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実写版ハイジを見てみた

25年くらい前の会話
友人「映画好き?映画館行ったりする?」
私「まあまあ好きだけどテレビで見ることが多いかな」
友人「映画館で見るのがええねん」
私「見たいけどどうしようかなあと思ってるうちにテレビで放送するから」
友人「どんだけ気が長いねん!(笑)」

という私なので、ハイジの実写版の映画ができたと聞いた頃も、
気になりはしたもののそのまま時はたち、先日テレビ番組表を見て、
NHKBSプレミアムで放送されるのを知り、少し迷ったあと録画予約をした。

何に迷ったかというと、
ハイジといえば子どもの頃テレビアニメで見ていた世代なので、
あのヨーデルではじまる歌と、赤いほっぺのハイジの顔、
それから「ペーター」「おじいさーん」などの声も、
すぐ思い浮かぶくらいしっかりとイメージがあって、
実写版でそれとの違いにがっかりしたくない、というところが心配だった。

迷って録って、録ったから見るか、と皿洗いしながら見た。
あの歌から始まるんじゃないのか、そりゃそうか。
はじめ少し予想と違ったけど、すぐなじんだ。
夫とこどももパソコンやりながら時々ふりむいて見ていた。
見終わってみると、ハイジを見た!という気分がしっかりとあった。

ハイジの原作もずっと昔に読んだ。
内容はあまり記憶がないから、本当に読んだっけ?と自信がなくなるけど、
少なくとも読もうかなと思って本を手にした表紙は覚えてる。上下巻だった。
原作とテレビアニメの違いはどの程度か覚えてなくて分からないけど、
映画のハイジの山の風景やお屋敷の様子などはアニメの絵に近いものだった。

アニメとの違いで私が一番気になったのはハイジの髪型だった。
逆にそんなところが気になるくらい他はアニメのイメージに近かった。
俳優さんたちもアニメのキャラクターに似た顔の人になっていた。
何十回分のテレビアニメより約二時間の映画は短いため、
あのエピソード出てこなかったな、というのはあったし、
クララもう立ったの!という感じはしたけど。

その他、思ったこと。

ロッテンマイヤーさんは、罰として夕食抜き、だの、厳しい叱責だの、
今だと虐待してることになりそうだけど、
昔はあれで、ただ厳しいと言われるだけだったんだなと思うと、
今もああいう人はいるだろうけど、
子どもの人権について世の中は少しはましになったのかもしれない。
少しは。原作から140年経ってまだここか、とも思う。

でもそんなロッテンマイヤーさんでも、たぶん猫アレルギーなのに、
くしゃみが止まらないのを笑われてるシーンは気の毒。
アレルギーって笑い事じゃない。

デーテはハイジを5年世話してきたのに、
ハイジへの愛情はなかったんだろうかと思ったけど、
自身が貧しくて生きるのに精一杯だったら、しょうがなかったのかな。

セバスチャン、うちが大富豪だったら雇いたい。
子どもを安心して預けられそう。
誰にでも礼儀正しく、敬意があり、
でも偉い人にも自分の考えが言えて、
予想外の事態にも冷静に対応。
子どもと接する仕事の人がみんなこんな感じだったらいいのに。

ハイジがセバスチャンに「またね」と言ってるシーン、
なんて言ってるんだろう。ドイツ語?それともスイスの言葉?
吹き替え版はわかりやすいけど、こういう時、字幕版が見たいと思う。

クララをおぶって山を登るおじいさんの体力がすごい。
声は波平さんの人だったのか。

人のうわさ、自分の目、何を信じるのか
当たり前と思っていることの幸せ
誰にとっても学びは大切
強制される教育ではなかなか身につかない
好きなことからだと習得が早い
豪邸に住むクララと物売りの子の格差
都会と田舎のどちらが好きか
人は人、自分は自分
など、いろんなメッセージの読み取れる物語だったんだなと思った。
テレビアニメで見てた子ども時代は、ヤギはかわいい、しか考えてなかった。

スイス、行ってみたいけど、
遠いし、飛行機代も高いし、なかなか行けそうもない。
国内のスイスっぽいところでもいい。
こんなに夏が暑いと高原に住みたくなる。
「海より山がいいの。
アウトドアは好きじゃないし、
階段上っても息切れするくらいだから山登りはしたくないし、
泳げないから海にも入りたくないけど、
海が見たくなることはないけど山が見えるのは好きなの。
わかる?
坂だらけもつらいから、平らで高地で山が見える開けたところがいい。
どうせ家から出ないだろって?そうじゃないんだよ。
家から出ないからこそ、窓の外の景色や外の音が重要なの」
って言う私を、なに言ってるの?と夫は笑っていた。

私「ヨーロッパ遠いなあ。どこでもドアできないかなあ」
こども「そう?」
私「でも、どこでもドア、結構大きくて場所取りそうだよね」
こども「じゃあ、“どこでもまど”だね」
私「どこでもまどってそういうものなの?」
こども「そうだよ。ドアの劣化版みたいなもんだ」
私「窓かあ。通りぬけフープならかさばらない・・・壁ぬけるだけか。だめだ」
こども「そうだね」
私「ああ、今はストリートビューがあるじゃん。それ見とけばいいか」
こども「あ、そう」
私「いや、でもやっぱり行ってみたいよね」
こども「いやべつに」
私「そう?」
出かけたい所がないこどもと、出かける気力がない私。

もう一回ハイジを見た。
夫「ハイジ好きだねえ」
私「いいじゃない何回見たって」

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