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【潰瘍性大腸炎】イギリスの医療の話。

だいぶ空いてしまったが、なんとなくネタが溜まってきたようで、ここに書き留めてみたい。

私のような慢性疾患を持つ場合、イギリスで医療にかかる費用が驚くほど安いことが多い。外国人なので、年間200ポンド(約3万円)の保険料を払ってはいるが、基本的に診察は無料。血液検査も、ワクチン接種も、義務付けられている子宮頸がん検診も無料である。

薬代はかかるが、一種類につき一律1200円ほど。これがいかに高額な薬であってもそうなのである。安い薬でも同じなので、風邪くらいで薬をもらうと高くつくことになるが、私のように、免疫抑制剤のアザチオプリン、そしてメサラジンという炎症を抑える薬を長期で飲む場合、非常に安く感じるのである。実際、先日GP(かかりつけ医)へ行き、処方箋を書いてもらえないか頼んだところ、2ヶ月分を出してもらった。2種類の薬なので、2400円ほど。ちなみに日本では3割負担、1ヶ月分で9000円ほどである。

そんなありがたい国なのであるが、もちろんそれほど良くないところもある。これだけの医療を税金(プラス外国人からの少額の保険料)で賄おうとしているため、どうしても良いサービスとは言えない。私はGPに潰瘍性大腸炎の話をしたら、専門医への紹介となった。まずその前に血液検査をするから、帰りに予約するように、との指示。ただ採血するだけなのに、3週間後まで空いている日にちがないという。そして、専門医との面会予約。これまた3ヶ月近く待たされるのが普通だ(ガンの疑いの場合は緊急ということで二週間らしいが)。私はすごく急いでもいないため、文句もないのだが、日本だったら絶対に起こり得ないことであろう。

さて、その血液検査の日が今日だったのである。子宮頸がん検診もするように、というお知らせが来ていたので、それも同時にやってもらった。あらかじめ言っておくが、イギリスの医療レベルは信用ができる。衛生管理も看護師さんの腕も、心配するようなことは何もない。しかし、快適でいられるか、というと、そういうわけではないかもしれない。

なんたって、採血の針が太い。日本だと、血管が細めの私に合わせて、細めの針を選択してくれたり、普通サイズの針でも太くは見えない。しかし、今日袋から取り出された針は、一目で太いぞ、と思うようなものだった。実際、今までで一番手応えのあるぶすっとした感触がある採血だった(笑)

少々痛い腕を抑えながら、子宮頸がん検診に行く。日本だと、内診台があり、カーテンが敷かれ、ほとんど違和感もなく終わるが、ここでは普通の平らな診察台、看護師さんは、わざわざ入れる器具を見せに来てくれる。これがなかなか立派で大きく、性体験のない人だったら、結構痛いんじゃないかと思う。実際それをグリグリとやられて、出血こそしなかったが、かなり圧迫感があった(笑)

こんな時、日本のきめ細やかなサービスの質の高さに改めて感嘆する。同じことをするのでも、不快感がないように、個々に合わせて器具の大きさを選択したりするのが当たり前になっている。あまりに当たり前で、こうやってイギリスに来るまで思い出しもしなかったようなことだ。

その一方で、この一連の検査がすべて無料のイギリスにもびっくりだ。頼んでいなくても、これをするように、あれをするように、と教えてくれるし、それを外国人に対してもやってくれる。

双方をありがたく受け取り、健康維持と病気予防に使わせてもらおう、と新たに思う。もうすでに潰瘍性大腸炎になってしまっているが、これ以上人々の税金の世話にならないためにも・・・。

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