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THE SECONDを前に

今年から始動した新しい大型お笑い賞レース「THE SECOND」の決勝(グランプリファイナル)が目前に迫っている。


恥ずかしながら、ここまでの予選(選考会、ノックアウトステージ)の動向もあまり追えておらず、初開催の大会ということもあって未知の部分も多いが、以前にお笑いの賞レースを楽しもうという記事を投稿していることもあるので、この大会についても少し掘り下げてみようと思う。


ここからは大会公式ページ等に記載されている内容からの推測となり、実際の内容と異なる場合がありますのでご注意を。
正しい情報をご存じの方がいれば、ぜひご指摘ください。


THE SECONDは”結成16年以上”つまりM-1グランプリ卒業組を対象とした賞レースだ。

ネタは”漫才のみ”となっており、アマチュア及び即席ユニットの出場は不可となっている(結成16年以上の即席ユニットって何やねんという話だが笑)。

事実上の準々決勝にあたるベスト32以降は「ノックアウトステージ」として、1対1のタイマン勝ち上がり方式を採用しており、どうやらゴールデンで放送されるグランプリファイナル(=決勝)も同様の形式になるようだ。

現在グランプリファイナル進出が決まっているのが8組なので、1本目のネタで4組に、次のネタで2組まで絞って最終決戦ということになり、優勝する為には計3本のネタが必要ということになるだろう。

ネタ時間は”6分”となっており、これはM-1グランプリの4分と比較するとかなり長い。
この点は、寄席や営業等で長尺のネタを披露する機会の多いベテラン芸人を対象とした大会故だろうか。スピード感やボケ数の多さが重視されがちなM-1との差がどう出るのかについても気になるところだ。

決勝の審査の方法については、どうやら今のところ明かされていない。
今大会に限らず、お笑いの賞レースは、この「審査方式」にどれだけハマることができるかが最も重要だ。
ノックアウトステージについては、会場の一般審査員100名がひとり3点で審査し、100×3=300点満点で対決をしていたようだが、決勝はどうなるだろうか。
さすがに全国放送のゴールデンタイム、賞金1000万円の大規模大会なので、有名人の審査員が複数名登場するような気もする。一般審査員との複合点で評価というのもありそうだが、タイマン形式ということなので「THE W」のように、毎回決選投票という形式も面白いかもしれない。
何はともあれ、このあたりについは続報を待ちたい。


先日発表された、グランプリファイナル進出の8組は以下の通り。

スピードワゴン
三四郎
超新塾
ギャロップ
テンダラー
マシンガンズ
囲碁将棋
金属バット

トーナメントの組み合わせは5月9日(火)とのこと。

さすがに豪華な面々が揃っているなといった印象。
結成歴は金属バットの16年が最短で、テンダラーの29年が最長。
事務所分布は、吉本が4組で、ホリプロコム、マセキ、太田プロ、ワタナベから各1組とバラエティ豊か。
大阪を拠点としているのはテンダラー、ギャロップと金属バットで、それ以外は概ね東京芸人と言えるだろうか。

どの組もベテランだけあってテレビや劇場での活躍は折り紙つき!老獪なテクニックや勢いのあるネタ構成など、それぞれがしっかりとした独自のスタイルを確立している点も面白い。

どの組が勝ってもおかしくないハイレベルな戦いが予想されるが、せっかくなので個人的な注目の組について以下に挙げておこう。


優勝予想の本命は「スピードワゴン」。
他の組と比較すると、テレビや劇場で漫才をする頻度が少ないようにも思えるが、タイマン形式の本大会においてはむしろ利点にもなり得るように感じる。
小沢さんの漫才にかける愛や情熱は各所で語られているし、バラエティタレントとして大活躍を続ける昨今に至っても、舞台やネタが原点という考えが芯にあるコンビだと思うので、優勝へのポテンシャルはカナリ高いだろう。

対抗馬として注目をしておきたいのは「超新塾」だ。
昭和ロックな出で立ちの5人組というとイロモノ的な印象を受けるが、肝心のネタはわかりやすいボケにオーソドックスなツッコミの超王道スタイル。多人数漫才故のテンポ感と展開力が最大の武器で、ノックアウトステージでジャルジャル、COWCOWというタイマン形式に強そうなコンビを立て続けに破っている点も興味深い。

大穴としては「マシンガンズ」を挙げる。
もともとネタの強さや勢いに定評のあるコンビだと思うが、掛け合いのスピード感や、どんどんボルテージが上がっていくネタ構成はハマると強烈な爆発力を発揮するだろう。どちらかと言えばギミック系というか、一定のフォーマットのある漫才がウリかと思うので、優勝までのネタ3本がマンネリっぽくなってしまうと失速の恐れもあるが、そこにどんな仕掛けをしてくれるのかにも注目をしたい。

そして何よりも、やっぱり応援したいのが「金属バット」だ。
これはもう単純にひとりの金属バットファンとして、彼らがゴールデンタイムの大規模賞レースの決勝の舞台で活躍し、栄冠を手にする姿が見たいという話で、冷静に優勝予想に組み込むことはできなかった。
大阪訛りの強い独特なしゃべり口調や、コンプラ的にヒヤヒヤさせられる破天荒な立ち回りが注目されがちなコンビだが、近年のネタの完成度には目を見張る凄まじさがある。昨年のM-1グランプリ準々決勝でのネタは特に印象深く「このネタで通れないの!?」という衝撃は記憶に新しい。ファンの贔屓目を差し引いても十分に優勝はあり得るんじゃないかとも思う。


さて、いろいろと書いてはみたが、今後公式の情報も続々と追加されることだろう。
そのあたりにも目を向けつつ、決勝当日を待とうと思う。

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