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デザインするときに参考にしたい古典模様が持つ意味

渋谷でデザイナーをしています。福田です。
突然ですが、デザイナーをしているとよくロゴ制作を頼まれます。
ロゴ制作の依頼の中には日本の古典模様をモチーフにしたものもあります。そして、いくつかロゴを作る中で思いました。
日本のデザイナーとして古典模様の意味や由来を知りたい!
デザインした媒体に古典模様の意味や由来を裏メッセージとして込めたら、なんだか素敵に思えませんか?
古典模様について、たくさん勉強したのでまとめてみました。

1、矢絣(やがすり)

矢羽の形をモチーフにした模様です。弓で放った矢は真っ直ぐ進んで戻らないことから、嫁入りしたあと「出戻らない」として江戸時代には結婚する際の着物の柄として重宝されました。また邪気を払う破魔矢の意味もあり、魔除けの意味を込めて幅広く使用されるモチーフです。

2、七宝(しっぽう)

同じ大きさの円を重ね合わせて繋がった模様です。円は円満を意味します。七宝は、繋げば繋ぐほど模様が広がることから、子孫繁栄や、人と人とが出会うことを表しています。良い人間関係を築くことが出来るというような意味を持った縁起柄です。

3、青海波(せいがは)

波を扇状に見た立てて波紋を図案化した模様です。波は永遠に続くことから、未来永劫の祈りや、波風立たない平和な暮らしへの祈りを込めた模様です。

4、鮫小紋(さめこもん)

細かい点で鮫皮の模様を半円形で重ねた模様です。鮫の肌は固いことから、鎧に例えられ、厄除けや魔除けの意味をもちます。

5、麻の葉(あさのは)

麻の葉をモチーフにした模様です。麻は成長が早く丈夫なため、子供の健やかな成長を願う模様です。そのため産着の模様として愛される柄です。

6、豆絞り(まめしぼり)

豆をモチーフにした模様です。豆は一粒まけばたくさんの実がなることから、子どもがたくさん生まれますようにという願いが込められています。子孫繁栄を願う模様です。

7、市松文様(いちまつもんよう)

正方形を繰り返し並べた模様です。江戸時代の人気役者である佐野川市松が舞台衣装としてこの模様を愛用していたことから市松文様と名前がつきました。石畳模様とも呼ばれ、勝負運を願う模様です。

8、鹿の子(かのこ)

子鹿の背中のまだら模様に似ているため、この名前がつきました。意味や由来はこれといってないようです。(勉強不足ですみません)
しかし、鹿の子は可愛さと高級感を併せ持つことから、古くから子供や女性の着物に多く使われてきた模様です。

9、唐草文様(からくさもんよう)

唐草という植物ではなく、つる草を図案化した模様です。どんな環境でもたくましく生き抜く生命力を持つツル性の植物から、未来永劫の意味が込められています。

10、花菱文様(はなびしもんよう)

菱形には、厄除け魔除けの意味があると言われています。中国から伝わった連続文様で、平安時代には公家の調度品や衣装に愛用されていました。

11、亀甲(きっこう)

正三角形を組み合わせた模様です。連続で繋ぐことで四方八方の広がりを表しています。亀の甲羅は貨幣の象徴でもあり、金運が良くなるとも言われています。

12、紗綾形(さやがた)

江戸では紗綾形、京都では綸子(りんず)と呼ばれています。中国から日本へ輸入された紗綾(さや)という絹織物に使われた文様です。端正で品格のある雰囲気から皇族や武家に愛用された文様です。

13、立涌(たてわく)

立ち昇る湯気をイメージした模様です。水が水蒸気となって立ち涌く様子を連想することから、出世を願う模様です。

14、観世水(かんせみず)

能楽の家元、観世家から愛用していたことから名付けられた模様です。水は渦を巻きながら常に形を変えることから、常に変わりゆく無限の世を表わした文様です。

15、井桁(いげた)

井戸の上部に組まれた木枠を表した模様です。生活になくてはならない井戸を守ることを表すことから家内安全の意味が込められています。

16、鱗(うろこ)

正三角形や二等辺三角形を重ねて龍や蛇のウロコを表した模様です。古くから魔除けの力があるとされています。


古典模様の世界は奥が深くて面白いですね。おわり。

読んでくださりありがとうございます。大学時代にやっていた陶芸が恋しいので、サポートして頂いたお金は、信楽粘土を買う代金にあてる予定です。