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食事介助って大変。(介助される側視点)

食事介助マスター?

自分はノートパソコンのタッチパッド操作は何とかできるけれども、
箸を持ったり、スプーンを握ったりすることはできません。
仮に持てたとしても、それを口の高さまで上げることができません。

つまり、食事に関しては「要・全介助」ということになります。

気管切開手術前後の経管栄養時代を経て、約6年。
単純計算でも365日×3(朝昼晩)×6年=6570回。
全ての食事を全介助して頂いて来ました。本当に感謝です。
これはもう、食事介助マスター(ただし、介助される側)と言っても過言ではないのでしょうか(笑)。

人工呼吸器ユーザーなので、声を使ったコミュニケーションは取れません。また、筋疾患のため開口量が通常の成人男性半分程度しかありません。
そんな自分が思うのは、「食事介助って本当に難しいな」ってことです。
今回は、ワンコとネコの2つのケースで、その難しさをを紹介したいと思います。


ケース1:わんこそば

食事介助をする上での注意点として、「①食事のペースは患者さん優先、決して急かしたりしないようにしましょう」というものがあると思います。ふんふん、言われればその通り、ですよね。
また、「②しっかり嚥下(飲み込み)が出来ているかを確認しましょう」というのも注意点としてあると思います。これも大事なポイントですね。食べ物詰まらせたりしたら大変。ふんふん。

一見すると別々の注意すべきポイントのように見えますが、あるポイントを意識しないとこの2つは両立しないんです。さて、そのポイントとは何でしょうか?ヒントは「わんこそば」です。

自分が咀嚼し嚥下するまで、じっと自分の様子を凝視している介助者さんは結構います。前述したポイント②のためですね、これはよく分かります。自分が少し気になるのは、この時の介助者さんの構え方なんです。
介助者さんの中には、次に食べる分をスプーンに乗せた状態で、いつでも次の分を差し出す構えをしてコチラを凝視している方がいるんですね。嚥下を注視することに気を取られて、無意識にそうなってしまっている人が多い印象。過集中のあまり(?)、咀嚼中にも関わらずスプーンを口の前に持ってくる人、口の前でスプーンを止めて凝視している人も。
いやいやちょっと待って!わんこそばじゃないんだから!と思わず言いたくなります。スプーンを構えられて凝視される無言のプレッシャー。一度に食べられる量が少なくてごめんね。嚥下筋が弱くて飲み込みが遅くてごめんね。焦りでなかなか嚥下できない悪循環に陥り、いつも申し訳ない気持ちを感じてしまいます。


ケース2:ねこまんま

自分が生まれ育った地域では、「ねこまんま」とは「ご飯の器に味噌汁をかけたもの」を指します。美味しいから好き!っていう方も結構いらっしゃるのは重々承知の上で言いますが、自分はこれ、結構苦手なんですよね。ご飯はご飯、汁物は汁物として別々に味わいたいタイプ。
食事介助が必要な人というのは嚥下に何かしらの問題を抱えている場合も多く、多くの場合、水分を多く含ませた方が飲み込みやすいのかな?という先入観と親切心でやってくれるんですよね。ありがたいことなのですが、出来ればかける前に一声かけて欲しいなあという思い。
ちなみに自分はお茶漬けも苦手です(笑)。

似たような事例で、開始早々ご飯の器に主菜副菜全部乗っけちゃう人も結構います。きっとこの人は牛丼とか親子丼とかが好きなのかなぁなどと思いつつ、やっぱり一声かけて欲しいなあ。
些細な事と思われる方もいらっしゃるかとは思いますが、自分くらいベテランになると、味噌汁にバナナヨーグルトぶっこまれた経験もあるんです
(#私だけかもしれないレア体験 !?)。そういう事なんです。


おわりに

他にもいくつか思いつく点がありますが、今回はこの辺で。
もしかすると「食事介助される側の声」って意外と貴重だったりするかもなと思い、書き起こしてみました。一人でも多くの食事介助者に伝わればいいなという思いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。


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