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セールスマンは嘘をつく。セールスが嘘をついてはいけないこれだけの理由


鳴り物入りで営業部に配属されたスーパー新人セールスマンみさおは全国6位になったがやがて比較的すぐに全国ワースト3位になった。それに関してはこの記事に↓詳細あるのでお時間あるときに

要約すると凋落の原因は、スーパー新人セールスマンみさおの社会をなめきった行動だ。

大学時代ののりで、そこで培ったトークで話が比較的うまかったみさおは、やがて全国6位になった。なんやこれ簡単やんと思ってしまったのが運の尽きだ。

その後禁断と言われていたセールステクニックである「おねがいします」に手を出して、ますます営業なんて屁のかっぱと思ってしまったのだ。そこから坂を転がるように成績が落ちていったのだが直接の原因が約束の不履行だ。

※営業マン禁断の必殺技「おねがいします」の記事はこちら↓

約束履行の必需品なメモ帳

必殺技『おねがいします』が最初はよく通じた。よく考えたら、大学卒業したての営業マンが必死で企画書をつくり汗をかきながら商談していたらそれにたいしてなんとか褒美をで、一回くらい発注してあげようというオーナーや社長やバイヤーがいても不思議ではない。

入社したてのスーパーでもなんでもなかったスーパー新人セールスマンみさおは大いに勘違いしたのだ。

それにより天狗になり、なめきったみさおはやがてまじめに仕事をしなくなった。

店を回るとほとんどの場合そこで約束が成立する。

「本日はありがとうございました。また再来週よせていただきます」

と、注文をいただいて喜んでいるスーパー新人セールスマンみさおは挨拶をする。するとオーナーは

「ありがとうね。じゃあ次回きたときに、今日注文した新製品のポスター持ってきてね、あるでしょ?」

と店主

「はい、来週末にはポスターできあがりますので持ってきますね、大と小2枚づつでいいですよね」

と答えると、店主はそれでいいと返事をしたので、スーツの内ポケットにいつも忍ばせているA6サイズのコクヨキャンパスノートをとりだしてメモする

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2/7
□たけもと薬品 次回訪問時にサランのポスター大と小2枚持参する

日付を書いてその日の約束事項を、前に□のチェックマークをつけて書いていく。1日に10店前後訪問するのでこれがないと終わる。忘れまくって約束不履行が起きまくる。

入社して1週間ほど先輩に同行して営業を学んだのだが、そのときに一番最初に言われたのがこのノートについてだった。

先輩は私に新品のこのノートを渡してくれた

「河村くん、店で約束したことや気づいたことはすべてこのノートに書くんやで。いつも携帯していていつも見るんやで」

といいながら。私は衝撃をうけた。なんと画期的な仕組みなんだと、ただのメモ帳に。というのも学生時代こんな手帳などいっさい使わず見ることなくすごしてきたからだ。

いったいスケジュール管理をおれはどうしてたのかと不思議だが、そんな学生時代だった。だから、これは、この仕組みは最高だとなり、先輩すごいとなり、私はこの仕組みに心底惚れ込み

それこそメモをとり、活用しまくった、最初の3ヶ月は。

すぐに活用しなくなる、あんなに惚れこんだメモシステムに

これはすごいとなったメモ帳をスーパー新人セールスマンみさおはそれを活用しまくった。□のチェックリストのボックスにチェックをつけてその□が☑に変わるのが楽しかった。よく約束を守ったねと言われているようで楽しかった。

そうやってがんばっていたスーパー新人セールスマンみさおはついに最初の約束不履行をやってしまった。

たけもと薬品で受注してから2週間後の2/21訪問日だったので店に向かって車を駐車場にとめた。店に入る前にメモをみた。何か約束してなかったかなとみたら2/7の欄に

□たけもと薬品 次回訪問時にサランのポスター大と小2枚持参する

と記載されていた。□のチェックマークに✓はなかった。

「しまった」

と私は声にだしていた。2週間前、結構無理な商談だったのに、社長は無理して買ってくれたのを思いだした。ポスターをくれというのも思いだした。こんなに無理な商談をうけてくれたのだから、しっかりポスターを貼ってしっかりプロモーションをしかけないとなあと思っていたのをおもいだした。

それなのに、私はポスターを持ってくるのを忘れた。どうしよう、どうしようと考えた。

普通なら、店に行き「すみませんポスター持ってくるの忘れました」とおわびし、来週この地区を再び回るときに持ってくるように言えばいいだけなのに、あれだけ無理してとってあげたのにこの子は約束守られないかと思われるのが嫌で、スーパー新人セールスマンみさおはやってはいけない行動、食べてはいけない禁断の実に手を出した。

である。社長をがっかりさせてはいけないとスーパー新人セールスマンみさおはは絶対にやってはいけない嘘をついたのだ

「社長、先日はありがとうございました。すみません頼まれてたポスターなんですが印刷が遅れていてまだあがってないんです。まもなくできると思うので来週もってきますね」

と。すると社長は

「はいよ」

となんの疑いもなく返事をした。ほっと胸をなでおろしたみさおは、あれほど気にしていたのに一瞬でそれについて何ごともなかったようにそれを忘れその日の商談を終えた

その日あらたな約束をしなかったみさおはその日メモをひらかなかった。それが致命傷となることを知らずに

第2第3のたけもと薬品が出没する

みさおはその日

2/4 □たけもと薬品 次回訪問時にサランのポスター大と小2枚持参する

を横線で消してあらたに

2/18 □たけもと薬品 次回訪問時にサランのポスター大と小2枚持参する

と大きく、もしくは赤色で書くべきだった。案の定、嘘をつくことでその不履行を忘れるほどほっとしたスーパー新人セールスマンみさおは2/25にポスターを持っていくのを忘れた。

2/25はその地区を回るのだが、それをみさおはたけもと薬品の店の前を通ったときに思いだした。

し、しまったと思ったが、ポスターがないのでどうしようもなかった。さすがにもう嘘をつくことができない。とはいえ、もってくるのを忘れましたと伝える勇気はない。どうしようかと必死で考えたみさおの行動は最悪だった


よし、いかんとこ

なんとスーパーでもなんでもないスーパー新人セールスマンみさおは店の前を通過し、いかないことにした。そしてさらに悪いことに連絡をすることもしなかった。

当然、よく顔をだせたなと今さら行くとなるなと思ったみさおは怖くてその店にいけなくなった。ルートセールスのみさおは結局その店に行くのは1年後となった。

もうきっと予想はつくと思うのだが、それ以降ちょこちょこでてきた約束の不履行に対して、みさおは禁断の術「嘘をつく」でのりこえるようになった。

その場でうそをつく「嘘をつく」は1回しか通用しない。その次に完全に約束を履行しないと、そこには2度と近づけなくなる。それを繰り返したみさおは、第2第3のヨシダ薬品をつくりだした。

そしてついにはその数を第50までにした

スーパー新人セールスマンみさおは消滅した

100店前後の担当店舗を持っていたうちの半分の50の店に訪問できなかったセールスマンが目標を達成できないのは火を見るより明らかだ。

必殺技の「お願いします」も店にいけるからできるのであっていけなければ車の中で店の外からお願いしていても注文はとれないのだ

一気に成績が落ちるのはもちろん、会社には「最近おたくのセールスが全然こないんだけど」とクレームがはいるようになった

私はそれをごまかすために言い訳と嘘を重ねたが、そんなものはあっというまに崩壊し詰んだ。

かつての栄光はなくなり地に落ちた。担当していて訪問していない店は課のあずかりとなり、私以外の先輩が訪問するようになった。

それは当然先輩に負担をかけることになり、お前は最悪だな、調子に乗ってるんじゃないよとなった。

猛省し再出発

調子に乗っていたこと楽に営業することでそうなったことが明らかだった。このままでは俺の人生は終わると考えた元スーパー新人セールスマンみさおはどうしようか必死で考えた。

普通の策では絶対に復活できないと考えた私はやがてあるとんでもない、普通の人が絶対にとらないという手をとることに決めた。

結局その極端な手段をとったおかげでみさおはU字回復することになり、中堅になるころには再びトップ付近に戻ることになるのだが、その方法についてはまた書くことにする

最後にひとこと

嘘だけは絶対にあかん

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