見出し画像

【 劇場版シティーハンター <新宿プライベート・アイズ> 】 ex.002

19/日/16:9/総監督:こだま兼嗣/脚本:加藤陽一/総作画監督:菱沼義仁

当然といえば、当然なのかもしれない。実名で記事を投稿している以上、知人にその存在がばれることはあり得るのだ。
今回は、知人よりなかなかに私の感想文が面白いから、レビューを書いてくれとの依頼があったので、劇場観賞作品ではなく、自宅のテレビで視聴した劇場用アニメについて感想を書きたい。それが、本作『劇場版シティーハンター<新宿プライベート・アイズ>』なのである。フランス版の実写映画とどちらでもいいと言われていたのだが、せっかくなのでアニメの方をAmazonプライムにて視聴した。フランス版の実写映画については、機会を設けたいと思う。この文章をKKに捧ぐ。

『シティーハンター』は、幼い頃にアニメがテレビ放映されていたので、その存在は知っていたし、実際に視ていた記憶がある。ただ、漫画が連載されていた当時は、まだ私は文字を読むことが出来ないくらいの子供であったので、読んでいない気がする。でも、ドラゴンボールは読んでいた記憶があるんだよなぁ。
正直な話、私の中では、アニメよりも、ジャッキー・チェン主演で実写化された作品の方が、強く印象に残っている。本来であれば、ガン・アクションがメインとなるはずであるが、ひたすらカンフーで殴り合うという、全く作風の異なるものとなっていた。まぁ、ジャッキーのファンであった私には、原作があろうとなかろうと、何でも良かったのだが。ゴクミが可愛かったなぁ。
それにしてもなのだが、これまでに邦画で実写化されていないのは何故なのだろう?年代的なものを考えれば、真田広之あたりが主演を務めていても良さそうなものだが。現在ならやっぱり、山﨑賢人になるのだろうか。

前置きが長くなったが、これより映画について触れていきたい。
ストーリーについて。警察には頼れない様な案件を引き受ける、裏社会のスイーパーとして活躍する冴羽獠。ある日、モデルの亜衣からボディガードを頼まれる。写真撮影の現場に同行する獠と香。そこで香は、幼馴染の「ひょろっち」こと、ドミナテック社長の御国と偶然に再会する。御国から、自分の仕事のパートナーになってくれないかと誘われる香。幼い頃から見違える程立派になった御国の姿を前に、香は困惑するのだった。その頃、海外より傭兵が集結しているとの情報を得る、海坊主。その傭兵達が、亜衣をつけ狙うのであった。そして、公安警察より、大物武器商人が日本にやって来るとの知らせを受ける獠。果たして、亜衣と新宿の街を守り切ることができるのか。

キャストが一新されていてもおかしくない状況ではあるが、テレビアニメ放映当時の声優陣がそのまま声を当てていることに、なんだか顔が綻ぶ。当時は何とも思っていなかったことなのだが、現代に比べると、女性の声の印象というものが、随分と大人びている。いや、正直な書き方をすると、表現としてはあまりよろしくないが、ババ臭い声なのだ。低くてしっとりしている。こういう声を最近はとんと聴かなくなった。現在は逆に、高く甘めの声が主流な気がする。まあ確かに、萌え寄りの作画のキャラクターが多いからなぁ。

物語冒頭、東宝配給作品でもないのに、ゴジラに火を吹かせるとは随分と粋な事をするじゃないか。と思っていたら、人々が手にしているのはスマートフォン。当時の時代背景ではなく、今作の舞台を、現代のものとして描いている。ふむふむ。この方が初見に方にも受け入れられ易いかもしれない。

それにしても、前半からもっこりギャグのオンパレード。記憶が薄れているのもあるだが、昔のテレビサイズではそれ程気になっていなかった。だが、今作は隙さえあれば、もっこりチャンスで100tハンマー。全然話が進まないじゃん!てなる。確かに『シティーハンター』といえば、もっこりなのだが、ちょっと多過ぎますよ。現状の世相からすると、拒否反応を示す方もいらっしゃるのではないでしょうか。まあ、私は好きですけど、もっこり。

意外な事に、劇中に『キャッツ♡アイ』のお姉さま方が登場する。これはてっきり、『キャッツ♡アイ』の再アニメ化につながる宣伝的なものなのかと思っていたが、続報はなし。単なる北条司ファンに向けたものであったのか。

物語の展開としては、往年のまま。現代的な伏線を張り巡らせたりするような事のない、王道そのもの。犯人像が、傍から見れば滑稽な妄執に囚われている人物、というのが顕著な例だろう。だが、これが良いのだ。おそらく、対象として30代後半以上を狙って作られているのだろう。それ等の年代のノスタルジアやセンチメンタルに訴えかけているのだ。10代、20代に分かって貰う必要もないのだ。子供は去りなさい。

音楽も昔の曲が随所に使われていて、懐かしさを刺激される。エンディングで流れるTM NETWORKの「Get Wild」には、テンションぶち上げでご座る。これが聞きたかったのよー。そこで気になったのが、獠からズームバックするというラストカットなのだが、このズーミングが妙にカクカクしていた。これはひょっとして、セルに起こして実際にカメラズームで撮影したのではなかろうか?テレビアニメが放送されていた当時のスタッフが多く関わっている今作だけに、そういった矜持の様なものを最後に込めたかったのではないか、と私としては思っている。

後半に向かうにつれて、ややダレてしまった気がするが、清々しい位のエロに対する貪欲さに、元気を貰えたし、楽しめた。誰かを守る為に戦うのが男ってものだ。私も心に銃を忍ばせて、やる時はやる人間でいられるように努めたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?