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開いた時

本を読む機会がとても少なくなっている。
Kindleとかね、スマホで読み物は読むんですけどどちらのどの人が書いたものかはあまり気していない。
だから読んだ後も全然覚えていない。

スマホはアプリを開けばいつでも続きが読める。
何ページまで読んだか、あとどのくらいで読み終わるのかスマホの中の世界ではあまり気にすることではない。

先日読みかけで閉じた本を今日開いたらもともと挟んであった他の新刊の紹介みたいな広告の紙をしおりにしていたみたいだ。
「おや、イケメンが」となった。
こんな誰からも文句を言われなさそうな顔面に失礼かもしれないが誤解があるといけないので言っておくと私のタイプではない。
北村匠海さんという方らしい。

しおりについては今まで給料明細や、香水のテスターを吹き掛けて持ち帰ってきたちょうど良い形の上質の紙、年金定期便のハガキなどいろんなものを挟んできた。
本がメインなので挟むものはなんだっていいかもしれないがやはり見て心が踊るようなものを挟んでおくと気分がいい。
思いがけず目に入るというのがいいんだと思う。

そういえば私たちは思いがけず好きなあの人に会うために下敷きの中やガラケーに想い人を挟んできたではないか。
私はカモフラージュも必要だったので宝生舞やPUFFYと一緒に三宅健や堂本剛を挟んでいた。

今日本を開いた時に出てきた今をときめく方の顔を見てなんだかスマホの中では広告に使われている部分を少し取り返した気がした。
いうてこの挟んでいるものも広告なんだけど、一度私の意思でここに在るのでもはや無理やり見せられているものではない。

スマホで読んだ本の作者は覚えていないが、このしおりの代わりにした人の名前はしばらく忘れないだろう。

今日新しい本を買ったのでこの本に挟むイケメンでも探しておこう。

しおりにはイケメンをというお話しでした。



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