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人生をメンヘラ女に永久スポイルされ続けることになりそうな男の話

昔からの知り合いが随分と年下の女性と結婚した。見た目もかなりかわいいので、よくぞこんな子を捕まえたもんだ。と、当初はえらく驚き半分、嫉妬半分で喜んだのも束の間、1年もしないで、彼女がメンヘラであることが僕にバレた。(彼はすでに知っていたようだ)

改めて思い直してみると、知り合いは見た目は普通か、ちょっと良いくらいではあるものの、それ以外には社会的地位はもちろんスキルもなく、かといって、その対角線上にある、夢追い人系(売れないバンドマン、芸人、俳優とか)の魅力によって女性を魅了しヒモ化してしまうような男でもない。収入においても生活水準としてはギリギリだ。

もっと言うと、過去、彼はこれまでに様々な将来を語り、新しいこと(習い事など含む)を始めると宣言しては他責か「自分に向いていないことがわかったので続ける時間がもったいない」と早々に区切りをつけてやめてしまうため、何一つ最後まで完遂したことはなく、結果、人に言える特技や経歴、資格等を保有している男ではない。それでいて、残念なことに無駄にプライドだけは高いため、人の意見はあまり聞かない。また、新しい情報を吸収する力もない。故に成長があまり、ない。

そのうえ借金を背負っている。それも、生活上已む無くというものではない。ギャンブルによる借金である。その額も7桁レベル。元本が減っている様子は一向に見られない。多分リボ払いという情報弱者の最先端を走っていると思われる。

とどめに彼は現在、無職である。(なかなか終わっていると言わざるを得ない笑)

そんな男が一回り以上年下の美人と結婚できたという時点で察するべきだった。

それでも僕が彼と付き合っている理由。それは、彼が「いいヤツ」だからだ。(お酒を飲むと時たま異常に絡んできて嫌いにもなるが)
もちろん、この「いいヤツ」というものは人間的には最も重要なファクターだとは思うし、結果それによって僕も連絡をとって定期的に遊んでいるのだが、その最後の武器とも言うべき「優しさ」というカードが、終ぞ、このメンヘラ女の依存をすべて受け入れるためだけに消費されることとなった結果、彼の人生は彼女の「依存」という名の「介護」に捧げることになった。

奇行や盲言、更には自死を匂わす言動を発する彼女に日々震え、その突発的な事象を最優先するがため、日常生活のルーチンワークもままならないようだ。当然僕と遊ぶ予定も、この”突発的な介護”が発生する限りは優先され、ドタキャンと相成る。

適当に遊ぶくらいならばドタキャンも構わないが、数週間、数カ月先など特定日に小旅行を計画したり、お店の予約を要する予定は入れられなくなった。自分もその日その瞬間に臨機応変にプランを変えることが好きなタチなので構わない部分もあるが、さすがに旅行レベルでのドタキャンは厳しい。費用も発生する。なので、そういった類の予定は入れられない。

こんな感じに僕と遊興するレベルの予定であれば劣後しても正直構わないが、問題はこれが日常生活や仕事を行う中で発生する場合だ。彼本人にどれほどの精神的なストレスや暗い影が落ちるのか、想像に難くない。(今は無職だからいいかもしれないけれど)

大丈夫か?
と、思う。

でももしかしたら、僕が彼女の家庭環境や資産状況を知らないだけで、本当はそれなりに裕福だったりして、彼も彼で「最悪、働かなくてもなんとかなる(スネかじるとか)」という考えが頭の片隅にあるのでこういう生活を送っているのかもしれない。等と無理やり可能性の低い想像もしてみるが、今、二人が住んでいる家の雰囲気から見ても、多分そこまでではないだろう。

上述の彼が何一つ大成しておらず、年相応の立場も収入もスキルもないまま、借金までしていることなどを見ると、正直、「しっかりしてほしい」と思うのは友達として幸せになってほしいと思うからなだけであって、究極的には僕が彼の性格や人生に、とやかくいう資格はないだろう。ただ、彼の唯一にして最後の武器、彼そのものを表している「やさしさ」「いいやつ」という部分を貪り食う彼女に苛立つだけなのだ。
彼女の依存に対処するため、多分彼はこれまでに他のたくさんのものを犠牲にし、そしてこれからもしていくだろう。それで本人が満足なら何も言うまい。

ただ、彼自体が何一つ大成しない男だ。なので、開き直って「彼女(の介護)のせいで、やりたいことができなかった。」と被害者ぶってエクスキューズに彼女を利用しだし、お互いが互助関係を構築しだしたら、それは非常に残念な展開だ。

ただでさえ、自己研鑽意識に欠ける彼が、彼の唯一の武器である”人柄”を彼女に吸い付くされ日常生活がおろそかになり、それを理由に日々の生活を怠るとなると、結果、二人のこれからの人生が好転することは難しいのではないだろうかと普通に心配になる。いや、僕としてはメンヘラ女はどうでもいい、友達が心配なのだ。

アドラーの本を勧めたこともあるが、彼は読んだだろうか。不躾にあのタイトルだけをみると、彼女に嫌われる勇気を持つという助言に聞こえたかもしれないが、本質はそこではない。「不平不満を人のせいにするな。全部結局は自分が選択した結果である」ということに気づいてもらいたかったのだが、きっと彼は、読んでいないだろう…。

しかも親の介護であれば肉親であることや、終わりが見えていることで時限的と割りきることもできるだろうが、かなり年下となれば、それは自分のほうが先に逝くまで介護が続くということだ。

もはや諦観も含め、彼に成長してほしいとは思わなくなってきているが、せめて彼の唯一の武器である「やさしさ」(人柄)だけは彼女からは開放されて返してほしい。今はその部分を1人の女性に吸い尽くされ、ただの介護ゾンビになってしまっているのだから。

アーメンw

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