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ロープトゥの正しい乗り方

小規模スキー場にある「ロープトゥ」なる滑走式リフトは、気になる存在だ。
チェアリフトに比べて簡素な構造のロープトゥは、設置管理の負担が少なく、零細のロコスキー場では重宝されてきた。
ロープ(rope)は「綱」、トゥ(tow)は「牽引」を意味する。
モーターの付いた円盤と受けの滑車の間に綱(ケーブル)を渡し、ぐるぐる回る綱につかまって、スキーを滑らせながら山を登るというわけだ。
乗るにはある程度のスキー技術が必要で、初心者が使うのはまず無理。
そんなわけで、リゾートスキー場では、なかなかお目にかかることができない絶滅危惧種である。
ロープトゥの醍醐味は、何といっても綱を離すまで転ぶことが許されない緊張感。
慣れないと、山から滑り下りるよりも、ロープにつかまっているほうが疲れる。
ただ、もちろん自力で山を登るよりはマシ。登山がいかに過酷か、チェアリフトでこれまでいかに楽をしてきたか――そんな気付きを改めて与えてくれる。

北秋田市の薬師山スキー場に「ロープ塔の正しい乗り方」なる古びた掲示を発見。年季が入りすぎているが、かろうじて判読できたので、掲げたい。

1 スキーとロープが平行になるように立ち、右手で前のロープを、左手で後ろのロープをつかんで乗って下さい。
2 ロープにつかまったら前を見て、からだを左右に振ったりしないで下さい。
3 転倒した場合は、すぐ手を離して下さい。
4 ヤッケ等がロープに巻きつくことがありますので、注意して下さい。
5 順番をまっている時は、係員の指示にしたがい割り込んだり、不正のないように特に注意して下さい。

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