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アイロンのこと

アイロンをかけるのが上手だね。

何度か言われたことがある。
実際のところ 全く自信がない。

洋裁や立体裁断を学んでいた頃
「アイロン」は「評価」に直結していた。
評価を戴くための「礼儀」といえば
随分聞こえがいいのだけれど
私のそれは アイロンがピシッとかかっていれば
至らぬところを隠せるという「逃げ」でもあった。
しかしアイロンかけの良し悪しで
「アイロンもまともにかけられないのか?」と
評価の前に 突き返される場合もあったりした(笑)

見栄え良く仕上げるための技として
恩師に「平ごてを当てる」ことを教わった。

「平ごてを当てる」とは
ミシンでも手縫いでも どちらの場合でも
一度縫ったところに サッとアイロンをかける。
それだけだ。

「平ごて」を確実に済ませたら
縫い代を割ったり 片倒ししたり
次の工程に進んだりするという具合だ。
10代の私は そんなこと?!と思ったが
仕上がりが全然違うから驚きである。

刺し子に「平ごて」を活用するときは
もちろん 刺し終わった時に。
驚かれるかもしれないけれど
水通し前に 1度必ずアイロンをかける。
くぐり刺しをする場合は
くぐる前に しっかりとアイロンをかける。

水通しが終わったら またアイロン。
このアイロンは いわば「お化粧」
綺麗に見栄えがするように仕上げて
お披露目したいと思っています。

アイロンをかけるときは
布の縦糸と横糸に沿って順番に
斜めに動かすと 生地が歪んでしまうので
斜めは控えるか かけない方が望ましいです。

たかがアイロン されどアイロン。
「平ごて」は最強の技。
騙されたと思って 是非お試しを。

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