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とある社会人のワークショップ ~理想のオンラインセミナーを目指してみる~ (2022.5.27)

このnoteは、主催したワークショップから得た ワークショップ開催に関する学び を残していくnoteです💡

今回企画(&自分も登壇)したオンラインセミナーでは、Miro(オンラインワークショップツール)を活用しながら (自分の考える) 理想のオンラインセミナー を目指してみました。

ちなみに今回企画したセミナーは "ある勉強会での学び" を参加されていない他の方に紹介することを目的としたセミナーです。

リアルでのイベントもだいぶ復活してきた中ですが、今後もリアルとオンラインでのセミナーは共存していくかと思いますので、今回のnoteでは自分なりに理想を追求したオンラインセミナーの流れと手ごたえを備忘録的に残しておきたいと思います。

ちなみにMiroとは、一言では「オンラインホワイトボードサービス」と表現されるツールです。以下のページを見ると、概要が分かると思うので、もしご存じない方がいたら合わせて覗いてみてください!

1.オンラインセミナーでのモヤっとポイント🌀

社内で新規事業的なところに関わっていたこともあり、コロナ禍の約2年間においては、合間合間でそれなりの数のオンラインセミナーに参加しながら、自分も社内外で10以上のオンラインセミナーを企画してきました。

ただ、振り返ると (セミナーの内容にもよりますが)、総じていくつかのモヤっとポイントがありました。具体的には以下の5つの様な内容です。

◇5つのモヤっとポイント🌀◇

①冒頭参加が遅れた時に聞き逃した導入説明を再度拾うチャンスがない
 (セミナーの全体像が分からないまま、残りのセミナーを聞く形になる)

②チャットに投稿したコメントがどんどん流れていってしまう
 (少しテンポが遅れると、コメントを書きにくくなってしまう)

③本編時の投影内容詳細が思い出せず、Q&A時の質問精度が落ちる
 
(本編で説明があった内容と、Q&Aの回答が重複してしまう)

④セミナーに対する感想を参加者同士で柔軟に共有できない
 (運営者側への一方方向な吸い上げ式がほとんどである)

⑤感想に対して、登壇者からのフィードバックが得られない
 (感想を踏まえて思うところがあればコメントが欲しい)

モヤモヤの発生背景は、資料開示の方針やツール上の制約、事務局側の工数など様々ですが、いずれも改善されると個人的にはとても嬉しいポイント💡

そのため、今回自分で企画(&自分も登壇)したオンラインセミナーでは、Miroを活用しながら、上述のモヤっとポイントを解消することを意識した (自分の考える) オンラインセミナーの理想像 を目指すことにしました。

2.理想を目指したオンラインセミナーの流れ

前述した モヤっとポイント🌀 を解消するために、今回のセミナー用に準備したMiroのシートは以下の様な構造となります。(セミナーの参加者にはセミナー参加に合わせて、こちらのシートにも同時参加して貰いました ^^)

<オンラインセミナーの理想を目指して作成したMiroの流れ>
[1] 導入説明資料
[2] コメントエリア①(1人目登壇中)
[3] 感想エリア①  (1人目登壇後)
[4] コメントエリア②(2人目登壇中)
[5] 感想エリア②  (2人目登壇後)
([4]、[5]は[2]、[3]の繰り返しです💡 ※登壇者数に応じて増殖)

(今回企画したセミナーに合わせて準備したシート)

あくまで参加者の主目的はセミナー聴講ですので、シート自体をややこしくすることは避けることを意識し、比較的シンプルな構成としています。

以下では[1]、[2]、[3] について狙いとセミナー実施時の様子を紹介したいと思います。([4]、[5]は[2]、[3]の繰り返しの位置づけです)

なお、シートの右上ではMiro初心者向けの動画リンクを紹介しています。
実際のリンクは以下ですので、もし良ければご参照ください!
 👉 https://youtu.be/lFZRx-VzzmQ

■狙いと実施時の様子 👉 [1]導入説明資料

この部分で解消することを狙った モヤッとポイント🌀 は以下になります!

①冒頭参加が遅れた時に聞き逃した導入説明を再度拾うチャンスがない
 (セミナーの全体像が分からないまま、残りのセミナーを聞く形になる)

(抜粋して再掲載:[1]導入説明資料)

対応としてはシンプルですが、セミナー冒頭に導入説明として紹介する投影資料 をあらかじめ5ページほど抜粋してシート上にも貼っておきました。貼り付けているのは、主に以下の様な情報になります。
 📝セミナーのアジェンダ
 📝セミナー開催の背景 

こうすることで、遅れてきた参加者に対して
「シート上部に導入説明資料を貼ってるので、確認してみてくださいね」
と声を掛けるだけで、聞き損ねた導入説明を円滑に伝えることができる様にすることを目指しました!

なお、今回抜粋した5ページのスライドで救済できる時間は10分程度💡

<実施時の様子>
今回のセミナーには20名弱の方が参加してくださいました。その内、数名は5~10分程遅れてパラパラと参加されたのですが、導入説明を聞き逃したことを申し訳なさそうにされているところに対し、 狙い通りのフォロー を実現することができたので良かったと思います✨

■狙いと実施時の様子 👉 [2]コメントエリア([4]も同様)

この部分で解消することを狙った モヤッとポイント🌀 は以下になります!

②チャットに投稿したコメントがどんどん流れていってしまう
 (少しテンポが遅れると、コメントを書きにくくなってしまう)
③本編時の投影内容詳細が思い出せず、Q&A時の質問精度が落ちる
 
(本編で説明があった内容と、Q&Aの回答が重複してしまう)

(抜粋して再掲載:[2] コメントエリア①(および[4]))

このエリアは "登壇者からの投影資料紹介中に活用する" ことを想定したエリアです。エリア活用にあたり、あらかじめ以下アナウンスを行いました。
 「コメントを寄せたい資料は随時キャプチャーしてOKです!」

投影中の任意のスライドをキャプチャーして貼り付けてもらうことで、貼り付け位置が関連コメントの集合場所として使われることイメージしました。

これにより、チャット投稿で生じがちな「コメントがどんどん流れることで、それぞれどの内容でのコメントだったかが追えなくなる」ということや、「コメントを途中まで書いてたけど、他のスライドに移ってしまってコメントし損ねる」というモヤっとポイントを解消することを目指しました!

(抜粋紹介:セミナー終了後の コメントエリア①と② /ちょっとぼかし有)

また、それぞれの参加者が気になった箇所を同一シート状にキャプチャー&コメントを貼り付けしていくことによって、「参加者全員で登壇内容をメモしている」というスタイルを実現し、参加者ひとり一人の負担を減らしながらも手厚いQ&A用の材料を残すことを目指しました!

<実施時の様子>
上述のキャプチャーの通り、キャプチャーしたスライドの周りに付箋やテキストでコメントが集まる形を実現することができました。その中には質問をも記載されているのですが、「どのスライドを踏まえての質問か?」もパッと分かる ので、以降のQ&Aもより円滑に実施出来た様に思います。

また、「他参加者が同じスライドに対してどのように思ったか?」をより直感的に俯瞰できる事や、任意のタイミングで書き込みを追加できることが後押しする形で、付箋による参加者同士のやりとりを生むことが出来ました。

オンラインセミナーはどうしても 登壇者と参加者のやりとりがコミュニケーションの主軸になりがちですが、参加者間でのやりとりを促すことが出来る様になった点は個人的にとても良かった点と考えています✨

■狙いと実施時の様子 👉 [3]感想エリア([5]も同様)

この部分で解消することを狙った モヤッとポイント🌀 は以下になります!

④セミナーに対する感想を参加者同士で柔軟に共有できない
 (運営者側への一方方向な吸い上げ式がほとんどである)
⑤感想に対して、登壇者からのフィードバックが得られない
 (感想を踏まえて思うところがあればコメントが欲しい)

(抜粋して再掲載:[3] 感想エリア①(および[5]))

通常、セミナーの感想と言えば「セミナー後にアンケートフォームで回答する」というのが一般的ですが、今回のセミナーは 各登壇者からの内容紹介後、5分程の時間を設けてその場で感想を書いてもらう 形式としました。これにより、内容に対する感想を参加者同士で共有することを目指しました!

<ワンポイント:匿名性について>
"匿名でないと書きにくい感想" もあるかと思いますが、Miroの仕様上 アカウント登録せずに Visiter(訪問者) として参加し、かつ書いた付箋に名前を記載しなければ、感想の匿名性は担保される形式となっています💡

(参加人数が少なかったり、他の参加者がみんな記名で書いてしまったら難しくなってしまう場合もあるかもしれませんが)

(抜粋紹介:セミナー終了後の 感想エリア①と② ※返信用付箋も追加済み /ちょっとぼかし有)

そして、セミナー後に参加者から寄せてもらった感想に対し、セミナー登壇者からコメント添えることを行いました。具体的には返信用の付箋を追加する 形です。追加後にシート全体を参加者に展開することにより、参加者感想に対するフィードバックをお返しすることを目指しました!

<実施時の様子>
感想の記載開始早々は若干の沈黙があるものの、1分も経てば "記載が早い方の感想" を拾いながら登壇者が余談を展開できる状態になったので、企画運営側としてはそれほど気になりませんでした!

むしろ、参加者全体の感想を俯瞰しながら、気になる方が多いポイントに対して柔軟にこぼれ話を展開できる様になることが良かったと感じます💡

参加者の何気ないつぶやきから広がるこぼれ話って、結構面白かったりすると思いますが、具体的な質問がなくとも リアルタイムな参加者の感想共有を通して、こぼれ話を引き出しやすくなる様に感じます!^^

また、登壇者からの返信を追記したシートを展開した際には「ホスピタリティ/おもてなしが凄いセミナーだった✨」等のコメントを頂くことができ、今回の実施内容に対する手ごたえを感じた次第でした!

<ワンポイント:返信用の付箋について>
自分自身も登壇者の一人でしたので、終わった後に返信用の付箋を記載していったのですが、セミナー後に腰を据えて返信を書く中で、自分自身も気付きが広がる感覚 があり、参加者だけでなく登壇者にとっても有意義な取り組みとして受け取って貰えるのではないかと思いました!

3.理想のオンラインセミナーを目指してみて

今回は以下の モヤッとポイント🌀 を解消した "理想のオンラインセミナー
"
を目指して、Miroを活用したセミナー設計を行ってみました!

◇オンラインセミナーでのモヤっとポイント🌀◇
①冒頭参加が遅れた時に聞き逃した導入説明を再度拾うチャンスがない
②チャットに投稿したコメントがどんどん流れていってしまう
③本編時の投影内容詳細が思い出せず、Q&A時の質問精度が落ちる
④セミナーに対する感想を参加者同士で柔軟に共有できない
⑤感想に対して、登壇者からのフィードバックが得られない

まだまだ改善の余地はあるかと思いますが、自身としては十分な手ごたえを感じ及第点は得られた様に思います。

リアルでのイベントもだいぶ復活してきた中ですが、今後もリアルとオンラインでのセミナーは共存していくかと思いますので、引き続き自分の思う "理想のオンラインセミナー" を目指していきたいと思います💡

例えば、次に実施する時には「感想を書く時にバックミュージックを流そうかな~」という感じです♪ ^^

〇参考書籍「問いのデザイン」

日頃のワークショップの開催においては、以下の書籍を手元におきながら取り組んでいます。今回はセミナーでしたが、ファシリテーションの勘所についてもとても参考になる書籍ですので、参考までに紹介させて頂きます!

■問いのデザイン 創造的対話のファシリテーション
(安斎 勇樹・塩瀬 隆之 著、学芸出版社)

著者の一人の方の関連noteリンクも貼っておきます!


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