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誰かの犠牲でビジネスは成り立たない

 ビジネスが上手くいかなくなる時、そこには秘密が存在する。それも不利益に関する秘密だ。つまりそのビジネスの関係者の内、一部の人が不利益を被ることを公表しない、もしくはできない時、そういう状況に陥ったビジネスは必ず上手くいかなくなる。
 それは不公平の隠蔽だからである。あるいは、一部の人のみが得をする意図的な利益誘導だからである。そこにはビジネスと謳うだけの社会貢制や倫理性がない。即ちそのビジネスをやるにあたってあるべき理念が、崇高な目的が汚されてしまっている。

 そのような秘密を抱えたビジネスは、一部の人のものになる。するとそれは一部の人だけで運用されるようになる。知らずに協力する人々がいても、その本当の目的は隠されているのだから、真にそのビジネスに貢献できているわけではない。本当の目的とは、元々の理念から変質した、一部の人にとって都合の良い不公平な理念である。
 それは一部の人によって独占されるものであるから、もちろん、それを知らない人には関係がない。ビジネスが多くの人を巻き込んで大きく進んでいけるのは、すべての関係者に利益があるからである。それが協力する理由だ。

 もし、そうではないのなら人は離れていく。あるいは協力できることがズレていく。次第にそのズレは不協和音となる。ビジネスは瓦解していく。問題が起こり、明らかになる。隠された不利益が。一部の者にしか供されない利益が。
 そのビジネスは実はおかしかったということがわかれば、崩壊は速まる。だから益々、それは隠蔽されることになる。ビジネスとは多くの人の協力によって成り立つにもかかわらず、それが難しくなる。

 そうして秘密の存在するビジネスは上手くいかなくなる。それは必然たる仕組みだ。そのためビジネスに秘密はない方がいい。継続したいのなら、多くの人の協力や成長を取り込みたいのなら。不利益に関する秘密はない方がいい。

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