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ボチボチ行きます

四月だ。桜が咲いている。
桜の見事な咲きっぷりを目の当たりにして、鉛のように重い気持ちに鞭を打つ。どうにも年明けから気持ちに力が入らないでいた。近頃、何でも病名が付くのだから何かしらの体の不調なのかもしれない。
年明け早々には人生初のギックリ腰を経験した。お馬さん状態からの脱却が一向に上手く出来ずに『マジか…。』とひとり何度も繰り返すしかなかった。風邪を引かない『おバカ』と言われし私が風邪を引き、このご時世、コロナであるまいか?と疑われてしばらく身を潜めてみたり。今は、兎に角怠いし眩暈の様な頭痛の様な…頭から腰までの背面がガチごちになっていて辛すぎる。それは夏バテならぬ『春バテ』ぞ!とテレビで知らされた。やっぱり、病名があったのか…。そろそろ暖かさが安定すれば私の体も安定するだろう。
うだうだと過ごす中、いつもと変わらず芽吹きの季節がやってきた。ベランダにある鉢に新しく新芽をみつけては地味に心躍らせた。毎年毎年繰り返し繰り返し。
まだ木枯らし吹くころ、市場で蕾をいっぱい蓄えたラナンキュラスの苗を買っていた。中々温かくならいものだからゆっくりと育った。優しいピンクのつもりでいたら、真っ赤だった。私には真っ赤は強すぎると思っていた。だけど、今は真っ赤で良かったと思っている。萎えた私に毎日元気をくれている。太陽と共にパッと花びらを広げて咲き、夕方ゆっくりと花びらを閉じていき、日が沈んだ夜にはすっかり蕾のようになる。それを毎日繰り返しているのを見ていると友のように思えてきた。生きている。『植物も生き物だ』そんなことは頭ではしっかりと分かっているが、こう毎日見せられると呼吸をも感じるようだ。後、3つの花がいる。あの子たちが最後咲き終えたら、さようならだ。
桜もいよいよ散り始めた。窓の外を季節外れの雪のようにひらひらと花びらが降ってくる。

四月だ。年明けからは三か月経ったけど、新年度。気構えてはしまうけど、ボチボチ行こうかな。
気分よく過ごせる日を一日一日積み重ねて良しとしよう。
気分よく過ごせなかったら…そんな日もあるわねとゴマメの日にしよう。


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