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1000字でまとめる『世界標準の経営理論』~ 2-0 マクロ心理学ディシプリンの経営理論 (第2部 序章) ~

2019年12月に早稲田大学の入山教授が出版した『世界標準の経営理論』。出版早々に購入するも、面白そうな章だけつまみ食いした以降は、3年ほど本棚の肥やしとなっていた。しかし、2022年10月にマネジメントへの一歩へを踏み出す中で【経営】への関心が再び高まり、この機会に丁寧に読み直すことにした。

本noteは自身の咀嚼を主な目的として、各章の概要を各noteで "1000字程度" で整理すると共に、読む中で感じたことを記録する備忘録である。なお、今の自分にとって目に留まった章から順番に触れていく。

(導入説明 300字、各章概要 1000字、振り返り 500~1000字 構成である📣)


1.本文概要:マクロ心理学ディシプリンの経営理論

✄『世界標準の経営理論』該当ページ:P199~P203 ✄

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人は、心理的な生き物である。したがって人の心理を基礎に、企業・組織・ビジネスのメカニズムを解き明かすアプローチには納得するところである。実際に心理ディシプリンからの多くの切れ味のよい経営理論が生まれ、実証分析での検証を通じて、既に豊富な知見が得られている。

この第2部では、「マクロ心理学ディシプリンの経営理論」を解説するが、マクロ心理学とは入山氏の造語である。第2部で紹介される理論は、主に組織単位 (=経営学におけるマクロ) のメカニズムを説明するのに適している理論であることを背景としている。高い説明力を持つ対象は、組織の変化、組織学習、そしてイノベーションである。

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マクロ心理学ディシプリン理論の多くでベースとなるのは、認知心理学 (認知科学) である。認知心理学は、人・組織の「周辺環境から情報を認識・収集して、それを処理し、アウトプットを生み出すプロセス」に着目する。ノーベル賞受賞者でもあるハーバード・サイモンを始祖として、1940年代から著しく発展してきた分野である。その知見が、経営理論に応用されている。

いま世界中の企業の多くで求められているのが、組織の変化、学習、イノベーションであることは論を持たないが、多くの企業は変化を生み出せない。それはなぜなのか? 変化、学習、イノベーションのために、組織は何をすればいいのか?そのような現代の必須テーマに鋭い思考の軸を与えるのが、認知心理学ベースの経営理論である。

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具体的には以下の3つの理論グループで示される。

①カーネギー学派の理論
認知心理学をベースにしながら組織メカニズムを解き明かす研究者の一大勢力を総称して「カーネギー学派」呼ぶが、本学派が発展させてきた理論群。大きくは「企業行動理論」「知の探索・知の深化の理論」に触れる。

②組織の記憶の理論と、組織の知識創造理論
「組織学習の循環プロセス」の中で示される「サーチ・知の探索」「組織の知の記憶」「組織の知の創造 (獲得)」の3つのサブプロセスに関する理論。野中郁次郎教授の「SECIモデル」も本項にて紹介される。

③組織の変化の理論
多くの経営者・ビジネスパーソンにとっての重要課題が、組織の変化・進化であるが、「なぜ組織は時に変化し、時に変化できないのか?」に関するメカニズムを解き明かす理論。カーネギー学派の影響を強く受ける。

2.本章に対する振り返り

「経営学」と「認知心理学」の結びつきが実は深いことが非常に印象的であった。『経営』に関しても突き詰めれば "人の営み" であるからこそ、人の認知に左右される部分があると言われれば非常に納得する ところであるが、この章に触れる前の時点では『経営』に対する印象はもう少し淡泊なものであったかもしれない。

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この章では何でもかんでも「認知心理学」が重要であることをうたっている訳ではない。明確に「変化、学習、イノベーションのために、組織は何をすればいいのか?」に対する思考の軸としての位置づけ を示している。組織目標は数字によって示されるが、その数字の達成に必要な組織変化を生み出す術はそれらの数字を導く術とは異なるという解釈も出来る様に思う。

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本章を入り口として「認知心理学」を軸とした組織単位でのメカニズムに入っていく訳であるが、自身としてもいちチームのマネジメントを担う立場でありながら "これまで触れる機会の無かった多くの言葉" が出て来ることについては少し焦りを覚える部分があった。現場ベースで考えることももちろん大切であるが、理論側からも視点を広げていくことに引き続き努めたい。

【参考資料】


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「知恵はかい出さんとあかん、井戸から水を汲み上げる様に」を大事にしながら、日々のマネジメントに対する振り返りをツイートしています👇



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