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マイティ・ソー -北欧神話からコンニチワ! MCUの世界観が広がったキャラ萌え映画-

アイアンマン2 -リバイバル俳優二人の対決! ロバート・ダウニーJrとミッキー・ローク-

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この記事・マガジンを読んでいる人の中で、北欧神話に慣れ親しんだ人はどれくらいいるでしょうか?? きっと、そういう趣味がない限りはほとんど触れたことも無いのではないでしょうか。少なくとも自分は北欧神話をモチーフにしたこの映画を見るまではなんとなくそういうものがあるっていうアバウトな認識しかない、俄かにもならない無知な人間でした。

そんな自分ですが、この映画の主人公になっている"ソー"は、"雷神トール"という名前で何かしらのゲームで名前だけは触れていたような気がしました。改めてこの映画に触れてから考えてみると、結構いろんなゲームや漫画でこいつをモチーフにしたキャラクターや武器が存在していますね。

それどころか、実はサンダーの語源がこのソー(Thor)だったり、もはや英単語の起源になるくらいの知名度の神様です。昔の北欧の人たちは、雷鳴は神様がハンマーを叩く音だと思っていたらしく、雷神ソーは雷を生み出すハンマーを持っているのがお決まりになっています。今回の映画のソーは、死にゆく星の核で作られた"ムジョルニア"という最強のハンマーを振り回して戦っており、数多くいるマーベルヒーローの中でも別格感が漂います。なんたって神だし。"ムジョルニア"は心が高潔な者にしか持ち上げられず、ソーはこいつを振り回して遠心力でハンマーに引っ張られるようにして空を飛びます。もしかしたらこの"ムジョルニア"も"ミョルニル"って名前でモンストやFFなんかで触れたことがある人がいるかもしれません。

MCU作品は、一作目が兵器開発者アイアンマンの話で、二作目が薬品で怪物になってしまったハルクの話でした。ここまでの作品は、あくまで舞台はこの地球の街で、強さの源は化学の力で、登場人物も普通の人間(人間離れはしているけれど、、、)でしたが、今回は違います。主人公も有名なだし、登場人物の半数がです。

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あらすじ

今回の物語の始まりの舞台は、神の国"アズガルド"です。

神の国"アズガルド"は、世界樹"ユグドラシル"を介して地球を含む9つの世界と繋がっています。灼熱の国ムスペッルスヘイム、死者の国ニヴルヘル、氷と暗黒の国ヨトゥンヘイム、ミッドガルド(これは地球のこと)などなどと繋がっており、中には平和な関係でない国もあります。この辺りの設定は、アメコミっていうか北欧神話そのものをググったほうがわかりやすいかも。

氷の巨人が住む、氷と暗黒の国ヨトゥンヘイムとは、特に関係が良好でなく、神の国"アズガルド"とはかつて戦争状態にありました。アズガルドの王で、ソーの父でもある"オーディン"(なんと名優アンソニー・ホプキンス)は、氷の巨人との戦争の果てに、彼らの強力な武器"四次元キューブ"を奪い、戦争を集結させていました。

その後長い年月が経ち、オーディンの息子の雷神"ソー"と、その弟でいたずらの神"ロキ"は、いよいよ王の座を継ぐ年齢にまで成長して、ソーが次期のアズガルドの王に選ばれます。しかしその王位継承の儀式の途中に宝物庫に氷の巨人が現れ、怒ったソーはヨトゥンヘイムに巨人を懲らしめに行ってしまいます。その姿を見たオーディンに、「暴力に頼るのは王のすることではない」と叱られて、王位継承の資格を剥奪され、さらに神の力も奪い、地球に落っことしてしまい、ソーは地球で自分を見つめ直すことになりー という話です。

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役者人気か?キャラ人気か? とにかくキャラクターが人気なシリーズ

この映画、というよりこの映画シリーズといえば、とにかくソーの弟ロキが女性に人気というイメージがあります。というかそもそも、このロキを演じる"トム・ヒドルストン"が超絶人気です。

歌手の"テイラー・スウィフト"と浮世を流したりもしたイケメンで、日本でも"トムヒ"の愛称で親しまれています。バラエティ番組に出るときにネタにされるくらい、セクシーキャラとして認識されています。

女性人気が本当に凄まじく、ロキの活躍をもっと見たかった女性ファンたちがスピンオフ作品を作って欲しい署名を集めて、もはや脚本に影響があったんじゃないかと思ってしまうほどの票を集めています。この票の甲斐もあって、2021年にスピンオフのドラマの放送が決まりました。やったぜ。

時々こういう人気が出るハリウッド俳優って、闇のあるキャラを演じたときになりやすい気がするんですが、どうでしょうか。なんか法則性が見出せそうな気がします。

この凄まじい人気をみると、もともと人気があった俳優のようにも思えますが、実は今回ソーを演じる筋肉ムキムキでゴリゴリの"クリス・ヘムズワース"と、ロキ役の"トム・ヒドルストン"は、今作が出世作と言って良い二人です。よくこんなぴったりな二人を配役できたもんだなぁ。ここでも改めてMCUの配役の素晴らしさを感じます。

しかもこの映画の登場人物、神が多いのにみんなお茶目でかわいげがあるんですよね。神が主人公でも欠点だらけの人物を魅せるところがマーベル節ですね。ソーにしたって何百年も生きてて人間よりずっと賢いはずなのに色々と抜けたところがあるし、ロキのよくよく考えたら嫉妬心まみれなキャラクターも、下手したら人間より人間らしい。ソーは無邪気すぎるし、髪の金色も相まって、なんだかゴールデンレトリバーみたいなキャラですね。

そういえばこの映画では神友のひとりとして浅野忠信も登場します。浅野忠信らが人間社会にヒョッコリ神々連れて遊びにくるところは、神とは思えない無邪気さでサイコーです。繰り返しみたいシーン。

女優もナタリー・ポートマンの美しさがMCUシリーズの中でもずば抜けて凄まじいので、もはや話半分にみてて俳優とキャラだけ楽しんでても楽しめるのでは、、、と自分は思ってます。

もし今作でキャラに魅力イマイチ感じなくても、次作以降でどんどんキャラの魅力パートが増えるようになってくるので、次作以降もお楽しみに!という感じです。特にロキはどんどん良くなりますよ。

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豪華な舞台ときらびやかな衣装! 特に衣装の再現度がすごい

この映画の監督はケネス・ブラナーという人物です。最近ではオリエント急行殺人事件なんかを手がけています。彼はもともと23歳のころからロイヤル・シェイクスピア・カンパニーに所属して舞台に立っていたシェイクスピアに造詣が深い人物で、この監督のカラーもあって今作の脚本はシェイクスピアの悲劇のような仕上がりになっています。言うなれば今作は、アメコミ北欧神話シェイクスピアを混ぜたような映画なのですが、このケネス・ブラナーが意外とCGなどの特殊効果の使い方もすごく上手で、神々の国の世界観と、神々の衣装が今までのMCU作品にない見所になっています。

太古の遺跡的な神々しく果てしないイメージ、またアメコミで見たあの衣装を損なわずに美しく再現してるのが見事! もちろん地球にいたら場違いな格好なんですが、そういうところも笑いに変えてキチンとキャラの魅力に変換しています。虹の橋ビフレストの「これってどーなってるの?」感も、破壊兵器デストロイヤーの意外にレスポンシブなデザインも、地味にすごく良い。ロキのニジイロクワガタの大顎のような謎のヘルメットも、実写で見てもやっぱり謎なんですが、なんかこれはこれでアリ! って思わせてるのが良いですね。

このあたりはDVDのおまけで付いているメイキングなんかを見るとより丁寧に解説しているので、見る機会がある人はこだわりの衣装やセットの作り込みを是非みていただきたいところです。


・・・と色々と書いたんですが、今作はまだ映画シリーズ一作目で、それぞれのキャラクターや俳優の魅力もまだまだこれからすごくなるところなので、次作以降の作品や、この後の集合を楽しみにする気持ちで鑑賞して欲しいです、、!