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ラヴレター

誕生日を迎えたきみへ

誕生日おめでとうって当日言えなくてごめんね、忘れてました。忘れちゃうくらいずっと一緒にいたってことで許してね。

きみに出会ったのは小1の時で、いつも一緒にいるのになんでか私を下に見てる節があるのは、気に食いません。まあいいけどね。きみが覚えてるかわかんないけど、私がきみが寝ている布団に入ると突然鼻を噛んできたのはびっくりしました。何か私気に触ることでもしましたか?まあいいけど。

けどそんなきみにはhotなところがあります。
片耳だけ上がっているところ
ご飯に混ぜた薬だけ残すところ
みんなが寝に行くのにいち早く気づいて催促するところ
玄関で帰りをずっと待つところ
ボール遊びに興味がないところ
子供や犬嫌いな人に興味がないところ
カメラが嫌いなところ
散歩で帰りたくなったらリードを噛むところ
自分が人間だと思って疑わないところ

挙げ出したらキリがないのでやめます。

そんなきみも今年で16歳です。さすがに歳をとりました。足腰も弱り、後ろ足が常に横滑りしたり、おしっことうんちも踏ん張ることができずに少しずつしか出せなくなり、耳が遠くなり、目も悪くなりました。一時期、膵臓だったかの値が悪くなりましたね。けれどhotなdogなだけあり、当時14、5歳のきみは正常値まで戻しました。あの時は魔法でも使ったんですか?先生にも心臓が強いと褒められましたね。やっぱりhotです。

きみは私にとって、大切な家族でライバルです。当時小1の私は末っ子だったこともあり家族のアイドル的存在でしたが、きみが現れて一瞬でその座を奪われました。韓国のアイドルオーディションでもそんな展開ありません。けれど私にとってもきみは最高なdogで、きみ以外のどんなdogにも代わることができない存在です。そんなきみに聞きたいことがあります。私たち家族はきみを幸せにすることができていますか?私たちのところに来て満足していますか?私たちはきみにとって世界だと思います。他の世界を知らないきみですが、どんな風に私たちのことを考えているのか気になってしまいます。きみがいなくなっちゃう前に教えてね。きっと私のことはベタベタ触ってきてちょっかいをかけてくるうざいやつとしか思っていないのでしょうが。

きみはまだそばにいてくれていますが、やっぱりおばあちゃんになりすぎたきみを見て思うことがあります。きみがいなくなってからはどのように家に帰ってきて、ご飯を食べて、寝ればいいのでしょうか?きみのベッドやきみに取られたぬいぐるみたちは片付けるべきなのでしょうか?いなくなってしまった後のきみの生活スペースを見るのは辛すぎます。きみは私の人生になんてことをしてくれたんだろう。人は心に深い傷を残していった人を忘れるには7年かかると聞いたことがありますが、きっと私はきみを一生かけても忘れられません。やっぱりhotですね。

ネガティブ炸裂な私ですが、きみの様子を見る限りまだいなくなる気はさらさらないようです。さすがですね。今きみは私の横で寝ていますが、明日も少しきみが早く目覚めて起こしてくれることを信じて寝ます。じゃあおやすみなさい。


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