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back number「アイラブユー」より、君について


back numberのアルバム『ユーモア』より、「アイラブユー」という曲をきいている。

NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』の主題歌としても、きっと多くの人の耳に馴染んでいる。

(Apple Musicを使っているので上記リンクを貼ったが、ほかのサブスクでもきけるだろう。)


「アイラブユー」ときくと、またはその文字をみると、個人的には真っ先に恋愛を思い浮かべる。

アルバム『ユーモア』をきくまでは、私はラブソングに抵抗があった。
しかしこのアルバムをきいて、それは私の勝手な先入観から来る抵抗に過ぎなかったと感じた。


この曲に登場する「君」。
この曲をきいた人にとっての「君」は誰だろうかと考える。

好きな人、お付き合いしている人、妻、夫、パートナー、友達、仲間など、人によってさまざまだろう。

この曲の「君」は、思い浮かんだその人(またはその人たち)で間違いないのだと思う。


作品として、この「アイラブユー」という曲が世に出された瞬間、この曲はきく人の「アイラブユー」となる。


日常の中のふとした瞬間に、この曲が頭の中で流れ、同時に「君」が浮かぶ。

きく人にとっての「君」、または「君」たち。

きく人が思い浮かべる「君」は、その「君」(または「君」たち)で合っている。

私にとって、この曲における「君」は、祖父母4人だ。
4人なので、正確には「君」たち。顔も浮かぶ。声も。


この曲をきいて思うのは、私がみている景色をそのまま、祖父母たちに見せたいということだった。

この記事の写真は私がスマホで撮影したものだが、祖父母に見せたい景色、静止画だ。

できれば、私の目でみた通りの、そのままの静止画を祖父母にみせたい。

映像になれば尚更いい。
私がみせられた通りの映像を祖父母と共有したい。できれば音付きで。

日常のふとした瞬間に、「この景色を見せてあげたい」と思える人が、この曲でいうところの「君」なのだと感じる。

横切った猫に
不安を打ち明けながら
ああ 君に会いたくなる
back number「アイラブユー」より
駅前のパン屋と
踏切の閉まる音
ああ 君に会いたくなる
back number「アイラブユー」より


この「アイラブユー」をきいて、「この曲いいよ」とすすめたくなるのは、きっとそれぞれの「君」に対してだろう。

私の祖父母への思いが凝縮したような詞もあった。

地図なんかないけど歩いて探して
君に渡せたらいい
道のりと時間を花束に変えて
君に渡せたらいい
back number「アイラブユー」より


ここまでは曲だけで、私だけの静止画や映像を頭の中に思い浮かべた。

ミュージックビデオでは、この曲をどのように描いているだろうか。

(YouTubeのリンクを貼った。)

初めて「アイラブユー」のミュージックビデオをみた。
これまで上記で書いてきた、私の思い描く「君」と全く違うことがわかる。

ただこれはミュージックビデオに対して責めているのではない。

人がひとつの作品に対して思い描くものは人それぞれ違うということ、それ自体がとても面白い。

面白いものに出会うこと自体が生きる動機にもなる。

曲についても、ミュージックビデオについても、作品を完成させ世に出してくれた方々への感謝しかない。


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