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「前例主義を逆手にとって会社を動かす」勉強会の結論→「前例を聞かれても答えてはいけない」

カヤック人事部の柴田です。「前例主義を逆手にとって会社を動かす」という勉強会をやったので、そのレポートと気づきを書きます。以下の写真のように、右の3人がその場でテーマに合わせて自由に話して、それを左の人がその場で解説するという「実況解説型勉強会」となってます。

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まとめ①「前例があるの?」という質問の意図は複数あるからそれを理解してから回答する。

・決裁者等に提案し「前例はあるの?」と聞かれた場合でも、すぐに答えない。まずは以下のパターンのどれなのか?を把握してから回答しよう!

①必要性がわからない場合(どんな課題を解決したいのか理解されてない)
③必要性はわかるが、その提案内容である理由がわからない(他の選択肢は?)
③必要性も提案施策の理由もわかるけど、見落としてるリスク他にあるかな?
④自分はOKだけど他の人を説明するために事例が必要
⑤意味ないと思ってるけど断りにくいから事例だけ聞いておくかな
※他にもあったら教えてください!

まとめ②「前例主義」が強すぎる会社は、転職した方がよいかも。具体的には「集団浅慮状態」になっている。その条件も研究されている。

「組織ルーチン」と言われる、意思決定を迅速にするためにある社内の知見が強化されすぎると「集団浅慮」とよばれる状態になる。現在の会社の意思決定プロセスに自分が対応することを実施する一方で、以下の兆候が見えたら、離脱も考えた方が良い。

組織・集団の意思決定において、早急に合意形成を図ろうとするあまり、その結論が正しいかどうかを適切に判断・評価する能力が著しく欠如するといった現象bizhintより

兆候として、「自分たちに関する過大評価」「自己正当化、合理的に自分たちは説明していると思い込んでいる」「忠誠心を求める」等がある。

ここまではイベントでもシェアされていた内容です。あとは私の気づきを書いておきます。

柴田個人の気づき①事業における提案よりも、人事系の施策のほうが「前例主義」になりやすい可能性がある?なぜなら業績への効果がわかりにくいから、小さく試して実験するより、他社の例を知りたくなるから。

これは、はまーさん(カヤックOBで毎回登壇してもらってる、いまリクルートで組織コンサルやってる)がいってた。業績に直結するような提案は、少なくとも「必要性」に関しては合意がとりやすい。それに比べて人事系の施策は成果が曖昧だったり、成果が出るまで時間がかかったりするわけで、「必要性の有無」から理解してもらう必要がある。

開始前に考えていたのは、ある会社の内部においても、独自性のある施策を求めている部署とそうじゃない部署がありそう。なので自分の所属部署がどれぐらい画期的なリスクもある提案を社内で求められてるか、の把握は必要そうだなあ、みたいなことだった。新サービスとかつくってる部署と人事部だと違うよなあということだが、それが別の言葉で説明されたってことかも。

柴田個人の気づき②「集団浅慮(グループシンク)」に陥っているかを自分たちだけで判断するのは難しそう

「自己正当化」「自信過剰」とかって、自分たちじゃわからない。なので、ここはどーすりゃいいのかな、ということが重要だ。ただ、この概念を知っているだけでも、振り返りをすることはできるだろう。牽制機能をもつ人やあえて反対者役をつくるという対策は、それを選んでいるのが自分たちという時点で、信じることができない。そしていま、自分たちが集団浅慮に陥ってないかどうかが結構心配だぞ!

柴田個人の気づき③自分も「提案に対して断りにくい」ときがあることがわかった。特に、原因としての「社内調整コスト」の存在が大きい場合。「それやるの大変なんだよねー」は提案者のテンションがさがるし、自分が無能なだけ感がある。

いろんな制度案とかが主に社員から来るのですが、やはり「ちょっと弱いな」みたいなことがあります。いや、むしろ提案もらえるだけでありがたいので、なんとか会社にとっても意味がある制度にして実現したいなと思うのですが、それができないときがあります。

人事部からの提案だったら、普通に「それないだろ」ってジャッジすればいいんですが、専門職だし。社員からだとなんとかしたいなーという感じになる。そしてそれができないことに申し訳なさを感じてるんだなということに気づきました。そんなこと思ってるわけないだろと自分で自分をつっこみたいが少しはあるらしい。

そして、その理由としての「提案内容がいまいち」を分解してみると、実行までの社内調整コストというものがかなり大きい。調整コストも提案内容の一部ではあるけれど、それを提案者にNG理由としてつたえるのがやりにくい。

「社内調整がたいへんだからNG」って「おいおい、そこかよ、ふざけんな」ってなりますよね。お役所仕事感というか。しかし、言語化されたので、そういう現実に向き合っていける。むしろこれだけでひとつの記事にしてもいいぐらいだぞ。ちなみに社内調整コストを下げる方法は、小さく試すとかいろいろあるけど限界あるよなあ・・・


最後に:次回の勉強会は「管理部門のキャリア開発」です。11/14(木) 19:25〜@渋谷

管理部門の社員のキャリア開発を考えたときに、私が知っているジレンマを書いてみます。

個人視点のキャリアのジレンマの例
会社からは「現在の業務内容」を高く評価され、成果も出ている。ただ、「現在の業務内容」には個人的に飽きが来ているし、新しいミッションをもって、違う業務をやりたい。ただ、会社としては「(他に任せられる人がおらず)もうちょっと今の業務をやってほしい」と言われている。

これは個人視点ですが、これとは違うケースで会社視点のものを書きます。

会社視点のキャリアのジレンマの例
ある社員の「現在の業務内容」は高く評価している。ただ、今後、その業務内容は他の社員に引き継ぎ、本人には別のミッションを行ってほしいと考えている。理由は、「特定の業務を長く同一社員がやることによるマイナスがある(属人化、etc.)」「その業務内容は陳腐化する可能性があるため、社員の能力開発視点からも、その業務以外を行って欲しい」の2点。ただ、本人はその業務の継続を希望している。

今回は「管理部門」のキャリア開発なので、管理部門のキャリアの特徴というのがあるはずなので、そこを解き明かしたい。
・ルーティンワークを高速で正しく回すことが期待されている
・投資対効果よりは、ミニマムコストで運用されていれば良い、という評価もある
カヤックの管理部門のメンバーも今後どうしていくかなーみたいなことのヒントがあればと思って、このテーマにしました。

以上です!

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