でいる方が寂しくなる人といることを選ぶのだろう。

そして、1人だと寂しさに耐えられず異性を探す旅に出るのだろう。

1人でいる自分を否定したり、2人でいる自分も否定する。そうしたら、自分自身をどんどん否定して寂しき怪獣になってしまうよ。

特に男性は年齢が上がるごとに自己肯定感が下がっていくように見受けられた。



















思い出せ!!!

公園で拾ったビニ本をドキドキしながら読んだあの1人の夜を!

お菓子についてる抽選のハガキ送って「バービーボーイズ行けるかな」とワクワクした時を!

スーパージョッキーのお色気シーンを親がいる居間で自然な流れで見られるか試行錯誤した日を!

夏休み明け誰が1番日に焼けたかチラチラ気にしながら登校した朝を!

クラスメイトとピンクレディー はどっちがタイプか言い合いになったあの頃を!

1人で鏡の前でホウキをギターに見立ててパンクを流しながら汗をかいた放課後を!
そんな時にちょうど家族が帰ってきて、「部屋、あちぃわ笑」とか誤魔化した夕方を!

中山美穂が通っている学校の前まで行ったものの会えなかったけれど武勇伝にしていた頃を!

水谷麻里が江口寿史と結婚して泣いた夜を!

泣いてたくせに今じゃ江口寿史展行ってしっかりグッズも買ってるじゃないか!

ウォークマン片手にSUの真似しながらラップの練習してみんなでパート分けして『黄昏サラウンド』披露しあって笑い合った時を!

体育の終わりにカッコつけるのを目的に力水飲んでいた更衣室を!

男の子数人で集まって、夜中にたむろする自分たちってなんだか大人でカッケーかも…と恍惚とした夜を!

親が部屋を片付けてくれた時に、やたら本棚が綺麗に整理されていてその中にこっそり読んでいたエロ漫画が陳列されていて焦った日のことを!

教室の隅で1人ミステリー小説読んでいる俺は一足先に大人になっちまったな..フフ..表紙見せつけるように読んでいた休み時間を!

「俺、Alexandrosになる」と決めて楽器弾けないのにデビューを夢見たあの頃を! 

給食のデザートの残りを必死にジャンケンで勝ち取ったお昼を!

ゲームのセーブデータが消えて死にそうなくらい絶望したけれど、次のゲームが出た頃にはケロッと忘れて新作のゲームに熱中していた頃を!

あの時、アイツが大手かマイナー企業か、収入が多いか少ないか、背が低いか高いか、顔がいいか悪いか、何人の女の子と体の関係を持ってきたかよりも

足が速いか遅いか、早食いできるかできないか、ラップ上手いか上手くないか、いかにエッチな絵が上手く描けるか、パソコンを扱えるか扱えないか、ゲームのレベルがランク入りするくらい高いか、おニャン子の名前全員言えるか言えないか….とかを比べて、命かけるくらいもっと大事だったものがあるじゃないか!

その輝きって経年劣化するものじゃないよ。
隣に女の子がいてもいなくてもキラリと輝くものが自分を纏ってくれていたじゃないか。


女の子が勇気出して渡した手紙をお母さんにバレる前に引き出しの奥にしまっていたくせに!

女の子が勇気出した愛の告白を、キョドキョドしながら「ワリィ」とか一言で断って逃げたくせに!


あの頃、出会いや女の子にモテたいかエッチなことをするために全力を注いでいなくても、成長していくことが寂しいくらい愛してくれた家族や、あなたをこっそり好きでいてくれた女の子や、あなたといるのが楽しくて仕方がないお友達がいてくれたじゃない!

いなくったって

愛されないことに絶望することより、自分が愛したものの数の方が圧倒的に多かったでしょ?お菓子、音楽、アイドル、バンド、漫画、小説、ゲーム、スポーツ、洋服、靴、友達、ラジオ….


大人になるって寂しくなることじゃないよ。
形の違う様々な寂しさを知っていくことだよ。

失恋も絶縁も死別も乗り越えるものではないよ。

ちゃんと悲しんで、でも悲しんでいる間にも自分がちょっとでも面白いなとか共感できるなってコンテンツが以外に世の中にはたくさんあって、
あなたがどうか寂しさに負けないためにという思いを込めて作ってくれたアーティストと、寂しさを乗り越えられた人たちが残したものもたくさんある。



エンタメも旨味も芸術も、時代と共に変化するけれどまだまだ楽しめるものが無限にあるよ。


お友達がいなくても恋人がいなくてもあなたの輝きは損なわれない。寧ろ、誰も否定してこない快適な状況である。

そして、お友達や恋人がいて、悩んでいる人には私が高校生の時に感動したお友達の言葉を送りたい。

「この人とは縁がなかったんだなということで!♡」

10代でそんな風に前向きに割り切れる彼女の考え方にも感動した。そして、一緒にいて辛かったりマイナスの感情になるのは確かに合わないということで、自分を大切にするために諦めることも大事だなあと共感した。

長年お付き合いされている方や、ご結婚されている方はそうも簡単にいかないと思いますが、自分の明日終わるかもしれない人生を見据えて、愛し続けたいかどうか考えるといいかもしれません。
つまずいたら、元を辿ればお友達。親友にもなれない人と恋人にはなれないはずだから、親友と接する心持ちで心の中を打ち明けるのはいいと思います。


1人でいると否定されないし、ラフに生きられる。その上で愛する人を見つけられたら幸運だなぁくらいで。人と人は巡り合いだから。
2人でいて、自己否定をし始めたら速いこと考え直してください。依存関係で自傷が長引くだけなので。


出会いと別れをまだこの歳でたくさん経験してしまい、大切なものを失ったこともある。
誰かといることで自分の良さを見失ってしまったこともあるし見たこともある。誰かといて周りが見えなくなってしまった人の怖さも淋しさも味わったこともある。
好き同士でいると思いきや、男女間でありがちな欲のために利用されてしまったことも友情関係でありました。
同性同士だと性的搾取ではないから気が付きにくいんですよね。

だから、1人でいることが負けいることではないよ。
愛されることよりも、愛せるものがたくさんあることってすごく輝いているよ。

寂しい時は、本来無くてもやっていけたはずの空いた穴の不足している部分を見つめすぎている。
与えてくれる愛情を探すより、自分が注いでいる色んなものへの愛情の量を確かめてみて。

寂しさで何もかも見失いそうな時は、あの時の煌めく思い出の中にいた自分がきっと本当の自分だよ。
いや、あの頃の自分は好きじゃないと思えたら今の自分の方に自信が持てている良い証拠だよ。


くじけてしまいそうな自分への言い聞かせにもなってしまったけれど、人々や世間体に打ちのめされていく貴方の降下を止めたい。

私には煌めいて見えていることを伝えたい。

分からなくなったら、おニャン子クラブのメンバーを1週間以内で1番から全員覚える!
ケツメイシの『よる⭐︎かぜ』を聴きながら散歩して、立ち止まってアンニュイな顔で夜空見上げる!
帰りに自販機で力水買って飲む!

ノスタルジックな記憶はリアルタイムから目を逸らせます。

ここで、宣伝になるのですがわたくし可愛唯の楽曲『Fruits Line』は90年代にエスケープできます⭐︎

サブスク↓↓↓
https://www.tunecore.co.jp/artists?id=807913


キャットストリート闊歩したあと、オシャレなカッフェでハナレグミのPVみたいに過ごしてください。


何度でも言うね

あなたは寂しさに勝る煌めきを纏っているよ


2024.4.8






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