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子どもの多様性理解とアドボカシー〜子どもアドボカシー基礎講座2日目

子どもアドボカシーセンター広島主催の「子どもアドボカシー基礎講座」を受講中です。これは2日目(2/13(日))の2コマの講義メモです。

1コマ目<子どもの多様性の理解>

講師:高橋弘恵
NPO法人チャイルドライン支援センターにて20年子どもの相談に携わる

◆目の前の子どもを理解するために

子どもに関わらず全ての人は、見える部分と見えない部分で構成される。

✅見える部分=身長、表情、声、仕草など
見えない部分=家族、常識、価値観、週間、宗教、発達、性格、性別など気持ちや背景

さらにコミュニケーションの難しさが存在する。

✅言語コミュニケーション=バーバルコミュニケーション=言語情報=5%
✅非言語コミュニケーション=ノンバーバルコミュニケーション=非言語情報=93%(視覚情報55%+聴覚情報38%)

見えない部分を知るためには、子どもの「語る勇気」に頼っている状況
見えない部分は言語化してもらわないと分からない

◆子どもを取り巻く状況

主に5つの要素が絡み合っている。

① 自分(例えば、孤独、ひきこもり、発達、非行、不登校、容姿、障害、性格、精神疾患、希死念慮、自傷行為など)
② 家庭(例えば、虐待、兄弟からの暴力、貧困、ヤングケアラー、親の精神疾患、ひとり親、国籍など)
③ 学校(例えば、人間関係、いじめ、恋愛、成績、部活、体罰、性暴力、校則、進路など)
④ 地域
⑤SNS

◆子どもアドボケイトは子どものアライ(ALLY)

ALLY=味方、仲間、同盟

元はセクシャルマイノリティの理解者に対しての言葉だったが、最近はその他のマイノリティの理解者についても使われる。

子どもアドボケイト=子どものALLY
(どんな人にもALLYは必要)

(1コマ目を終えての感想)
見えない部分の理解についてはどうしても、子ども自身の「語る勇気」に頼りがちだが、それが子どもの中に生じるかどうかは、大人の振る舞いや普段の言動に寄るところが大きいと思う。子供が語らないときは「語れない時」、「語りたくなる相手」になれているかどうか自問自答し続けたい。

2コマ目<子どもアドボカシーの4つの理念と6つの原則>

講師:堀正嗣
熊本学園大学、著書「子どもアドボケイト養成講座

◆子どもアドボカシーの4つの理念

① セルフアドボカシーはアドボカシーの本質
② 権利行使主体としての子ども
③ 子ども差別への異議申し立てとしてのアドボカシー
④ アドボカシーはライフスタイル

① セルフアドボカシーはアドボカシーの本質

セルフアドボカシー=権利主体が中心になり、単独或いは集団で声を上げる形態
(代理人アドボカシー=第三者(弁護士、SW、保護者など)が中心になって代弁する形態)

② 権利行使主体としての子ども

ここで必要とされるのは「子ども観の転換」とのこと
Becomingの子ども観→Beingの子ども観
身体などの差異を超えて、同時代を生きる対等な人間としての子ども

③ 子ども差別への異議申し立てとしてのアドボカシー

チャイルディズム、アダルティズムといった「子ども差別(子ども=大人よりも劣った存在という見方)」の権力関係に異議申し立てを行う立ち位置=子どもアドボケイト

④ アドボカシーはライフスタイル

アドボカシーは技術でも介入の戦略でも、実践の道具でもない。〜略〜自己蔵、アイデンティティ、自分の人生の生き方などと統合された、切っても切れない一部になっていなければならない

「子どもの権利最前線/カナダ・オンタリオ州の挑戦」2018より

◆子どもアドボカシーの6つの原則

アドボカシーのプロセス

傾聴(気持ちも含めて)

意見形成支援

意見表明支援/代弁

施設からの回答

子どもへの情報提供

傾聴(気持ちも含めて)

子どもアドボカシーの6原則

子ども主導=子どもが運転席につく=子どもの立場にのみ立つ
エンパワメント=肯定的パワーによって外的内的双方の抑圧を取り除く
独立性=子どものために働き、全ての利害の対立から自由
守秘=子どもの同意なしには漏洩しない
平等=アドボカシーは権利擁護
子どもの参画=「私たち抜きに私たちのことを語らないで」

(2コマ目を終えての感想)
イギリスでの報告に「子どもたちは結果とともにプロセスを大切に思っている」とあったと聞き、たとえ願いが叶わない時も、子どもたちは(大人であっても)しっかりと話を聞いてもらった経験は人生を肯定していくものなのだなと思った。


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