県内の米粉の利用について

  みなさんは、米粉を使った商品を手に取って食べたことはありますか?新潟の人なら、一度は街中でそうした商品を見かけたことがあると思います。また、給食で米粉のタルトやパンなどを食べたことがある人もいることでしょう。

 では、R-10プロジェクトという米粉に関する取り組みがあることはご存じですか?

 これは「現在日本で利用されている小麦の量の1割を米粉に置き換える」新潟発のプロジェクトのことです。【R-10(Rice flour 10%project)】

 現在日本の食料自給率(カロリーベース)は38%と先進国の中では低い数字となっています。また自給率は低迷しています。

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https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/attach/img/012-3.pngより

 そのなかでも小麦の自給率は特に低く、農林水産省が公表しているデータによると、令和元年度はわずか16%となっています。つまり、国内で消費される小麦の大部分を輸入に頼っているということです。

 そこで、小麦粉の代わりとしての米粉を普及するために県はこのプロジェクトを起ち上げ、米粉の促進のため県内外の飲食店に米粉のPRを行ったり、製品開発の援助をしたり、学校給食での米粉を使用する業者を支援したりするなどさまざまな取り組みを行っています。

 さらに、米粉を普及させることで、大手食品メーカーによる米粉製品の開発を促進し米粉の大口需要が生まれ、米粉用米生産農家が安定的な収入を得ることができるようになるというメリットもあるようです。

 ……しかし米と小麦では食感や用途がだいぶ違う気がしますよね。米粉を小麦粉の代わりに使ってパンやお菓子などを作ったら、どんな味になるのでしょうか?また、作り手から見て、米粉の使いやすさはどうなのでしょうか?本当に米粉は小麦粉の代わりになるのでしょうか?

 私たちはこうした疑問を明らかにするため、県産の米粉を使用したスイーツを販売されている市内の洋菓子屋さんにお話を伺いました。

取材in甘美屋
今回私たちが取材させて頂いた甘美屋さんは、新潟駅南口女池行きバス停前~和合町まででバス約15分、和合町バス停から徒歩5分の場所にあります。

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 お店に到着し中に入ると、店主の笹川さんが出迎えてくださいました。 

 目的の米粉ロールを探してショーケースを見ると、一番下の段に私たちが求めていた米粉ロールが!

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 なんと今回の取材のためにわざわざ用意しておいてくださったとのことでした。甘美屋さんには他にも魅力的なスイーツが置いてあったため、各メンバー気になる商品を買いました。どれも美味しかったです!!

 こちらは一番人気の商品、オムレットです。

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 フワフワの生地で甘みがあり、苺と生クリームの組み合わせが絶品でした!


 その後本題の米粉ロールについて笹川さんにインタビューさせて頂きました。
~インタビュー内容~
① 生徒:米粉を使って商品を作り始めたのはいつですか?

笹川さん:10年前に始めました。当時、米粉を使った商品は珍しかったのでお客さんもよく買われていました。また、米粉はグルテンフリーなので、小麦アレルギーの方も食べられるというところがいいですね。

② 生徒:米粉の商品を始めたきっかけは何ですか?

笹川さん:米粉が出始めて、県が推奨していたからです。そのため、米粉をお菓子にも使い始めました。初めは米粉の粒子が大きかったこともありパサパサして難しかったので、あんまり使いやすくなかったですね。でも今は、改良もされて使いやすくなりました。

③ 生徒:県内産の米粉を使われていますか?

笹川さん:はい。県産のコシヒカリを使ってます。

④生徒:他県の米粉と比べて何か違いを感じることはありますか。

笹川さん:群馬県産の米粉は粒が細かい粒子になっていて使いやすいです。粒子が細かいとくちどけがよくなるので良かったですね。

⑤生徒:小麦粉ではなく米粉を使うことで、実際に良いなと思うことはありますか。

笹川さん:小麦粉に比べてあっさりしているので味をつけたい時にいいですね。

⑥生徒:今後新たに米粉を使う計画はありますか。

笹川さん:新しい味のロールケーキを作りたいと考えています。先代がチョコや大納言をいれて作っていました。抹茶との相性がいいので和の食材で合わせるのもいいなと考えています。


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  実際に米粉ロール(マロン)を買って食べてみました!

 普通のロールケーキよりもしっとりとして、まとまりのある食感です。生地自体にほんのりとした甘みがあり、栗との相性がいいなと感じました。しかし小麦で作られた一般的なロールケーキよりも甘さが控えめなので食べやすかったです。また、洋菓子でありながら、お茶がよく合います。(和風スイーツとしての米粉の可能性を感じました!)


 さらに、料理の専門家ではない私たち一般人でも米粉を扱えるのか検証するため、米粉を使ってパンケーキを作ってみました!
 パンケーキミックスは「佐渡島のお米で作ったパンケーキミックス」(画像左側)という商品をcreemaというサイトで買いました。

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 ~材料~
米粉        200g
卵         2個
牛乳        120~130ml
サラダ油      大さじ1強
ホイップクリーム  適量
冷凍ブルーベリー  適量

  ~工程~
1. ボールに卵、サラダ油を入れて混ぜる。
2. そのあと米粉と牛乳を1に入れて混ぜる。

生地の完成!
3. 熱したホットプレートに生地を入れて焼く
4. 完成!

               作業の様子

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 味は普通のパンケーキよりもさっぱりしていて食べやすく、とても美味しかったです!おかずと一緒に主食として食べるのもよさそうです。また米粉なので普通のパンケーキよりもお腹にたまり眠くなりにくいと感じました。
 工程も普通のパンケーキと変わらず、作りやすいのでもし興味をもったらぜひ作ってみてください!

         

 …ということで、米粉の利用やメリットなどについてたくさんお話をお聞きすることができました。ロールケーキなのに和の食材と相性がいいというのは意外でした。

 しかし米粉を使うメリットは多くあるものの、他県の大規模な米粉製粉所のものにくらべて県内産のものは粒が少し粗いなど要改善の部分もあると感じました。今後米粉の品質改善が進み、ますます米粉の利用が広がれば、R-10プロジェクトの成功につながるのではないかと思います。

 私たち自身、今回お話を聞いたことがきっかけで米粉により興味がわき、お菓子のほかにも様々な米粉製品を食べてみたいと思いました。周りの人にも米粉のお菓子などを広めていきたいと思います!


 さいごに、お忙しい中時間を割いて取材を受けてくださった甘味屋様、本当にありがとうございました。

 ここまで読んでくれた人もありがとうございます☺


甘味屋

〒950-0941 新潟県新潟市中央区女池3丁目57−6
電話: 025-283-6409

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