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恐るべし貴州

年末に貴州省に行っていた。
あまり有名なところではない。山が多く、地形が複雑で、交通の便が悪く、産業用地も確保できない。中国国内でも貧困地域の扱いを受けてしまっている。

貴州省は、中華人民共和国南西部に位置する省。平均標高 1,000 メートル程度の起伏に富んだ高原になっている。広いものは見られないことから、「地に三里の平地無し」と言われている。伝統的に経済的には恵まれず、「人に三両の銀無し」と言われてきた。
Wikipediaより〜

平地無しとか銀無しとか、ひどい言われようである。

株価はすごい

けれどもこの地には全中国人民が世界に誇る名産品がある。それは茅台(マオタイ)酒だ。

茅台酒は、中華人民共和国貴州省特産の高粱を主な原料とする蒸留酒。白酒の一つで、世界三大蒸留酒の一角に数えられる(他はスコッチウイスキー、コニャックブランデー)。2020年に製造企業の貴州茅台酒は、コカ・コーラなどを超え、飲食産業における時価総額が世界一となった。
Wikipediaより〜

な、なんと、コカコーラ超えですよ!
ウソかと思ったけどこれはほんとうである。

うちの会社の若い女性も、何年か前に貴州茅台酒の株を買ってずいぶん儲かったと自慢していたっけ。

美酒の都

さてそんな貴州省の省都である貴陽市であるが、飛行機を降りたときからただならぬ気配を感じていた。

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空港のブリッジ、通路、出口、市内の電光掲示板

すべての広告が白酒・白酒・白酒で埋めつくされている!

恐るべし。

そして乾杯へ

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なんの躊躇もなく乾杯へ突入である。本場貴州の白酒は、香りはあくまでも主張控えめ、口に入れると少しだけとろみがあり、53%を感じさせない素晴らしいお酒でした。

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そしてこの日に食べたのは「酸湯魚(Suan Tang Yu)」という鍋料理。トマトを発酵させて辛く味付けしたスープに、「活殺」の新鮮なナマズを投入する。以前、川魚は苦手だという記事を書いたのだけれど、この酸湯魚はほんとうに全く臭みがなく、いくらでも食べれてしまう。上海と違って水がきれいなんでしょうねー。辛酸っぱい料理を食べて、乾杯で口がすっきりして、また食べて、また飲んで、というのを繰り返して、めちゃめちゃ酔ってしまった。

この組み合わせは反則… 恐るべし貴州。

さらにこのあと、ミャオ族のお姉さんたちが歌を歌いながら客を羽交い絞めにして米酒(マッコリみたいなやつ)を延々と飲ませるという演出が始まる。これがダメ押しになって死亡。

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実は8年前に貴州を訪問したときにもまったく同じパターンでやられたのであった。学習能力ないのか。

異常な価格設定

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帰りみち「貴州茅台酒」のお店があったので寄ってみる。価格は数千元のものから、高いやつは88000元(140万円!)もする。打倒ロマネコンティであろうか。もちろんこれらはすべて「プレゼント用」であって、普通の人は買わない。特殊贈答品と時価総額No.1というザ・中国な組み合わせ。あやしい。

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さて話の流れで、「貴州茅台酒の創始者の子孫がやっている酒造メーカーがあるからぜひ行くべき」ということで、訪問することになったのであった。

つづく


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