「神は乗り越えられる試練しか与えない」。スクリプトドクター・三宅さんの「反対のものをぶつけるといい」脚本アドバイス。

小説や漫画、映画でもストーリーがありますが、主人公に課題を与えると物語がどんどん広がっていく。

TBSのラジオで放送されてポッドキャストで公開された、日本に数人しかいない脚本の医者・スクリプトドクターである三宅隆太さんが「ママとパパのはじめてのおはなしづくり講座」で、物語の組み立て方を紹介しています。ポッドキャストでの公開は終了しましたが、nakamura001さんが番組での話の内容を書き起こしておられますので、興味のある方は読んでください。すごく読まれているので、知ってる方も多いかもしれません。

「ママとパパのはじめてのおはなしづくり講座」ですから、子供に聞かせるための創作話です。子供にわかりやすく物語を作って聞かせるため、ストーリーの組み立て方、展開方法をすごくシンプルにまとめ、解説しています。初級者向けですから、念のため。

作文などでよく「起承転結」を入れるという話があります。学校や会社で書くレポートでもそうですし、取材記事を書くにしても、また、このnoteに書くことにしても「起承転結」は大事です。ただ800字くらいの文章なら簡単なことですが、小説や映画のストーリーとなると、そんな単純なことだけでは作れません。

村上もとかさんの漫画『Jin -仁-』を例に挙げると、主人公が幕末にタイムスリップする。現代の脳外科医が幕末の医療科学の世界へ行き、そこで医者として生きていくとどうなるか。主人公は当然、自分が医師として行動することよって歴史が変わってしまうのではないかという難問題にぶつかってしまいます。これが物語の課題です。

さらに、医学の知識も医療技術もあるが、薬や治療器具がない幕末時代。どうするか。これも課題のひとつです。そして橘家の人、緒方洪庵や蘭学者たち、坂本龍馬が仲間です。

課題を与えるのは作者の村上さんですが、主人公は仲間とともに課題を克服していくわけで、「神は乗り越えられる試練しか与えない」という言葉がテーマです。

主人公の苦手なもの、簡単には解決できない問題を課題としてどんどんぶつけていく。得意なこと、容易に解決できることに対して「反対のものをぶつける」。そうするとストーリーがどんどん広がっていくということです。

創作なんて関係ない、などという人もいるかもしれませんが、これは「ママとパパのはじめてのおはなしづくり講座」です。子供の成長に欠かせない想像する力を養うという現実の世界の話です。想像力は問題を解決し世の中を前へ進めるために必要なもの。無視することは少々問題です。

もちろん子供たちだけではなく、創作活動をする人たちにも役に立つ話です。

三宅さんは、『スクリプトドクターの脚本教室』 初級編と中級編の本も執筆されています。(まだ読んでませんが)。

nakamura001さんのブログはこちらです。まだ読んでない方はどうぞ。

http://d.hatena.ne.jp/nakamura001/20150429/1430327314

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