家出をして大学に進学した話①
初めまして。エリーザベトと申します。もうすぐ21歳、この春、晴れて大学一年生になります。
初note投稿ですが、このシリーズではDV等家庭状況が悪くても大学に進学して自立したい方々の為に
「家出をして大学に入学する方法」
についてお話をしようかな、と。約3年に渡る戦いの日々ですので、何回かに分けてお話します。
今回はイントロ部分。もしこの記事を読んで下さっている方の中で家出をして一刻を争うような切羽詰まった状況の学生さんがいらっしゃいましたら、先ず次回からの記事を読んで下さい。今回は自分語りがメインですので。
この記事を書こうと思ったきっかけ
端的に私の家庭を説明すると『機能不全家族』です。
『機能不全家族』(Dysfunctional Family)とは、家庭内に対立や不法行為、身体的虐待、性的虐待、心理的虐待、ネグレクト等が恒常的に存在する家庭を指す。機能不全家庭(きのうふぜんかてい)とも称され、その状態を家庭崩壊(かていほうかい)、もしくは家族崩壊(かぞくほうかい)と言われている。
Wikimedia先生のご説明通り、ようは『いつも家庭崩壊してる家族』です。
具体的な私の家族のエピソードとしては
・両親の夫婦喧嘩は双方包丁をもちあって行われる為、警察沙汰になることもしばしば。
・あまりにも仲が悪い為、父親は毎日車中泊
と、まぁこんな両親の不仲も子供の私からしてみればいい迷惑でしかないのだが、問題は
子供の私にまでとばっちりがくる
ということ。
夫婦喧嘩の延長線上で、父母の双方から殴る蹴る叩かれる包丁で刺されるの日々。一年間365日、ほぼ毎日夫婦喧嘩がたえることは無く、私の泣き叫ぶ声を聞いたご近所のどなかに児童相談所に通報されたことも。お陰様で今でも体じゅう傷だらけ。特に手の甲なんかは酷い。人間、危険な目に会いそうになったら手で防ぐからね。
赤丸がついてるところ、よく見るとボコッと盛り上がってるんですけど、分かります…?全部傷です。わかんねぇなこの写真じゃ
ちなみに一番おっきい傷は10年くらいずっと残ってます。たしか小学生の頃、塾の成績が悪かった時に鉛筆で刺されたような…たぶん消えない。
家出を考え始めたのは、高校3年生の時。今思えば、ですけど。いよいよ夫婦仲もヤバくなってきて、父親と母親が完全に別居した後。問題はここから始まるんです。
母親はもうすっかり人生に絶望して、家事をあまりやらなくなっていた(なのに肩書きは専業主婦)。それまではもう何年も父親が仕事から帰ってきた後深夜に皿洗い洗濯掃除ゴミ出しといったありとあらゆる家事をこなしていた(父親は暴力ジジイだがその点については大変感謝している)が…
完全別居後、問題は誰が家事をやるのかということ。こんなことが問題になるということはつまり母親は家事をやる気が一切無いということであり、端からそこがおかしいのだが、もっと変なのは、それを当時高校3年生つまり受験勉強真っ只中の私が引き継ぐことになったということ。
受験生だろうが家事の手伝いをしている人なんていくらでもいるじゃないか、甘えだ!
そう思った読者の方、おられるでしょう。正論ですが、ちょっと見て欲しい。
これが私の高校3年生つまり受験生の時の生活です。
え、なんかおかしくね
そうですもうおかしすぎてどこから説明したらいいのかも分からないんですが
・母親は夕食を作る以外は何もしない
・夕食を作るのもいやいやなので、はやくても10時、酷いと12時
・母親は必ず一番風呂に入りたい
・母親はAM2時以降にしか風呂に入らない
・でも子供が進学する大学は一流がいい
という母親の我儘を全部聞くと、子供はこういう生活になります。
母親のこんなふざけた我儘は当時だって聞きたくありませんでしたが、暴力で制圧され続けていると学習性無気力の状態になり、なす術を無くしてただ言うことを聞いて働くロボットのようになってしまいました。
あと、上のグラフだと勉強時間がたっぷりあるように見えますが、殆ど疲れ果てているので実質ゼロです。全くもって無意味。嘘だと思っただろ、残念本当の話です。なんてこった
ご覧の通り、毎日睡眠は2~3時間。何度も言いますが当時私は大学受験生。試験前日だろうがなんだろうがこの生活リズムが変わることは無く、結果は当然全部不合格でした。
まぁ、浪人しますよね。でも状況は何一つ変わらなかった。
マズイ。
このままだと大学にも受からないどころか、自分の人生が壊れる。もっとぐっすり寝たい。もっとゆっくりしたい。もっと優しくされたい。もっと広い世界を見に行きたい。もっと自由になりたい。毎日殴られて怯えながら生活してるなんて、絶対おかしい。
もう、家族に未練はありませんでした。でも、家出をして両親と縁を切るということは、『大学進学を諦める』こととイコールでした。お金がありませんから。
迷いました。一応私は都内の結構な進学校出身です。友達は皆、誰もが知る大学に現役で合格していきました。私自身も成績はわりといい方で、当然のようにそのような未来を思い描いていました。
昨今は学歴に関係無く広く優秀な人材を採用しようという企業も増えてきているようですが
それは『大卒』の肩書きを持つ方々だけの話です。『高卒』と『大卒』の越えられない壁は依然として存在します。
高卒か大卒かでは生涯賃金が全く違う。大学の経済学部に進学した友人Bからは何度もそう説得されました。大学だけは行った方がいいよ。たしかに本当です。でも、当時の私には「家出をして大学に通う方法」など、何一つ思い浮かびませんでした。
2020年5月29日の朝方、母親が風呂に入った隙に家出をしました。最低限の荷物を15分でまとめ、少しでも遠くへ行こうと自転車で最寄り駅から2駅分漕いで、そこから電車に乗ってさらに遠くへ行きました。携帯電話は家に置いてきました。二度と戻らないという、せめてもの意思表示です。
取り敢えずネットカフェに入って一人で泣きました。後悔もありましたが、もう引き返せない、先ずはどこかで働かなくては。実は前もって新聞配達のバイトに応募して、面接も済ませてありました。家出をして取り敢えず住む場所が欲しかったので、寮のあるバイト先として候補に挙がったのが新聞配達だったんです。
とりあえず、店長に連絡しよう。携帯電話をその日中に契約して久しぶりにTwitterにログインすると、心配した友人AからDMが来ていました。急いで電話して「新聞配達をする」というと、「あなたがやる仕事じゃない。あなたは大学に行くべきだ」と必死に止められました。
結論からいうと、暫く友人Aのおうちにご厄介になり、色々悩んで相談して調べた結果
『高等教育の修学支援新制度』を使って大学を目指すことになりました。
この制度は一体なんなのか、何故大学を目指せるようになったのか、次回をお楽しみに!!!
…言っておきますが、別に私は文部科学省や日本学生支援機構の回し者でも何でもありません。そういう制度があることを知らないと選択肢として組み入れることもできないのでね、誰かの役にたてばいいなぁと。
親のせいで進学を諦める必要はない。
ということはこの一年で痛感したことだったので。家庭がヤバいから逃げたい、でも大学には行きたい。そういう子たちってきっと今まで勉強もままならないような家庭状況の中、必死に人一倍努力してきた子たちだと思うので、報われて欲しいです。
分からないことがあったら、私のTwitterでも、noteのコメントでも、何でも聞いて下さい。可能な限り力になります。
少しでも悩んでる後輩たちの役にたてますように。
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