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【かるた】て/点々

【て】
てくてく 点々 てんとう虫 

〈点々と続く矢印の罠にはまる小さい人の話〉実家が図書館のわりと近くにあるので、小さい人が幼稚園に入園する前は、よく連れて行って「お話の部屋」で読み聞かせに参加し、帰りに絵本を借りる→実家でおやつというルーチンを週2くらいで過ごす事にしていた。

その図書館は比較的大きい図書館なので、入口を入って15歩くらい歩くと窓口が3つ並んでいる。本を借りる場合は、一番奥の赤い看板「かりる」に並ぶ。

混み合っている際には3〜4人列を作っているので、どこに並んだら良いのか分かりやすいように床に同じ赤い矢印が点々と並んでいる。

入口側から本を整理する長机を囲むように矢印は続き、窓口の前で一旦停止線。そしてその停止線から帰る方向がわかりやすいように、また入口の方へ矢印が書かれている。

大変分かりやすく誘導されているのだが、これを小さい人と並ぶとどうなるかというと

矢印に沿って停止線まで行くのは容易であるが、停止線に止まるとすぐ右の矢印が目に入りついつい入り口方面に帰って行ってしまうのである。

頻繁に通っていたものの、毎度この悪意のないトラップに小さい人は引っかかって長机の周りを2周回る事になる。その度に「こっちこっち!行き過ぎてるよ」と慌てて声を掛ける事になる。

たぶん矢印に気を取られて本来の「窓口で本を借りる手続きをする事」が抜け落ちてしまうのだと思う。

停止線に止まった際に、すかさず貸し出しカードを手渡し、出口誘導の矢印が目に入らないように体でガードをするようにしているのだが、うっかり忘れるとそのままてくてくと出て行ってしまう、、

ので、最近は仕事帰りにひとりで行くか、てくてく出ていく小さい人のガードを夫に任せられるように家族で行くようにしている。

〈小さい人が、いつこのトラップに引っかからずに窓口に行けるかを見届けたいと思う話〉

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