橋本嘉代「なぜいま家族?」

メディアとジェンダーを研究しています。 近著『なぜいま家族のストーリーが求められるのか…

橋本嘉代「なぜいま家族?」

メディアとジェンダーを研究しています。 近著『なぜいま家族のストーリーが求められるのか』(書肆侃侃房 2020年)。

最近の記事

なぜ「鬼滅の刃」は人気なのか (2)

 だいぶ間があいてしまいましたが、前回の続きです。「鬼滅の刃」ブームについて、あれこれ考えたことを少しずつ書いてみます。  大正時代は今より「働かざる者食うべからず」的な雰囲気が強かったかもしれませんが、登場人物の心性は現代人に準じると想定して分析しています。  「鬼滅の刃」の那田蜘蛛山編では、群れないといわれる鬼たちが5人家族として暮らしています。累は下弦の五という称号を持つ強い鬼ですが、自分ほどは強くない4人の鬼に父、母、兄、姉の役をやらせ、末っ子の座に収まっています

    • なぜ「鬼滅の刃」は人気なのか (1)

       桃太郎のまち・岡山市で「鬼滅の刃」について話すことになりました。鬼退治には詳しくないので「鬼滅の刃」を“家族のストーリー”としてとらえ、人気の理由を解説する予定です。  なぜそんな話になったかというと・・・。拙著『なぜいま家族のストーリーが求められるのか』を目に留めてくださったさんかく岡山(岡山市男女共同参画社会推進センター)の方から「かぞくってなんだろう。」というイベントで講演を、というお話を9月にいただきました。内容について打ち合わせをするなかで、「最近の人気作品は、

    なぜ「鬼滅の刃」は人気なのか (2)