息子の肩幅

 息子の体型について書きたい。
 そんなプライベートなことを。と思われるだろうが、これは別に良い点でも悪い点でもない。そこには客観的な事実しか存在しない「肩幅が広い」という話。


 同じ年頃の男の子がいる知り合いと話していて、改めて知ったのだ。
 「○○くん(ウチの子)て、制服のシャツのサイズ、どのくらい?」と聞かれた時のこと。
 172センチくらいあるし、LLだよ。と言うと「えっ?! LL?? そんなに大きいの必要?」とびっくりされた。どうやら世の中、172センチくらい「あるし」LLではないらしい。そこは172センチ「だけど」のようだ。


 息子、太っていない。やせてもいない。ガッチリ型というほどでもない。カッコいい細マッチョでもない。ぽっちゃりでもない。もうびっくりするくらいフツー。

 なのにLLサイズ。

 いや、正確に言えば、制服以外はもう少し融通がきくので、Lサイズで済んでいる。制服のシャツだけがLLだ。

 彼は、肩幅が広いのだ。腕も長い。

 この骨格を生かして何かスポーツやればよかったのに。夫はそこそこ人並みにできるし、私も体を動かすのは好きだったけど、息子はそうならなかった。そのように夫と仕向けたかったけど、好きではなかったようだ。幼少期に一緒に遊ぼうとしても、毎回全力で抵抗されるので諦めた。鉄棒で、どうしても前回りくらいはできてほしかったので、それだけは話し合って(息子はいやなことだと全力で抵抗するため、話し合いは常に必要なこと)体操教室に通ってもらい、前回りできるようになったらすぐやめた。あとは、ある日突然、水泳で50メートル泳げるようになりたいと宣言し、半年近くスイミングに通った。これも本人の宣言通り、50メートル泳げるようになったら、あっさりやめた。
 とにかくそんなわけで、何にも生かしてきていない。
 あっ。スキーだけは大好きだったらしく、上手になりました。好きなことは、こちらの思惑関係なく、勝手に上手になるもんですね。

 で、実はこの体型、夫とそっくりなのだ。夫はガッチリ肩幅にぽっちゃりが混じっているので、服さえ着ればちょっとしたレスラーのようである。でも痩せている頃、彼の肩幅と腕の長さは目立ったものだった。付き合っている頃や、子供が生まれるまで、気が付いていなかったわけではない。むしろ気になっていた。何をしたらこうなるんだろう、みたいに。


 でも息子が生まれる時に思い知った。

 ちょっと生々しい話で申し訳ないが、生んでいる最中に、助産師さんが「あとちょっとですよ! 頑張って! あああっ……肩が……肩がひっかかっている…」と、一生懸命声をかけつつ半笑いである。


 意識がモーローとする中、「肩が引っかかる? 生まれようとする赤ちゃんの肩がそんなに広い??……そうなんだ。ダンナ、後天的なものじゃなかったのか。生まれつきなのか。知らなかったよ。」と思ったものだった。

 友人のお子さんは、私の息子よりちょっと背が高いようだけど、シャツのサイズはMだと言う。別のお子さんも170センチ以上あるけど、Mサイズだと聞いた。あれっ。そっちの方が普通なの? 息子は肩幅の広さと腕の長さで、LLを着る羽目になっているようだ。
 そんなわけで、息子の肩幅が広い。


#肩幅が広い #生まれつき #腕が長い  

読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。