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〇〇は日本語で何ですか?と聞かれたら

日本語の学習意欲が高く、話したいことも多い生徒さんは、
教科書や語彙リストにまだ出てこない言葉も、日本語で言いたくなります。
そういうときって、言いたい内容が、生徒さんのレベルよりも高いことが多いです。

学習者は、自分のこと、自分が本当に話したいことを言えるようになると、
満足度が高まり、学習を継続する意欲も出てくるので、
〇〇は日本語で何ですか?の質問には上手に答えたいもの。
生徒さんの満足度も高めつつ、今日のレッスンのじゃまをしないように、柔軟に対応していきたいものです。

言いたいことが名詞の場合

言いたいことが名詞の場合、どんどん教えてあげればいいと思います。
会話に頻繁に登場する人物や、職業、学校の教科などは、
使っているうちに覚えていきます。
例えば、私の生徒の場合、
いとこ、夫、妻、同僚、などが会話に多く登場します。
小学生やハイスクールの生徒の場合、算数、フランス語、美術、数学、物理、昼休み、などの、学校生活に関する語彙。
また、大人の生徒だと、自己紹介を学習するときには、教科書に載っている職業の人は滅多にいないので、必ず職業の語彙も教えるようにしています。

言いたいことが、未習の文法事項の場合

動詞の「ますフォーム」を使って文を作れるようになると、
てフォームもshort formもまだ勉強していない段階で、
・~たい
・~たことがあります
・~られます(可能)
の文を言いたくなる生徒が多いです。

特に、会話をしている最中に、いろいろ言いたいことが出てきて、でも言え
ない!という壁に遭遇するようです。
例えば、日本の食べ物の話をしているときに、
How do you say "I want to eat" in Japanese?
How do you say " I cannot eat" in Japanese?
というように。

そんなとき、できる対応は3つあります。
①あ、その文法はまだまだ先だからちょっとまだ言えない、と伝える。
②あ、その文法はまだまだ先だけど、「食べたいです」って言えばいいのですよ、と、その場合に限定した言い方を教える。
③あ、その文法はまだまだ先だけど、ちょっとやってみる?と文法説明を始め、他の動詞でも応用もさせてみる。

どの対応をとるかどうかは、レッスン時間や、生徒さんのレベルや性格に合わせて、教師が決めていいところがフリーランスやオンライン日本語教師の利点ですよね。

はじめに②の対応をとってみて、「食べたいです」と言えばいいと分かったら、そのまま会話をスムーズに前に進めていく生徒もいます。
そして、レッスンを重ねるうちに、また「~たいです」と言いたくなって、同じことを繰り返しているうちに、覚えて使えるようになります。
私に聞かずに言えたら、今日は言えたね!とほめてあげましょう!

「食べたいです」って言える、ということは、「飲みたいです?見たいです?話したいです?」と、会話は一時中断して、自ら③に移行していく生徒もいます。
そういう生徒は応用力も高く、きちんとメモを取ったりしているので、
次にまた同じようなことが、他の文法事項で起きた場合、
③の対応をとったり、教科書の該当箇所を参照したりしてもいいのです。

言語学習の喜びや意義は、
教科書を一冊終わらせることでもいいですし、
覚えた漢字や単語の数を増やすことかもしれないし、
試験に合格すること、と言う人もいるでしょう。

でも、自分が言いたいことが言えた!伝わった!会話が続いた!
というアウトプットの喜びを提供し分かち合えるのが、
日本語教師が存在し求められている大きな理由なのではないでしょうか。

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