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激闘!ミラーレンズ


 先日再び東京競馬場に写真を撮りに行ってきた。
 大昔の名牝馬・ロジータの孫がデビュー2戦目を東京で走るからである(なお結果は惜しくも2着)


 勿論、今回もフィルムカメラを持ち出して撮影に当たった。
 前回はちょっと写真のピントが甘かったり、構図が面白くなかったりしたので、今回は撮影側のコストを減らしてより構図などに集中すべく、手持ちのカメラの中で最も簡単に使えるPENTAX SFX-nシグマのズームレンズ70-300mm DG MACROを持ち出すこととした。

(それにしてもリンクを貼れるのは楽である。詳細の説明が省けるから)

 先述の推し馬はダートコースを走る馬であった。


 そして、撮影を開始してすぐにある事に気づく。



 ダートコース遠いな。


 いや、来たのは2回目だしコースの構造上(芝が外側で内側がダートコースとなる)遠いのは当然なのだが、300mmを持ち込んでも画角がちょっと遠いのだ。
 前回同様テレコンで単焦点伸ばした方が良かったかな……

 ちなみに芝コースはこう写る。


 やっぱり、こう、もうちょっと寄りたい気持ちがあるのだ。
(MFでピントが合わせづらいのとズームレンズの周辺乱れが見苦しい写真だが本題ではないので我慢して欲しい)

 そして、暫く望遠寄りのレンズを探していた結果、候補として上がってきたのがこれだ。


 タムロンSP 500mm F8。

 リフレックスレンズとも呼ばれる、鏡で光を集める反射式レンズだ。
 構造上、絞りの設定がほぼ出来ない(できる物もある)代わりに焦点距離/重量比が大変軽い。
 500gちょっとしかないのだ。
 このガタイで。

 勿論、タムロンのアダプトール規格レンズのためアダプターさえあれば各社ボディで運用できる。
 これを持ち込めば競馬場撮影が劇的に楽になるのでは……

 と思っていた時期が私にもありました。


 まずは、実際にこのレンズを使って撮影した写真を見て頂きたい。



 ものの見事にピントが合っていない。
 いや、違うんやで、これはちゃんと理由があるんやで。

 これらの写真は、ちゃんとファインダーでピントを合わせて撮った……つもりだ。
 と、いうのもF8固定のレンズとなるとファインダーがかなり暗くなってしまいピント位置も満足に合わせられず、おおよそのピントを合わせた後は
「大体この辺だろ」という半ば当て推量になってしまう。
 ぶっちゃけると一部の古く、ファインダーの見え方が良くない一眼レフカメラを使う時はこれぐらいの気持ちでシャッターを切っていることが多い。
 だが、流石に普段はここまではピンぼけになることはない。
 
 では、何が原因なのだろうか。
(腕以外で)

 要するに被写界深度の問題だ。
 普通の光学レンズでF8ぐらいまで絞っておけば、被写体とバッチリピントが合わない距離でも許容錯乱円の関係でピントが「合ったように見える」。
 
 最近のデジタル世代のレンズにはあまり書かれていないような勝手な印象なのだが、古いレンズを使うと必ず被写界深度スケールが付いている。
 あれは、
「この距離にレンズのピントを合わせてこの絞りだと前後これくらいまでピントが合う(合っているように見える)よ」
という範囲の目安なのだ。

 話が逸れた。
 
 要するに普段使っている光学レンズであれば、
「仮にガチピンが取れなくても絞っておけば前後の許容範囲に入る」
というものなのだが、どうやらミラーレンズはその法則が成り立たない物らしい。

 はっきり言うと普通のレンズ換算でF2以下の開放ぐらいにピント面が薄く思える。

 惜しいものもある。


 こちらの写真はミラーレンズのリングボケを活かしたくて、手前の木杭にピントを合わせたつもりのものだが、おそらくピントが数センチぐらいずれてしまったのだろう。
 あえなくピンぼけとなっている。

 さて、扱いが難しいこのミラーレンズ。
 私は冒頭何用に買った、と記したか覚えているだろうか。


 いやこれで競馬撮影はキツいなー!!


 唯一の成功例。



 写りは決して悪くないのだが、ピントが浅すぎるので使いこなすのには相応の修練が要りそうだ。
 幸い、Kマウントアダプトールを使えばデジカメで練習ができるので当分このレンズと仲良くなる作業をしたい。


 ところで秋~冬の競馬をマニュアルフォーカスのフィルムカメラでうまく撮るにはどうしたらいいんスかね。



kaz

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